5話 〜試験で大変なことに〜
「この町に来たのは初めてなの?」
「実はわたし不老不死として生まれたの、この世界に来たのもこの町に来たのも初めて」
そうわたしが言うとトウヤくんは絶句して固まった。そのあと
「え?本当に言ってる?不老不死って…」
信じられないことなのかな、不老不死 おかしいのかな?
「信じられないかもしれないけど、ほんとなの」
「いや、信じるよ。僕は不老不死じゃないけど一応3000年は余裕で生きられるんだ。不老不死がいてもおかしくないよね。僕は3000年生きても容姿が変わらない、不老不死とあんまり変わらないよね。そういう人っていっぱいいるんだよ。」
3000年ってそれこそすごいと思うけど、容姿が変わらないのもすごい。わたしも何千年生きても容姿が変わらないんだよね?不老不死って本当はすごいんじゃ…
「着いたよ、男と女は別々で受けるから終わった時に合流でいいよな?」
「うん、トウヤくん頑張ってね」
今の時刻は12時50分くらい、あともう少しで始まる。
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「みなさんお集まり頂きありがとうございます。今から名前を呼ぶので順に並んでください」
私は12番だった。たくさんの人がいる前でみんな機械に手を当てていた。あれが力を決めるのか。
やっと自分の番になった。これに軽く手を当てるのだな。今は魔法の試験らしい。
そっと手を当てるとブザーが鳴り出した。
「…っ!!??なんだこの数値は?!ミハル、君は何者なんだ?」
試験官に大声で驚愕した顔でいわれた。
「普通に少女ですが、なにかもんだいでも?」
「問題も、大問題だ!!王都に相談してこないといけない。この数値は5000年以上出たことのない数値がからな」
そんなに低かったの?5000年以上も出なかったくらい悪いのだったら0以下なのかもしれない。素質自体ないってこと?もともと人間だったんだし魔法の威力が弱いのは当たり前だけど、そんなに大声で言わなくてもいいじゃない
みんながざわざわし始めたので、わたしは剣術の試験をしに行くことになった。
「次はミハル、この誰も切れたことのない鉄の棒に傷をつけてみろ。傷も誰もつけたことはないがな、魔法でやばかったからだそうだ」
魔法がいくら低いからって剣術が飛び抜けてるわけないでしょうが。剣だってまともに持ったことないのに。
わたしは横に置いてある剣でその鉄の棒型塊に、当てた。
が、感覚がない。外したのかと目を開けると真っ二つに割れた鉄の棒がわたしの目の前にあった。とっても柔らかいじゃないか。
そう思って試験官を見ると泡を吹いて倒れていた。これはどうなるのかな。理解が出来ない。みんなを見ると本当の驚愕しきった顔で、恐ろしいものを見るようにみていた。
あっこれやばいやつかも知んない。知らないふりをして次のところに行こうか
「次、学力はどこにいけばいいんですか?」
近くの人に聞いた。
「えっと…あっちの広場です!!」
悪魔でも見たような顔をしながら教えてくれた。そんな顔しなくてもいいのに。
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広場に行くとたくさんの椅子と机が置かれていた。一斉に行うらしい。
「ミハル!!男女共同だって言ってたよ。一緒にできるね」
そんなに嬉しそうに言って可愛いっ!!私ここのこと全く知らないけど点数取れるのだろうか。
いざ テストをするとなると常識ぐらいは知っておくべきだと思った。
テスト内容は、人間の世界とはちょっと違ったけど 計算の仕方とかが複雑で簡単すぎず、面白かった。
テストの量は尋常じゃないほど多かった。
簡単だけれども量が量なので、流石に疲れた。
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「やっと終わったー!!!!」
「あとは自立力の試験だけだね!ミハル」
まだ一つ残っている。自立力ってどんなことをするのだろうか。
「はーい、みなさんこれで試験を終わります。」
女試験官が、私たちに言った。まだ自立力が試されてないんだけど。そんなことを考えていると、トウヤが聞いた
「あの、自立力はしないんですか?」
「さっきしたじゃないの、自立力は紙テストなの あんなにあったのに気づかなかったの?」
あの紙テストか、量が多いと思ったのはおかしいことではなかったわけだ。
「そうだったんですね、量が多いと思いました。」
「この後、ランク発表がされるからね。私はまだ何も聞いてないけど、恐ろしい子がいるって聞いたわ。誰かしらね?」
恐ろしい子?この近くにいるのだろうか。なら怖いな、距離を取っておかねばな。私なんて弱すぎて相手にされないかもだが。
もうすぐでランク発表だ。何になるか気になる、緊張する。
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「今からランク発表をする!!心して聞くように」
やっと発表か、長かったな。2人の発表者が交互に説明をしてくる。
「ステータスを表示設定に変えられる人がこの世界にいてな、発表の際に変えてもらうんだ。だから18歳以上の人はみんな自分のステータスを知ることができる。使える魔法も見ることができるんだ。それに君たちの職業も書いてあるんだ。」
「そこに我々が君らのランクを埋め込むみたいなことをする。今我々は全員のランクを知っている。一つ言えることは、この中に化け物のようなランクを持ったものがいるということだ。我々では敵わないような奴だ。」
「その通り、そいつは全く自覚してない様だったがな。君たちは今から5分で先程並んだ順に並んでくれ。ランク以外の表示されたステータスは俺たちは知らない。職業もだ。最初のランクのレベルはみんな[1]だ。並んだ順に表示していくからその時にランクも言おう。」
「早く並べ、男女別々だぞ。ステータス表示は強い者程表示が遅いから早く終わらせたいと思ってる。我々はその魔法に組み込んでランク付けをするからあまり待たせたくはないからな」
みんなが並んだところでやっとランク発表へと移った