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(3)消せない記憶

 2限目が終わるとホームルームがあるので中央校舎3階D教室へ行った。単位制になっているのでホームルームクラス(HRクラスって言ってる)が集まるのは1日1回この時間だけ。HR担任とは授業がなければ会うのはこの時だけ。授業自体はそれぞれが取っている教科で受けるから授業では1日中顔を合わせない時があるクラスメイトもいるのだ。


 リヒトが隣にやって来て座った。彼も小学校から一緒の一人。あの頃のクラスメイトで付き合いが続いているのは秋ちゃん、広乃ちゃんをのぞくと彼ぐらいだった。

リヒトは中学校からサッカー部に入っていて背も高く折り目正しい礼儀正しさながら服装はわりと着崩したダブダブのアメリカン・カジュアルというギャップが人気の源らしい。彼に憧れる女子生徒も多くて要するに人に好かれるタイプなんだけど僕とも仲良くしてくれている。


「ユウスケ、今日は学食?」

「そうだけど」


 今日もって聞いてくれるべきところかな。


「なら一緒に食べないか?浦野さんとか古城さんと先約があるならいいけど」

「いいや、ないよ。じゃあ一緒に食べよう。学食前で待ち合わせでいいかい?」

 という事でランチを一緒に食べる約束した。


 リヒトはあの日、小学3年生の秋に起きた出来事の際に動けずに傍観していた。僕と話をするのはいいみたいだけど女子二人に対しては申し訳なく思い、それが回り回って苦手意識になってしまったようで話せてない。誰にもどうしようもない事の一つだ。


 4限目が終わると体育館下の学食でリヒトと落ち合った。二人で中央高名物のスペシャル定食(要は日替わり定食)を食べた。今日は長崎皿うどん定食だった。


「リヒト、誘ってくれてサンキュー。長崎皿うどんとはうれしいな」

「運動部はスペシャル定食で何が出るか情報収集に余念がないからな。ユウスケが長崎料理が好きとか言ってたの覚えてたから誘ってみた。胡椒、取ってくれないか……ありがとう」


 長崎はお袋の故郷だからという事もあって長崎ちゃんぽんとか皿うどんは僕の好物だった。誘ってくれてこちらこそありがとう。


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