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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

狂人心中

作者: 新駒直胤

制限時間60分、800字以内の縛り短編

至らぬ所多々アリ

 祭りの喧騒の外、何時もと違って静寂に包まれた住宅街の路地を、ふらり、ふらりと男が歩いていた。

 みた感じ、爽やかな塩顔で、誰にでも好かれそうな優男であったが、何処となく様子がおかしかった。目が座っていて、常に何かブツブツと呟いていて、まるで狂人の様であった。

 ある家の前で男は立ち止まった。

 ジロリ、とリビングの窓に目線を向け、灯りが点いているのを確認すると、口角を奇妙なまでに上げた。間違いない。少なくとも女は居る。

 日本の愚かな風習の一つに、防犯意識の低さがある。隣家との敷地区別を目的とした低い柵など、大人の男ならばひょいと越えることは容易い。静かに侵入した男は、夫を何時でも迎えられるようにと施錠されていなかった玄関から礼儀正しく家に上がった。

 リビングに入った男を迎えたのは、女の声無き悲鳴であった。

 かつて愛し合った人との再会。男は微笑んだ。俺の女。俺が最も愛した女。他の男に寝取られた女。寝取られてさえいなければ、今頃幸せな家庭を共に築いていたであろう女。なんとまぁ悲劇的で官能的な再会なのだろう。

「あの世で一緒になろう」

 そう呟いた男は懐から取り出した懐刀を驚きと恐怖のあまり硬直した女の胸に突き刺した。刃から伝わる艶やかな柔らかさに、男の逸物は最高潮に達していた。次に胸を切り開き、女の断末魔が轟く頃には発射していた。

 暫くして、女の夫が帰宅した。

 女の夫は絶句した。何時も明るい笑顔で迎えてくれた最愛の妻だったモノを、人の皮を被った獣が舐め回していたのだ。怒りや悲しみよりも恐怖が勝り、排泄物を力無く垂れ流した。

 獣は男を発見するや否や飛び掛かり、幾度も幾度も、懐刀が折れるまで、最愛の人を寝取った憎き男を滅茶苦茶に刺した。

 我が願望、成就せり。

 後日、この悲劇は発見された。

 犯人とみられる男性は、何とも幸福そうな顔をして、浴槽で死んでいたという。

まぁ、800字以内だったらこの程度ですよ。僕みたいな駄文書きの場合は

あくまでこの短編は試験的投稿ですので

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