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第一章 第四話

「さて、こちらがマモル様とウルファ様のギルドカードになります。」

落ち込んでる俺をウルファがよしよしと撫でているうちにギルドカードができたらしい。

渡されたカードには確かに俺の名前とジョブ、それにギルドランクのFという文字が書かれていた。

「それでは裏をご確認ください。」

言われて裏を見るとステータスとかスキルとか書かれていた。

どうやらこの裏面で自分のステータスの確認やスキルの取得ができるらしい。

レイカさんに30分ほど説明を受け、なんとか理解する。

とりあえず最初に俺は剣術スキルのレベル1を、ウルファは短剣スキルのレベル1を取得した。

これである程度武器を扱えるようになるらしいが、どういう理屈なのか。

まだスキルポイントはあるが、後でどんなスキルがあるか確認してからにしよう。

「スキル取得にはレベルなど制限があるものもございますのでご注意ください。」

本当にゲームみたいだな。

「スキルはあくまで補助で、最終的に物を言うのは鍛錬や経験です。スキルを取得しても、それを使う身体がついて行かないのでは意味がありません。」

どうやらスキルを取得するだけで、簡単に剣豪になれたりするわけではないようだ。

「レベルが上がればスキルポイントがもらえるので、どんどんレベルを上げて頑張ってください。」

「ありがとうございます。」

よーし、今日から冒険者として頑張るぞー!

その後、掲示板を確認し、初心者でも簡単というフェアリー10匹の討伐に行くことになった。


しかし、先にやらないといけないことがある。

武器や防具の購入だ。

レイカさんに紹介されたお店に行くと、そこにはドワーフが居た。

「らっしゃい!おや、初めて見る顔だな!俺はドイルだ!」

声がでかい!

まるでタルを彷彿とさせる体形にひげ面。

まさにドワーフ。

「俺はマモルで、こっちがウルファと言います。今日から冒険者になったので、装備を買いに来たんです。」

ドワーフのおっちゃんに色々質問され、装備を持って来てくれた。

俺は普通のロングソードと金属製の鎧。

ウルファはダガーを両手持ちと革製の軽鎧になった。

「よし、全部で5万ガルだ!」

え?確かさっき計算した時、全部で8万ガルだったはずだぞ?

計算ミスか?

「兄ちゃん、俺を計算できないと馬鹿にしてんのか?安くするから今後も利用してくれよってことだよ!」

ガッハッハと豪快に笑う。

良い人だ・・・。

是非これからも利用しよう。


装備も用意したし、あとはフェアリーを討伐するだけだ。

街を出てすぐの草原にいるらしいので、捜索に向かう。

「ご主人様。見つけたのです。」

そういってウルファが指さす方向を見たら、そこにはかわいい妖精たちが居た。

非常に小さく10センチほどしかないが、見た目はほとんど人間で、背中に虫のような透き通った羽が生えている。

こんなの討伐しても良いのだろうか?と考えてしまうが、ギルドによるとこいつは結構迷惑な存在らしい。

風属性の魔法が使えて、旅人を集団で襲ったりするし、作物を食い荒らしたりするのだ。

俺は剣を、ウルファはダガーを構えて、突撃する。

するとフェアリーたちもこちらに気づいたらしい。

迎撃に何かを飛ばしてきた。

資料では【ウィンド】という風属性の魔法を使ってくるらしいから、それだろう。

飛んできた風の刃を避ける。

そこまで威力はないと聞いているが、それでも当たると痛いだろう。

距離を詰めた俺は剣で斬りつける。

しかし、スキルの恩恵があるとはいえ、初めて剣を持った人間が、逃げる敵に攻撃を簡単に当てられるわけがない。

何回も宙を斬りつけて、ようやくフェアリーを一刀両断することができた。

ピギィィィィ!と甲高い鳴き声をあげながら真っ二つになったフェアリーが地面に落ちる。

俺が一匹倒し終わったあと、既にウルファが残りのフェアリーを倒していた。

あれ?もしかして、ウルファは俺より強いんじゃ?

そんなことを考えていたら、ウルファが尻尾をブンブン振りながらこっちに来た。

その目は期待に満ち溢れている。

さすがになんとなくウルファの考えがわかるようになってきた。

これは頭を撫でてほしいということだろう。

俺は頭を撫でる。

えへへーと幸せそうになったウルファは、もっともっとと言わんばかりに手に頭を押し付けてくる。

全く・・・ウルファはかわいいなぁ・・・。

モンスターの死体はギルドカードをかざすとギルドに転送されるらしい。

実際にやってみると、モンスターが光の粒子となって消えていった。

こうやって、ギルドに転送することで、どのモンスターをどれだけ倒したかがわかる上に、モンスターの死体を素材や食料として買い取ってもらうことができる。

特に持って帰る手間がないというのが良い。

武器や防具に必要な素材がある場合は、クエスト報告時にギルド職員に伝えればもらうことができる。

本当に魔法って便利だよな。

現在二人で倒したフェアリーは4匹。

あと、6匹探さないといけないのか。

広い草原を歩き回って探すのって結構大変だなと思っていると、またもやそこでウルファが大活躍だった。

いつの間にか取得していた盗賊のスキル【敵感知】と自身の嗅覚で簡単にフェアリーを見つけることができたのだ。


街に戻ってクエストの報告を行う。

「こちらがクエストの報酬です。」

レイカさんがお金をテーブルの上に置く。

フェアリーの10匹の依頼報酬は全部で2万ガル。

分割すると一人頭1万ガルか・・・。

1日の報酬としては問題ない金額だが、実際に命を懸けていると考えると非常に安いよな・・・。

あと、フェアリーの死体は特に売れる部分がないとのことで、素材報酬がなかった。

確かにあの身体は食べるところがないだろうし、武器や防具の素材にもならないわな。

「それにしても早かったですね。フェアリーは動きが速くて、はじめて戦う人は結構苦戦するのですが。」

確かに俺は攻撃当てるの一苦労だったな。

「俺は苦戦しましたけど、ウルファが活躍してくれました。」

ウルファは動きが速いし、フェアリーを見つけるのにも活躍するしで、まさに大活躍だった。

俺はウルファの頭を再度撫でる。

「これは幸先が良さそうですね。でも油断しないで、これからも頑張ってください。」

「ありがとうございます。」

初めてのクエスト完了!

この後、俺とウルファは初めてのクエスト成功を記念し、ご飯をたらふく食べたのであった。

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