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「思いの霞(かすみ)」

 晴れぬ思いのことを思いの霞、ため息のことを嘆きの霧と言うことがある。

 遠くが見えないならば、自分を見つめてみたら?

 あなたを支えてくれた人たちに気づくときなのかもしれないよ。






 それからしばらく、僕は酒を飲まないと眠れない日が続いた。

 昼間は二日酔いを我慢しながら仕事をし、夜は家でひとり酒を飲む。

 考えてみれば僕は付き合い以外で酒をいっしょに飲む友達すらいなかった。なんとなく、僕の出身、素性、そういうのを知られたくないという思いから交流を避けてきたことが祟った。

 こんなときに肩を叩きあって慰めあえる関係があったらどんなによかっただろう。

 初めて彼女ができたとき、僕はある日思い切って自分が孤児院の出身であることを打ち明けたことがあった。彼女は僕を避けるようになった。

 そんなのは最初の彼女だけだったのかもしれない。もしかしたら次の彼女、その次の彼女は僕のことを受け入れてくれたのかもしれない。

 だけど僕は、恋人との間の信頼関係というものすら、完璧に崩壊していた。

 僕が悪いわけではないのに、孤児院の出身ですと言うだけで社会は僕との接点を絶とうとする。

 僕は次第と自分の学歴、出身を詐称するようになった。それは正確に言えば犯罪なのかもしれないけれども、そうさせたのは僕ではない、社会だ。

 そう言ったとき、英一は僕のことをぐーで殴ってこう言った。

「じゃあてめぇが社会を変えろよ」

 無理言うな、と思った。

 僕みたいなアウトロー出身者が政治家になれるとでも思っているのだろうか。すると英一は続けてこうも言った。

「お前が真面目に働いているの見て、格好いいと思った奴らが少しずつ偏見を改めるんだよ」

 僕が真面目に働いているのを見て格好いいと思う人がどれくらいいるのかはわからない。

 だけどそれが、英一のその言葉が僕の真面目に働く動力源だ。

 社会が認めてくれないから僕が腐るんじゃあない。僕が自分で選んで腐っているんだ。

 どうせ生きるなら、死んだときに僕を捨てた親たちに

「どうだ! お前らが捨てた息子はこんなに立派に生きたぞ」

 と胸を張って言えるような人生を歩みたい。

 英里香のことを思い出していた。

 あの子が生きていたら、今頃どうしているんだろうって。

 公章がエンジェルを変えられるならば、彼女には違う未来が待っていたのかな。

 目の前に幼少の英里香がいるような気がして、そちらへと手を差し伸ばした。

「あたし、将来、久弥兄のお嫁さんになる」

 そんな至上最悪の台詞で、僕は自分が酔っ払ってうたた寝をしていたことに気づく。

「あいつのお嫁さんだけはやめておきなよ、英里香。きっと君にはもっとやさしくて相応しい夫がいるはずなのだから」

 例えば比呂人とかいいんじゃあないのか。同い年だし、あれだけ人畜無害な男ならばきっと英里香を大切にしてくれただろう。


「ただいまー」

 まだ夢と現実の判別がつかない状態なのに、英一が帰ってきたことだけはすぐに理解した。

 寝ぼけまなこを擦りながら出迎えると、彼はお土産の地酒と馬刺しを取り出した。

 英一は酒を毎日飲むらしいけれども、僕が酒を毎日飲むようになったのはここ最近だ。

 それまでは英一のお土産の酒がキッチンにごろごろあった。

「九州って言ったら『美少年』ってみんな言うけれどもな、俺は『魔界への誘い』こそが最高だと思うんだ」

 それは芋焼酎だ。慣れた手つきで硝子コップに氷を放り込んで焼酎をロックで飲み始める英一を見ながら、僕は馬刺しを食べた。

 馬ってけっこう美味しいんだよな。走っている姿見ると筋っぽそうなのに。

「最近お前酒飲むようになったのか?」

 燃えないゴミのところに酒瓶が転がっていることに気づいた英一がそう聞いてきた。

「お酒飲まないと眠れなくて」

「酒は楽しく飲むものだ。寝酒入れるんだとしたら楽しく飲めよ?」

 本当、英一には色々教えてもらった。

 最初は住所を貸してくれて、次は生き様を教えてもらって、酒の飲み方まで教えてくれて……あと風俗の行き方とかも教えてもらった。

「英一、僕は優しい人になりたいんだ。傷ついた数だけ誰よりも優しい人になりたいって思うんだ」

 僕はとろんとした半眼のまま、酒を調子よく注ぎながら語った。

「だけど気づけば批判的になるし、許せない人も、思い出も、あるんだ。傷ついた数だけ許せなかったことがあるんだよ」

 僕の言葉を英一は静かに聞いている。いつもと同じ、親が子供を見る眼差しで。

「最近会社でね、『困ったときは呼んでくれればいいのに』って言われるんだ。それくらい僕は人を頼るのが苦手。少なくとも自分で解決できることは人に頼っちゃ駄目だと思う。たまになんで全部自分でやらなくちゃいけないって思っているんだろうって考えるんだけど、人に手伝ってもらいたいと思ったことがないんだ。でも本当は知ってるんだよ。僕はきっと、助けてもらいたかったんだ。何度も助けてもらいたかったんだ、人に頼りたかったんだと思う。助けてもらえないと思ったのはいつからなんだろう。もし転んで泣いて、誰かが抱きしめてくれるような環境だったら、人のあたたかさを信じられたのかな」

 なんだか悲しい気分になってきたけれども続けることにした。

「でも、今までの人生、親切な人もいたと思うよ。英一のような人に会えてよかった。だけど時間を巻き戻して、誰かに会えるとしたら両親の顔を見てみたいんだ。僕の名前を一度でも呼んでくれたのか、一度でも抱いてくれたのか。捨てるときにどんな顔をしていたのか、見たいって思っちゃうんだ」

 馬鹿だよね? って無理に笑顔をつくってみたら、英一のほうが悲しそうな顔をしていた。

「お前がもうちょっとチビな頃だったら、抱きしめてあげたのになあ」

 英一がそう呟く。どうしようもない、歯痒さを抱えたそんな表情で。

「俺さ、お前がもうちょっと若かった頃に将来どんな父親になりたいかって話したことあっただろ。いつだったか忘れたけれど」

 あなたは忘れているかもしれないけど、それは成人式の日だよ。どんな親になりたいかって聞かれたんだ。今も僕の中にその答えはないけれども。

「あのとき、俺は子供が納得しないなら、どれだけだってその答えが出るまで付き合ってやれる親になるんだ、って言ったけれども……お前の葛藤に対する答えなんて、何ひとつ持っちゃいない自分に、たまにすごく苦しくなるんだ」

 それは英一が珍しく洩らした、本音なのかもしれない。

「でもさ、俺はまだ独身だし、自分の子供に傾ける時間をお前と付き合うことに使えるんだよな。たまにしか帰ってこないけど、俺を親だと思って何でも相談しろよ。いっしょに考えたり悩んだりくらい、俺にだってできると思うし」

 英一が真剣にそう言った。いつだってあなたは、僕に対して真剣なんだ。きっと他のことに対しても真剣なのだと思う。

 苦しいことを苦しいと、悔しいことを悔しいと認めても、まだ自分を保つことができる、そういう大人なのだ。

 僕はたまに、自分を一番救ってくれた感情は何かなって考える。

 普段は友情とか、勇気とか答えるんだよ。だけどたまに、苦痛と悲しみが一番僕を苦しめて、一番助けてくれたんだと感じるときがある。苦しいことを苦しい、悲しいことを悲しいと感じられる心があってよかった。僕はなんて人間らしいんだろうって。

 英一が教えてくれたんだよ。苦しいと感じることや、悲しいと感じることは、実はとても大切なことなんだって。邪魔な感情なんて何もありはしないんだって。

「今度生まれ変わるとしたら、英一の息子に生まれたい」

 心の中で呟いたはずだったのに、酔っ払っていた僕は思わず口に出して呟いていた。

 英一は爆笑して

「ばーか、てめぇがみじんこより小さい頃から世話してんだぞ、お前は俺の息子だ」

 と言った。

 みじんこは言いすぎだけど、本当に十年間も世話になりっぱなしだった。なのに英一は僕に何も見返りを求めない。

 ただ僕が生きている姿を見て、それがどんな姿であれ、見守っていてくれる。

 英一は出張ばっかで彼女をつくってる暇もないそうだけど、もし結婚すれば最高の父親になりそうなのにと思う。

 そういえば、僕が父親になることはあるのだろうか。

 僕はいまだに親になるのが怖い。僕の親みたいに、僕もまた子供を手放すときがくるんじゃあないかって気がして。

 だけど、僕は出来ることならこの腕に子供を抱きたい。赤ちゃんの英里香を拾ったとき、その手が小さくて、何も知らずに愛されるために生まれてきただけの存在を見て、心底守りたいと思ったんだ。

 英里香を守ることはできなかったけれども、僕は何かを変えることができるだろうか。



忙しい英一は数日後にはまた次の出張先に行ってしまった。もうあれは単身赴任と言ってもおかしくない。

 あとで知った話だけれども、英一はエリート社員らしい。まったくそんな気がしないのだけれども、嘘ではないらしい。

 その日は僕にとって久々に休日で、外は雨が降っていた。

 これは川が増水するなあ。そう感じるほどの大雨だった。

 僕は久々に昼まで惰眠を貪って、のそのそと起きてきたあとにはテレビをつけて、つまらない番組しかなかったので本を読んで、それも終わった頃に昼食を作り始めた。

 冷蔵庫の中にひき肉があったので、ハンバーグでも作ろうかと思ったけれども、最近の酒の飲みすぎを考えて、少しヘルシーなメニューを、と麻婆豆腐をつくった。

 だけど僕はこのときうっかりしていたんだ。

 なんとハンバーグに使う材料全部のひき肉を麻婆豆腐に投入してしまった。

 こんなに食べきれるわけがない上に、全部食べたらヘルシーどころか豆腐の分だけカロリーオーバーだと思った。

 僕は携帯を開いて、英一に電話した。

「英一、次帰ってくるのいつ?」

――三ヶ月後くらいかな?

 三ヵ月後には麻婆豆腐は腐るを通り越してかちこちになっているだろう。英一に食べてもらうのは無理のようだ。

 だけど天使園の人間に食べてもらうのもなんだか嫌だったし、仕方がないから明日の弁当にでも麻婆豆腐を詰めていこう、そう考えた矢先だった。

 携帯が鳴る。開けるとそこには「久弥」の文字が光っていた。

「今から食事なんだけど、何の用?」

――僕、給料日前なんですよ。

「うん、知っているよ。僕も給料日前だからね」

――ところが僕の冷蔵庫には塩しか入ってないじゃあないですか。塩は食べると言わずに舐めると言うんですよ、知ってますか?

 何故塩を冷蔵庫に入れているのかがわからなかったが、久弥のことだ、霊が冷蔵庫に取り憑くなんてことがあるのかもしれない。あるいは脱臭効果があるとか、よくわからなかったが、彼の冷蔵庫には今塩しか入っていないそうだ。

「つまり君はこう言いたいわけだ? 僕の家で食事がしたいと」

――そういうことです。

「まあいいや、麻婆豆腐作りすぎたからおいでよ」

――ありがとうございます。持つべきものは料理上手な友達です。

 久弥が電話を切る。あいつ調子いいなあ、本当にこういうときだけ料理上手な友達とか言うんだから。


 隣町から車を飛ばして食事を食べにきた久弥は、僕の作った麻婆豆腐を口に運ぶと「辛い」と言った。

「辛いもん駄目だっけ?」

「僕、甘党なんですよね。トマトにグラニュー糖かけると美味しいって知ってますか? 塩よりいけるんですよ」

 それはさりげなく「トマトを出せ」と言っているのだろうか。厚かましい男だ。そう思いながらトマトを輪切りにして砂糖をかけて出してやった。

 久弥はそれを口に運びながら、幸せそうな顔をした。

「君さ、彼女がいるんじゃあなかったっけ?」

「そんなこと言いましたっけ? 『彼女を殺されたりしたら雲雀を八つ裂きにしてやる』と言っただけです。別に彼女がいるわけじゃあなく、今フリーです」

 ああそう。僕だけ負け組だと思ったら久弥もきっちり負け組なわけね。

「すごく恥ずかしい告白なんだけどさ、僕って彼女がなかなかできない上に長続きしないんだよね。僕って顔のつくりそんなに悪い?」

「僕よりかは平凡ですが悪いわけじゃあないでしょう」

 あれ? 今の言い方なんだかカチンとくるな。たしかに久弥は顔だけはいいけれども。

「あなたがモテないのは、女を信じていないからじゃあないんですか?」

「はあ? 何を知ったように……」

「孤児院出身の男を好いてくれる女なんていないと思っているのでしょう? 違いますよ、女はよく男を見ているんです。自分のことを信じてくれない男のことなんて女は好きになったりしません」

 やたら核心めいていることを言ってきた。だけどそれを認めるのは癪だったから、彼の話題にすり替えてみる。

「じゃあ、じゃあ、久弥はちゃんと自分のこと好いてくれる人がいるっていうわけ? 今フリーとか言ったこの口で」

「いないとも言えませんね。あともうちょっとで落とせそうな女が複数……」

「ゴミ()め」

 複数ってなんだ。複数って。

 誰かが久弥は結婚詐欺師が間違ってつくった子供を捨てていったんだと言ったことがあるけど、それはさすがに失礼だと感じたけれども、でもこいつはいつかそういう親にならないか心配になってきた。

「なんですか、ゴミ男って。いい男といじめっ子は世にはばかるのです。僕はいい男な上にいじめっ子、世にはばかって当然です」

 胸張って自分がいじめっ子なことを主張するな。

「英里香ちゃんは元気にしていますか?」

「身長は伸びないよ。あと夢にも出てこなくなった」

「英里香ちゃんにすら相手にされてないですねー」

「にすら、って何? 君が英里香の何を知っているわけ?」

「知らないんですか? 僕は英里香ちゃんに『私大きくなったら久弥兄のお嫁になる』と言わせた男ですよ」

「脅して言わせたんでしょう?」

「なんですか、子供脅して結婚を約束させるってどれだけですか」

 数日前に見た悪夢が事実だったことに愕然とする。

 僕ですら言われたことのない台詞を久弥が言われていることが癪で言った言葉に久弥が呆れた。

「久弥って僕のこと友達だと思ってる?」

 おもむろに聞いた質問に、久弥はにっこりと笑った。

「ええ、思ってますよ。これっぽっちも、食べ物とかおもちゃとか思っていませんから」

 そのうち食料がなくなったら僕の家にあるものを勝手に持って行くくらいずうずうしくなりそうだな、こいつ。

 もしかして……ずっと英里香の話を親身になって聞いているフリしてずっと嘲っていたなんていう性格の悪いことないだろうな?

 だけどそれを心配したところで、確かめる術は何もないのだけれども。

「公章のことは?」

「大嫌い」

 久弥はドスのきいた声で低くそう言った。

 本当大嫌いなんだな、公章のこと。

「なんでそんなに嫌いなの? 公章のこと。最初から命令できる立場ってだけでそこまで嫌ったりしないでしょう」

「嫌いになる理由はそれで十分ですよ。あいつが悪いことするの大嫌い、って公言できるのは、あいつが選択権のある地位で生まれたからです。自分の手を汚さなくても部下が汚してくれるからです。その立場に立ってただただ、やさしいボスっていう座に甘んじて愛されて、めちゃくちゃむかっ腹が立ちますね。僕だって上に生まれていれば目下の者にやさしくくらいしますよ、僕たちって選択権ありましたか? あいつが僕たちのやっている行為を悪いとか言う資格ってあるんですか?」

 久弥の主張はある意味筋が通っていた。僕たちの罪を裁こうとする人間たちは、悪いことをしなくても生きてこられる側にいた人間ばかりだ。

 僕たちはそれをするしか生きる術がなく、住むところがなく、仲間がいなく、そうしてずっとその世界で生きることを頑にされてきた。

 久弥の言いたいことは十分わかる。

 言ってやりたいことは色々あるけれども、それは僕がもう悪いことをしなくても生きていられる人間に回ったから言えることで、久弥の立場に立っているわけではない。

 自称僕の友達、公章の敵ってことは、もしかしたら公章のあの言葉に対する助言をくれたりしないだろうか。

「公章が変なこと言った」

「へえ、どんなことですか?」

「世の中には知っていいこと悪いこと、知って後悔することのみっつがあるそうだよ」

「何を聞いたらそんな公章くんらしくない答えが返ってきたんですか?」

「『英里香が生きていると思うか?』って聞いたんだけど」

 久弥はそこで沈黙して、目を左に動かした。

 なんだ? この気まずそうな空気は。

「もしかして公章くん、あのこと知っているんでしょうか」

「あのことって?」

「ランドセルは僕が公園で見つけて、『黒井英里香』って書いてあったから天使園に持ってきた……って言ったら、信じますか?」

 僕は目をまたたかせて、あの日のことを思い出した。

 英里香が帰ってこなくて騒動になっていた夜、久弥は夜遊びに出かけていなかった。

 そしてもし次の日ランドセルを持って帰ってきたのだとしたら……

「それ、公章が見たとしたら」

「あいつのことだから僕が犯人ですよ。英里香ちゃんのことは公章くんもすごく可愛がっていましたからね。僕は公章くんの大事にしていたものは何でも壊す常習犯だったし」

「ああもう! そういう誤解は早めに解いておかないと、今更言ったって絶対に信じてくれないよ!」

「じゃあ雲雀ならなんて言うんですか!? 僕のその夜のアリバイはなしですよ、しかもランドセル持って帰ってきたんです。犯人決定じゃあないですか」

 テーブルを叩いて久弥が立ち上がる。

 こいつも当時はきっと苦しんだのだと思う。僕は黙って、席を立った。

 久弥はそのまま渋面をつくったまま突っ立っていた。

 しばらくして、僕が黄色いナイロンのパーカーを着て出てきたのを見て、久弥が顔を上げる。

「どこか出かけるんですか?」

「そのランドセル見つけた公園連れていってよ。犯人の痕跡は見つからないにしろ、近くから英里香の死体くらい見つかるかもしれない」

「それで僕が犯人、でこの事件に幕下ろすつもりですか?」

「君が犯人ならば僕に死体の在り所なんて言うわけがないって僕もいっしょに公章を説得してあげる。君が犯人だとか、馬鹿みたいだ。エンジェルの誰かが犯人だと思っていた僕はもっと馬鹿だ」

 公章も僕も、お互い確認をしないからこういうことになるんだ。

 物置からスコップを持ってきて後ろのバンに放り込むと久弥の車の助手席に乗りこんだ。

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