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まだ見ぬ未来へ駆け抜けて!【改稿版】  作者: 小林汐希
12章 部活合宿…だよね?
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44話 部活合宿…ですよね?




 あれから2週間後の8月最初の土曜日、私は先生と朝の横浜駅の乗換改札口前で待ち合わせをしていた。


「先生、おはようございます」


「おはよう。朝早くなって大変だったろう?」


「お母さんには明日の夜ご飯までのおかずを作り置きしてきました。私だけ楽しみに行くのは申し訳なくて」


 お母さんはお仕事だもん。朝と帰ってきてから電子レンジで温めるだけにして冷蔵庫に並べてきた。


「一応学校行事だし。お母さんも分かってるんだろう?」


「まぁ、そうなんですけどね。それより、夏紀先輩もどういう気を回したんでしょうか?」


「あいつら、俺たちのこと知ってるのか?」


「いえ……。私と先生のことを話したことはありませんし、あれだけ徹底的に情報統制していれば、知られているとは思えないですけど」


「だよな……」


 顔を見合わせて思わず苦笑する私たち。


「まぁ、気楽と言えばそれまでだ。二人だけなら内容も自由に変えられるしな」



 今日からの文芸部の合宿では、秋の文化祭の演劇シナリオの確認と、同じく展示の前決めの予定だった。


 見た目上は大所帯の文芸部だけど、幽霊部員も多いから全員の参加は最初から考えていない。


 最初から合宿への参加は、部長の夏紀先輩と副部長の私。そして演劇の台本を書いている五十嵐くんという数少ない創作メンバーに先生を加えて四人という必要最小限の予定で組んでいたんだよね。


 ところが、五十嵐くんがご家庭の急な都合で行けなくなり、夏紀先輩も体調不良で不参加と昨日連絡があった。


 ちょうどその時、持っていく荷物の準備を部室でしていた先生と私。


 ノートパソコンを含めて持っていく物は決まっていたし、それを詰めこんでいる途中の連絡だったから、一気に拍子抜けしてしまった感もある。


「どうしますか? それならここでやっても同じですよね」


「そうですね……。他に行けそうなメンバーはいませんか?」

 

 先生もこの事態に腕組みをして考えている。


 他にとは言っても、ここまで急に週末を入れた2泊3日の日程となれば、なかなか準備が出来るものではないだろう。遊びだったら千景ちゃんを誘ってもいい。でも今回は部活の合宿。それに作業内容からして、誰でもいいというものでもない。


「……せっかくですし、松本さんさえよければ行きましょうか? 部活の活動報告も出さなくてはなりませんし。報告人数は当初の予定どおりで出しておきましょう。大所帯の文芸部とはいえ、登録だけの人数が多いというのも学校は承知していますが、さすがに合宿で初めから二人だけというのも変な話です。残念ながら行けなくなった二人には事情を話しておけばいいでしょう」


 そのための旅費や宿泊費を含めた予算も貰っているし、活動実績を残しておかなければならないという大人の事情もあるんだって。


「分かりました。では予定どおりですね。お天気もそれほど悪くない予報ですし。私も土日のお仕事をお休みにして三連休でしたから」


「そうですか。どうせですから、少し時間を早めましょうか。松本さんは大丈夫ですか?」


「特に問題はありません」


 そんな具合で、朝7時過ぎ集合と当初よりも時間を繰り上げて二人だけで出発することが決まっていたんだよ。



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