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第二章 第一話

カンッカンッカンッ!

ギルドにて、みんなでどのクエストを受けるか話し合っている時、唐突に鐘がなった。

「ん?なんの音だろう?」

不思議に思っているとギルドのドアがバンッ!と音を立てて開く。

息を切らせて入ってきたのはレイカさんだ。

「緊急事態です!この街に千体近くのモンスターの群れが来ています。」

なんだって?

レイカさんはそのまま大声でギルド内の人間に伝えていく。

「現在、大至急で王都へ連絡していますが、騎士団は間違いなく間に合わないでしょう!今この街にいる冒険者で防衛するしかありません!数は多いですが、ゴブリンやオークなど非常に弱いモンスターばかりです!そこでギルドより依頼として、このモンスターの群れを討伐するクエストを出します!今回の大討伐に参加して頂いた方には、通常より多い報酬をお約束致しますので、ご参加ください!」

「ご主人様!参加しましょう!」

ウルファがグッと拳を握り、訴えかけてくる。

まだこの街に滞在し始めてからそんなに経っていないが、見捨てて逃げるというのもさすがに後味が悪い。

報酬も良いらしいし、ここは参加するべきだろう。

他の冒険者たちも既に戦闘準備を終えたようだ。

続々とギルドを出ていく。

「よし、行くぞ!」

俺たちも後に続いて走り出した。


数十分後、モンスターの群れは全滅した。

俺たちより強い冒険者が何十人といるんだ。

「ふっふーん!私の実力ならこんなやつらごとき、赤子の手をひねるようなものだ!

それにウンディーネもかなり強かった。

ゴブリンやオークが大勢来たところで、歯牙にもかけない。

今回はいつものようにギルドカードでモンスターを転送する必要はないらしく、ギルドの職員たちが必死で転送していた。

こういった複数の冒険者が参加した場合、ランクに関係なく等分に分配される。

たとえAランクの冒険者とFランクの冒険者が同時にクエストに参加しても、等分に分配するようにギルドが取り決めているからだ。

それでは不満が出るのではないかと思うが、実際にランクが低いから倒した数が少ないとは限らない。

俺たちのパーティはウンディーネのおかげで、他の冒険者に比べてかなり倒しているし。

それにランクが低い冒険者の方が、ランクが高い冒険者に比べて死ぬ危険性が高いという問題もある。

そして、高ランクだからこそ、こういう場合は他より多くのモンスターを討伐する義務がある。

なので、案外不満は出ないらしい。

報酬は討伐数が多すぎることから計算が必要であり、時間がかかるので次の日以降で申請するとのこと。

参加したかどうかは戦闘中にギルドの職員が確認していたらしいので、問題ない。

とりあえず疲れたから宿に戻ることにしよう。


「この時期にモンスターの群れが襲来したんだって?」

宿に戻るとアリステラさんが話しかけてきた。

「全部で千体ぐらいいたらしいですよ。おかげで今日はもう疲れました。」

「ふーむ。変だねぇ・・・。」

何故かアリステラさんが不思議そうな顔をする。

「何がおかしいんですか?」

「今はモンスターの繁殖期じゃないし、ゴブリンキングとかオークキングとか統率する特殊個体がいるわけでもない。それにオークとゴブリンが手を組むなんて初めて聞いたね。まぁ、考えたところで理由はわかららないか。」

冒険者として長い間、活動していたアリステラさんが言うということは本当に何かある可能性が高いかもしれない。

このまま何事もなければ良いが・・・。

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