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まだ見ぬ未来へ駆け抜けて!【改稿版】  作者: 小林汐希
22章 「純愛物語」の大先輩
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83話 スケジュールを考えよう




「花菜が18歳になったあとの将来はともかく、僕がそれまでの間、彼女の一時的な保護者になるというのはどうなんでしょうか。忌引きで休んでからしばらくの間はいろいろと気にしてくれた生徒もいましたが、表面上はそれも落ち着きつつあります」


 お兄ちゃんがいま考えていることを話し始めた。


 学校に在学している間、表向きは今の関係を貫き通す。


 私はしばらく珠実園を住所としてそこから通学する。


 時期が来るまでに、私とお兄ちゃんが暮らせる部屋のリフォームを進めて、準備が整えば一緒に暮らし始める。仕上げとして卒業してから籍を入れるというスケジュール。


「花菜ちゃんがまだ現役の学生さんで先生と同じ学校というところが問題なんだもんね。スケジュールとしては概ね問題ないとして、あとはどうやってそれまでの時間を周りに知られずに乗り切るかよね」


「そうだね。二人だけでは少し心配なところもある。誰か学校の中に協力してくれる人がいてくれた方がいい。珠実園から何か根回しできないかな」


 結花先生は、すでにその辺の話は副園長の茜音先生とも話し終わってあるようで、この場の結果を伝えることになっているという。


「せめて、長谷川先生がご自宅から通っているというのであれば、それも手のひとつではあるんです。ですが、先生は今一人暮らし。だとすると、学校の中であまり表立って二人で暮らしているという話題をこちらから提供するのはリスクも大きい」


「なるほど……。確かにそうですね」


「珠実園の周辺から、同じ学校に通う生徒さんは他にいる?」


「それは調べましたけど、少なくとも同じ地域から通学する生徒は在学生にはいません」


 その辺はお兄ちゃんが職員室でもう調べてくれている。


 高校ともなればいろいろな場所から通ってくるけれど、幸いにも同じ駅からの通学者はいなかった。細かいバスまでは全て網羅しきれないけれど、少なくとも私が駅を使って通い始めてから同じ制服を見たことはなかった。


「花菜ちゃんが施設に入ったということや、長谷川先生がどこに転居するのも特に問題がある話じゃない。同じ方面の電車に乗って帰ることも理由はいくらでもカモフラージュはできる。ここでの一番の心配点といえば、花菜ちゃんが放課後にこれまでの図書館でお仕事をして、その帰り時間に先生がそれにあわせて帰宅していれば、いつかは話が出てしまうかもしれない。事実を伝えることができないのだから、一度噂が立ってしまって勝手に拡散された時の火消しが一番厄介なんです」


「そっか……、そうですね……」


 それは仕方ないと思う。私の仕事時間は決まっているし、これだけ大きな秘密を隠し通すには、一緒に登下校できないことくらいは目を瞑らなくちゃならない。


 それぞれ私たちの情報をひととおり出し終わって、次に実際にどうその問題を乗り越えていこうか考えようとしたとき、結花先生がおもむろに口を開いた。


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