『探偵ぱぱさん』
どうも!コトネです(*´∀`)
今回は澪奈ぱぱさんを出してみました!
では、どうぞ♪
【登場人物】
《ぱぱさん》
紳士だけどちょいスケベ。
《エマさん》
ぱぱさんの秘書兼助手。ぱぱさんのちょいスケベな行動を、しっかり制止する。
*
ぷか〜っと煙の輪を作りながら、安楽椅子にもたれる男性。ワイシャツにベスト、凝ったタイをしていて、組んでいる足の先にある靴は綺麗に磨かれており、柔らかい光を放っている。
「今日も平和で何よりだなぁ。」
「ええ、そうですね。」
仕事机で事務作業をこなしながら答える女性。眼鏡をかけているものの、なかなかの美人でスタイルも良い。それを知ってか知らずか、ぴったりめの白のブラウスにミニスカート、ハイヒールを身につけている。
「ねぇ、エマさん。」
「何でしょう。」
「今日も体のラインがはっきりしてていいね。」
そう言って親指を立てるぱぱさん。朱肉が飛んできた。物凄いスピードで。ちょうどぱぱさんの親指にインクが付くように。
「ぱぱさん、ちょうどぱぱさんのハンコが欲しかったところなんです。そのまま押してくださいませんか?」
「い、いいよ。ほら、インクが親指だけじゃなく、手全体にも付いてるから拳の手形もできるよ。ははは。」
引きつった笑みを浮かべながら、ぱぱさんは微動だにできなかった。
カツカツと、エマさんがいくつかの書類を手にしながらぱぱさんへと近づく。そして少しかがみながら、インクが付いたぱぱさんの親指を全ての書類に当てていった。
「ありがとうございます、ぱぱさん。」
ここは、ぱぱさんが営む探偵事務所である。そして、それを補佐する秘書兼助手のエマさんがいる。
今日も平和な午後が訪れていた。
その時突然、ぱぱさんが安楽椅子から立った。
「エマさんっ、大変だっ!事件だ!」
「どこでですかっ?」
「違うっ!事件はここで起きている!!」
事務所内に緊張が走る。
「見てくれっ!」
そう静かにゆっくりと、ぱぱさんは手に持っている1枚の写真をエマさんに見せた。
そこには、とても可愛らしい女の子が笑顔を見せていた。
「この女の子が事件に巻き込まれたんですか?」
ぱぱさんの意図がわからず、エマさんは聞いた。
「違うっ!おかしいと思わないかい、エマさん?」
またよく見てみるが、しかし、この写真のどこにもおかしな点はない。全く伝わらず、もどかしくなったぱぱさんがついに言った。
「澪奈がこんなに可愛いことだっ!」
「…はい?」
「だから、僕の娘がこんなに可愛いことは、事件なんだっ!」
「…。あの、ぱぱさん。」
「うん!なに、エマさん?」
「可愛い娘さんですね。」
「ありがとう!」
事件が解決したのか、いや、そもそも事件など起きてはいなかったのだが、ともかく、ぱぱさんは浮き浮きとして安楽椅子に座った。
事件が起きていなかったことにほっとした、むしろ少しぱぱさんに呆れたエマさんが席に戻ろうとした時、ぱぱさんは言った。
「そうだ、エマさん。コーヒー入れてくれるかい?」
「はいはい。」
エマさんは給湯室に向かい、コーヒーを入れる。コーヒーメイカーはいつも綺麗にされている。ドリップする豆の種類も、豊富に揃えられていて整理整頓されている。
エマさんがコーヒーを入れ終え、ぱぱさんの傍にあるテーブルに置いた。
「うん、ありがとう。」
そして、エマさんが席に着こうとした。が、エマさんは何かを見つけ、ぱぱさんに聞いた。
「なんですか、これ。」
「僕からのプレゼント。これから冷えてくるから風邪ひかないようにね。」
そこには、暖かそうなひざ掛けが置かれていた。
エマさんは微笑み、席についてひざ掛けをかけた。
「ふふ、暖かいです。ありがとうございます。」
ぱぱさんは、とても大きい煙の輪を作って応えた。
「あ、ぱぱさん、武装戦線さまからお電話がありました。」
「そうか、分かった。行ってくるよ、留守番頼むね。帰ったらいい子いい子してね。」
「気をつけて行ってらっしゃいませ。絶対しません。」
こうして、探偵ぱぱさんは出かけていった。
新たな事件を解決するために…。
読んでいただきありがとうございました!
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