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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ちっぽけな真の勇者

作者: トゼコ

この世界は魔王と勇者の伝説がある。遥か昔から100年ごとに魔王と勇者が争い合っていた。


前回の戦いは引き分けに終わり、お互い何もないまま、平和が維持された。そして今、またちょうど100年目を迎え、また新たな争いが生まれようとしていた。これはそんな中、平和に甘えながら、生きた心地のしていない少女の物語。




私は誰でもない。


一応、コゼットという名前があるが、ただその名前だけあって、私という存在はどこにでもいる人間。昔あった夢も成長した今なら、何も夢なんてないし、憧れることもない。恋なんてよくわからないし、何がいいのかもわからない。生きてて楽しいかもわからない。そんな私はただの社会の一部の歯車。なくなったって誰も困りゃしない…




私の住んでいる所はユーレイア王国という大国の魔法都市エクセリアス。そして通っている学校は世界中のエリートが集められている、魔法学園エクセリアス。都市と同じ名前だ。実はこの学園は次世代の勇者候補の選別の意味もある。だから本当に優秀な人ばっか。


そんな立派なエリート学園の中で私はいたって普通。世間一般から見たらすごい人に見えるかもしれないけど、この都市の中では普通。下にいっぱいいるけど、上にも超えることのできない壁を挟んで沢山の人がいる。本当の天才には勝てない。


そしていま季節は秋で私はもう大学2年生の20歳。あと2年後に勇者の選定をするが、私には関係ない。将来何をやりたいのかわからないまま、ただ生きていた。ただ早く時が過ぎて楽しいことがないかな〜と思って、だらだら自分を高めることもせず平和に甘え続けていた。


そして、今日、起きて私は思った。

「私、勇者になりたい!!!私だって太陽のように輝ける存在になりたい!誰からも認められ、あの人は凄いといって欲しい!ただ普通に生きて普通に終わるなんて嫌だ!よし、今から鍛錬だ!そのあとは魔法の特訓!これを毎日やっていくぞ!…こんな所じゃあ自分を十分に鍛えられない、すこし外で鍛えよう!!」


そう…彼女はすこし頭のネジが飛んでいるのだった。しかしただそれだけではない。彼女は不意に昔の夢を思い出したのだ。誰もが小さい頃に持ち、いつのまにか捨てていたもの。彼女は今一度取り戻したのだ。それは誰にでもできることではない。そう言う意味では彼女はとても異質だった。


そしていつのまにか彼女は大学卒業するはずだった日になった。


コゼットが魔法都市を離れて2年と少しの冬、いや春に近づいたこの日、ついに勇者が決められようとしていた。選ばれ方は魔法都市の地下に眠る勇者の剣と呼ばれる、「ミツルギの刃」を台座から引いたものが勇者となる。そんな中、地下には数多くの魔法学園の大学生と、その教師達、学園長がそこにいた。学園長マーリンはとても興奮していた。

(ついに勇者が決まるのね!全人類の希望。一体誰になるのかしら…それにしてもなぜ

あの小娘は…まあいいわ)

「今から勇者選定の儀を行います。我こそはと思うものは前に出てきなさい!」


すると一人の男が出てきた。


「勇者は俺に決まっている。早く勇者と認めてくれりゃ魔王なんか倒してやったのによ。」とても自信満々である。


「あーやっぱあいつしかいないよな〜。」

「剣でも魔法でも勉学でもクレスには勝てないもんな。」

「まああいつは天才だからな。仕方ない。」


周りも納得の様子。しかし御察しの通り

「あ?おい、おい!!抜けねえぞ!これ偽物のポンコツなんじゃないか?」と前に出た男は言った。やはり彼にはミツルギは抜けなかったのである。フラグ回収乙。


そして、


ボン!


「「「ん?」」」


「え?…」


「きゃーーーーー!」


な、なんとクラス?カラス?だっけ、そんな名前の男の首が急に爆発した。


そして機械音のような音が聞こえた。


「ヴィー、ヴィー、ヴィーナス!!じゃなくて不適合者は排除しました(笑)」


「え?剣が、勇者の剣が喋ってる?」


わーわー

キャーキャー

ウキーウキー


みなさん、爆発と剣が喋ってることと、クラリン?の死に騒然である。あと猿。


「こんなの、勇者じゃなかったら死ぬだけじゃん」

「こえーよ。」

「ままー帰りたいよーー!」

「ウキャキャキャキャ、ウッキィーーーー!」


サリスがダメで、ならば自分が行こうと一歩踏み出していた者はその足を引っ込め、ついでに失禁した。


学園長マーリンは(まずいわ、このままだと誰も勇者の剣を取ろうとしない。どうすれば…)と悩んでいるのだった。


そんな誰もが下を向いて泣くか気絶してる中、突然剣の台の方が光り出した。


「うわ、眩しい。」

「キャ!なに??」


その光は、魂までも燃やしてしまいそうな熱の光を放っておりながら、まるで母親が子供を抱いているような温かさがあった。


そう、勇者の誕生である!!






「ウキ?ウキーー!」



ふぁ?……………





勇者は、…勇者は、猿でした。



〜fin〜

















この時代の勇者は、伝説の神器「お猿のミツルギ」を持って、魔王に完勝。(剣は進化した。)そして遠い山の中で見つけたコゼットとつがいになった。コゼットは俗世を離れ、山の中で暮らすうちに猿と遜色つかないほどになってしまったのだった。


そこからしばらくの時間をかけ、猿の力が世界中に広まり、この世は猿の世界となった。

ごめんなさい。マジで。でもこういう少し外れた話が必要だと思ったんですよ。テンプレ反対!新しい風よ来い!


あと読んでくれてありがとう。クソみたいな作品だけど、実は途中までは真剣でした。最後に感動系にしようと思ったんですが、途中からこういう話あっていいなと思って修正しました。


もしかしたら本命も出すかもしれません。

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