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線路はどこまで続くのだ?  作者: 枕の奏士
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Ⅰ 謎の駅


 時間もたっぷりある高校二年の春休み、川越は夜行列車「ムーンライト」に乗って一人旅に出ていた。旅の目的地は特にない。

 大学付属の私立高校に通う川越は、バイトで稼いだお金をもとに何かしたいと考えていた。大学受験も考える必要がなく、時間もある。そんなことを考えていたら、たまたま雑誌の片隅に旅の特集を見つけて、これにしようと決めたのであった。

 列車は熱海に止まっているようだ。窓の外を見ると、観光客だろうか、酔った中年の男がホームに座り込んでいた。車内を見渡すと、フリー切符使用勢が幅を利かせている。やはりこの時期、同じことを考える人は多いのだろうか。

「もうこんな時間か」

 ふと時計を見ると、時計は0時を回っていた。夜行列車で寝るかどうかは、いつも悩まされる。だが、川越は正直に言って暇であった。窓の外も一面闇で、友人も近くにいない今、携帯を眺める他に何もなかった。だが、その携帯の電池も電池残量が心もとない。

「駅に着いたら充電器を買わなくては」

そう考えているうちに、眠りに落ちていた。



 朝日が差し込んでくるのを感じて、川越は目覚めた。時計を見ると、5時54分を指していた。シートが柔らかいとはいえ、座りっぱなしはやはりしんどいことを改めて実感する。

 尿意を感じてトイレに行こうと立ち上がったのだが、客が自分以外に居ないことに違和感を感じた。

「名古屋でみんな降りてしまったのかな」

 列車は長いトンネルを走っていた。だが、一向に抜ける気配がない。車内には旧式制御機器の轟音が響いていた。

 トイレに入って気を抜いたその瞬間、突然ブレーキがかかった。到着案内もなかったので思わずふらついてしまった。用を済ませ個室を出ると、駅に着いていた。だが、降りようと思った駅でもなければ、聞いていた停車駅でもない。地下で、暗くて、とても寒々しい無名の駅であった。

「お客様、終点ですよ」

「えっ、ここが終点なんですか⁉]

「そうですが……」

乗務員は困り顔で対応する。だが、その乗務員も何かおかしい。制服が検札に来た車掌の制服と違ったのだ。

 とにかく、川越はこの気味の悪い列車を降りることにした。さっさと荷物をまとめ、ホームに降り立つ。

 まるで都心の地下鉄のようなホームだった。だが、売店らしきコーナは閉まっていて、電気も薄暗い。おまけに人気もない。

 何か手がかりを得られはしないかと僅かな期待を寄せて、階段を上がる。壁の広告も剥がされていて、ベンチなどの撤去跡がある。まるで30年ほどで廃線になった新都市交通の駅のようだった。すると、彼は空虚なホールにひとつ、奇妙なタッチパネルがあることに気が付いた。

「なんだろう、これ」

ふと触れると、突如スクリーンにゲームの案内人のようなお姉さんが飛び出した。その唐突さに、思わず腰が抜ける。


「お待ちしておりました、川越優斗様」

小説知識もないままに、なんとなく思いついた話を文章にしてみました。

駆け出しで至らない点が多々ありますが、温かい目で読んでいただけたら幸いです。

また、誤りや変な表現などがありましたら、ご指摘を頂けると幸いです。

続きもありますので、投稿ペースはまちまちですがよろしければ今後ともよろしくお願いします。

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