4話 〜自立とはじめの出会い〜
更新が遅くなってしまってすみません
しばらく歩いて行くと、想像通りの役所のようなものが見えてきた。
きっとあれがギルドなのだろう。私はそこでお礼を言おうと後ろを振り向くと誰もいなかった。お姉さんもお兄さん二人も忽然と消えていた。お礼ができなかったどころかありがとうとも言わせてくれなかった。
この辺にいればきっとまた会えると思う。その時にたくさんお礼をしよう。また会えると信じて待とうと思う。それまでは絶対に忘れないようにしないと。
近くを探してみてもいないので、とりあえずギルドに入ることにした。
大きな場所でどこに行けば良いのかわからなくてキョロキョロしてしまう。
「こちらは初めてですか?」
ここで働いていると思われるお姉さんが私に聞いていた。もちろん初めてである。
「はい、どこに行けばいいのですか?」
「年齢を聞いてもよろしいでしょうか」
言われた通り、年齢を聞かれた。
「18歳です。それが何か?」
「18歳でしたら登録をお願いします。あちらにございますフロントに行ってください」
あそこがフロントか、人が多いと思った。
「ありがとうございます。」
フロントに行くとまた、年齢を聞かれたので18歳と答えておいた。
「登録は一週間に一度となっております。今日か7日後になりますがどうされますか?」
「今日でお願いします」
なんか登録しておかないといけない気がしたので、どうせなら今日にしておいた。
「即答ですね、でしたらこちらの用紙にここまで記入してください」
用紙には名前、生年月日などいろいろなことを書かねばならなかった。
生年月日は上に書いてある今日の日にちを見て、18年引いた昨日を誕生日とした。
「では、こちらお預かりいたします。あっ昨日誕生日だったんですね、おめでとうございます。試験の説明はしたほうがよろしいですか?」
「はい、お願いします」
何が何だかわからないので、一応してもらうことにした。
「ここは、この町のギルドです。
18歳以上の方が自立した家を持つことになります。
家のランクは自分自身のランクによって決められます。
こちらのランクについての説明書をお読みください(1話参照)。説明書にも書いてありますが機械によるランク付けになります。あと、一度決められたランクは実技試験によってあげることができますが、お金が必要になります。
試験内容は【魔法】【剣術】【学力】【自立力】が試されます。
することは毎回違うので今は教えることができません。
ご了承ください。
ランク付けの際、職業も機械で測定されます。
試験は昼の1時からです。遅れないようにして下さい。
18歳はまだまだ子供枠なので学校があります。参加は自由ですが…
以上で説明を終わります」
今日登録すると言っててよかった。今私に家はない。自立した家を持つことができれば生活も楽になるだろう。機械でランク付けされるのなら不平等にならないし誤差も無いと思う。最初のランク付けで上の方をとればお金もいらないし。
魔法と剣術と学力ってのは大体わかる。が、自立力ってどうやって調べるのか全然わからない。今が10時なのでご飯を食べて準備しないといけない。
普通に転生して普通に生活してるけど、服とかちゃんと着ているし一応お金も少しだけどある。お金というかお金と思われる物だけど。とりあえずこのお金の価値がわからないので、何か食べに出かけよう。
幸い近くにパン屋さんがあったのでお昼にちょうどいいと思った。
「いらっしゃいませ、焼きたてのパンはいかがですか?」
年若い青年だった、美少年路線の。私の超好み!そういえば私ってどんな顔をしてるんだろうか、鏡を見てないからわからない。パン屋に鏡らしきものがあったのでしてみるととんでもない美少女がいた。と思ったら自分だった。
転生して美少女になりました。うん、この顔気に入った。この世界の人って美しい人たくさんいるんだろうか。そんなことを考えているとお腹がすいてきたのでチーズの乗った美味しそうなパンとクロワッサンを買う。
「これ下さい、焼きたてで美味しそうですね。気に入りました。」
「ありがとうございます!!このパンうちの自慢なんです。気に入ってもらえて嬉しいです」
笑顔がとても可愛い、本当に美味しそうなのでまた買いに来ようと思って店を出ようとしていると
「18歳になったんだったら早く自立せんか!!」
怒鳴り声が聞こえてきた。それはあの美青年の父親らしき人だった。
「わかってるよ父さん、でも このパン屋が好きなんだ。満18歳になってから一ヶ月はまだ自立しなくてもいいんだよ。」
「早く一人前になりたいんだったらまず自分の家も持って自分でやれ、今日中に取ってこい!!」
あっ私と一緒だ、一緒にできるかもしれない。
「あの、私も今日登録試験受けるんです。私この町のことも試験のことも聞いたはいいですけど全然わからなくって、ご一緒してもよろしいですか?」
青年は戸惑ったように私を見てから
「分かったよ、父さん今日行くよ。君の名前を教えてくれるかな?僕はトウヤって言うんだ。一緒に行こう、あとタメだからタメ口でいいよ」
「うん、ありがとう。私はミハル、よろしくね」
「よろしく!今から準備するからちょっとだけ待ってて、ミハル」
私は待っている間にトウヤくんの父さんと話をした。
「18歳で同じなんだってね、トウヤと仲良くしてやってください。ずっとパン屋の仕事づくめで遊ばせてやれなかったんですよ。早く自立して自分の本当にやりたいことをさせてやりたいんです」
「そうだったんですね。ちゃんと話せば分かってくれますよ。わたしには親はいませんから。」
「そうだったのかい、こんな話をして悪かったね。君は本当にいいお嬢さんだ。それからもトウヤをよろしくお願いします。」
なんかプロポーズみたいに聞こえるけど そこはスルーしておこう。
「ごめん、じゃあ行こうか。用紙には記入を済ませてあるからそのまま行けるよ」
私たちは出発した。