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第65話 合流

 受付嬢さん――織賀(オリガ)さんが二階へと向かってまた降りてくる。

 その後ろに盗人事件の際に居たあのソフトモヒカンのおっちゃんが階段を下っていた。


「おう、やってきたか」

「はい。遅まきながら……」

 

 前よりも日に焼けたような感じだ。

 むき出しの太い腕がこんがりと焼けている。あれだけ鍛えていると素のステータスもアタシより上だろう。

 カウンター近くの壁に寄りかかると手をひらひらと振る。


「いい。学業があるからまだこねぇと思ってた。思ってたより早いぐらいだ。しかしどうしたんだ一体、今日は学校じゃねぇのか」

「実は……」


 魔獣に襲われたこと、それによって校舎に少なからず被害を受けたこと、清掃作業や大型の魔道具の整備に、周辺に魔獣が残っていないかを洗うために二週間の休みになったことを告げると、受付嬢は何かを思い出したような表情をした。


「ん? 何か心当たりがあったのか?」

「いえ、ちょっとギルド内で話題があったのを思い出しただけです」

「学園から何か連絡が来ていたんですね、やはり」


 学園の卒業生がハンターとして活動していたり、さらに卒業後、ハンターとして活動した人が先生になったりとしている光栄宮学園は、クエスト仲介所とは仲が良いはずなのでそりゃ話も行くか。

 

「えぇ……そうですね。学園側と幾つか協議中です」


 受付嬢さんの歯切れが悪い。疑問符を浮かべる前に、琥珀さんが話題をぶった切る。

 

「まぁ、その件は別に興味がないな。それで? 嬢ちゃんも初心者講習ってわけだ」

「初心者講習?」


 受付嬢に目をやるとちょっと違うんですけどね、と苦笑しながら告げた。


「簡単な定期クエストを、新人とベテランを組ませて行うことがあるのですが、それが通称的にそう呼ばれているだけです」

「初心者講習と名前を変えちまえ」

「そういう訳には」

「そもそも、嬢ちゃんにいるのか? 初心者講習。もっと上の魔獣に当てちまってもいいんだぜ?」

「要ります! 私、魔獣はまだ苦手な部類なので……。あわあわとしちゃうんです……」


 それに食い気味に返事をすると、信じて無さそうな顔をするされるが、まぁそうだよね。

 アタシも、フォーク一本で盗人を封じ込める人を見たとして、その人が魔獣苦手なんですと言っても信じがたい。

 

「あの腕前でか? 信じられねぇが、まぁそういうならしょうが無いが……」

「ほら、人と魔獣は作りが違いますし、人に慣れてる分、その違いが激しくて……」

「……」

「……」


 そう告げたら、織賀(オリガ)さんと琥珀さんが一歩引いたような視線を向けてくる。なんでじゃ。織賀(オリガ)さんの表情は固まってるし、琥珀さんはマジかよコイツみたいな目をしてる。

 琥珀さんが突然凍り始めた空気を壊すようにわざとらしい咳をすると壁から身を離す。

 

「その装備なら直ぐにでもいけそうだな、新米よりよっぽどハンターらしい。他の連中と顔合わせしてさっさと行くか」


 歩き出した琥珀さんについていくと、織賀(オリガ)さんへと一礼する。

 

「ご武運を」

「はい!」


 元気よく返事をするとにっこりと笑って見送ってくれた。

 それにほっとする。良かった、凍った笑顔じゃなくて。

 ローテーブルのある奥のスペースへと向かう。入る時に見た人達へと近づく。進むと角になっていたようで、まだ幾つかスペースはあった。

 奥の方には武装していない人達がちらほら見えるし、子供と言える人もいる。

 壁際には天井まで続く本棚があり、開拓者の他に、職員と思われる制服を着た人達が本の入れ替えをしていたり、人々の合間を縫って壁にある大型のコルクボードに紙を貼ったりしている。

 コルクボードの前には一番人が多く、ああでもないこうでもないと、仲間達と会話している武装したグループも言えば、小さな子供が端にある用紙を取ると、すれ違うように受付へと走って行った。

 

 琥珀さんが近づくこちらのローテーブルには3人の開拓者――全員武装しているから、どちらかといえばハンターが適切か――が居た。

 一瞬、ようやく来たかという雰囲気を出したが、すぐに空気が変わる。

 全員が男性だ。琥珀さんと同年代そうに見える人が一人。琥珀さんより迫力は無い。

 アタシと同じぐらいなのが二人。こちらは新人といった感じで、何となく緊張している様子なのが一人で、もう片方も緊張はしているが少しだけ慣れが見える。

 全員が不審そうな顔でこちらを見ている。

 新人に見えるハンターのうち、慣れがある方がつっけんどんで言う。


「……その娘、誰です?」

「おう、待たせたな。ちょうど良いタイミングで新人が来たから、コイツも一緒に合流することにした。オリヴィアって娘だ。オリヴィアも初めてのクエスト参加者だから、お前ら仲良くしてくれよ。ちょっとむさ苦しいと思ってた所だ、美人が増えると嬉しいだろ?」

「オリヴィア・メルベリです。本日はよろしくお願い致します」


 ひらりと挨拶をする。

 ガハハと笑う琥珀さん。じろりと、新人二人に睨まれ、もう一人のベテランはほう、といった感じでこちらを見た。


短め。思ったより書けず。

学園が休みの2週間という期間を、リアル一年とか書き続けないよな……と不安を感じるなどしつつ過ごしてます。

次の更新は次の土曜……じゃなかった、連休なので木曜です。

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