いじめられる側
いじめている側は、私の気持ちなんて分からない。
いじめている側は、きっとすぐに忘れる。
私はこんなにも辛いのに。こんなにも、死にたいのに。
でもただ死ぬのは癪。私の事をこんなにも追い込んだ貴方はのうのうと生きていく。そんなの許せるはずはない。でも、だからこそ、死ぬって決めた。貴方の、トラウマとして残るようにと。
いずれ死ぬ、その時に。意識が遠のく、その前に。貴方の絶望する表情が見れれば、私はもう満足。そのために、私は貴方に手紙まで書いた。
こうなったのは、全部全部貴方のせい。それでも、ここまでした貴方が死ぬなんて、許さない。私を背負って、一生一緒に生きてもらう。
貴方には私の体を見てほしい。貴方にもらった痣も傷もまだ消えてないの。消毒液をかけられた髪の毛はパサパサのまま。貴方にもらってからずっとそのままにしていたの。大切にしていたの。
貴方のことを思い出すととても辛くて、心が痛かった。だから傷をふやしてしまった。刃物をあてた時の焦りと不安。勇気をだして切ってからの開放感。ぷつっとでてくる血液。貴方がくれた時間ほどではないけれど。とても楽しくて、時を忘れるほどだった。貴方も私を思い出した時にやってみてね。
さいごにひとつ、気になったことがあるの。私に向ける冷たい視線も、嫌がらせの数々も。貴方がするとすごく様になっている。けれど。やっぱり、貴方には似合わないと思うの。そっち側じゃない。きっと、貴方に似合うのは。
えぇやっぱり。貴方にはそちら側がよく似合う。ずっと私を背負っていてね。忘れるなんて、許さない。大好きな貴方へ書いた、私の最初で最後のラブレター。貴方が私にくれた傷。これは貴方の愛だよね?私は貴方にそういう事をできていないから、私の気持ちは伝わってはいなさそうだけれど。ずっと大切にしていてね。
意識が消える前に見れてよかった。