衝突
第二話
衝突
なんだ?何が起こったんだ?よし、とりあえず状況を整理しよう。まず、僕は廊下を歩いていた。ここまでは大丈夫だ。
だがこの後だ、なぜ知らない女子生徒が抱き着いてきた?
それに、この周囲から発せられる男子生徒達の、痛い視線は何だ?とりあえず、なぜ抱き着いてきたのか、聞いてみよう。
「あのー、どちら様ですか?」
「えっ・・・覚えてないの?蓮は」
「うーん・・・ん?まてよ、どこかで合ったことがあるような・・・」
活発そうな感じに、綺麗な黒髪ショート・・・こんな、かわいい子を見たら忘れないような気がするんだけど・・・でもなあ、最近じゃない気がするし・・・じゃあ、昔?昔・・・ああ!
「・・・まさかとは思うけど、桜姫か?」
「うん!思い出してくれた?蓮」
「ああ。でも、驚いたよまさか、いきなり出会うことになるとは思わなかったよ。通っていることは知ってはいたけど、クラスで自己紹介した時に名前を呼んだのは桜姫だったのか。まあ、それはそれとして、久しぶり。元気だったか?」
「うん!でも、こっちも驚いたよー。急にこっちに帰ってるだもん。いつ帰ってきたの?」
「昨日だよ。帰ってきたばかりだよ。にしても・・・この周りの痛い視線は何だ?すごくいずらいんだけど・・・」
しかもよく聞くと、
『なんだあいつ・・・なんで桜坂さんとあんなに馴れ馴れしくしてるんだ?』
『しかも久し振りって、何なんだ?あの野郎』
という風な事を多く耳にする・・・
「まあ立ち話も何だから、一緒に帰ろ」
『なんだよあの野郎。一緒に帰ろうとか言われてるぞ・・・チッ』
「・・・分かった、それじゃ行こうか」
「うん!行こう」
あのままいたら、何をされていたか分からない。周りの男子生徒達の妬みのようなものから、逃げるようにその場から去った。
それで、今は桜姫と一緒に帰っている。ちなみに優奈は部活でいない。
「にしても、ほんとに久しぶりだね蓮」
「こっちこそ。まさか一緒のクラスだとは思わなかったよ。でもよかったよ、知ってる人がクラスにいて。隼とは会ったけどクラスが違っていて少し不安だったんだよな。まあとういうわけだからこれから、またよろしく」
「うん!もちろん。でもいきなり帰ってくるなんてびっくりしたよ、何かあったの?」
まあ、桜姫になら話しても大丈夫か・・・。
というわけで、桜姫にどうしてこっちに戻ってきたか説明した。
「そっか・・・おじさん亡くなっちゃたんだね・・・。ごめんね、なんか思い出させっちゃって」
「いいよ。でも、戻ってきたおかげもあって、こうしてまた桜姫に会えたんだから」
「う、うん・・・そ、そうだね」
と、言って何故か顔を真っ赤にしている。どうしたんだろう?
「どうしたんだ?桜姫?顔が赤いけど熱でもあるのか?」
「えっ・・・だっ、大丈夫だよ?」
「何故に疑問形?」
「・・・っぷ。あはは」
「あはは。久しぶりだなこういうの・・・懐かしいなー」
「そうだね・・・本当に久しぶり」
この後も昔話や他愛のない話をしながら帰った。
「じゃ、またねー。・・・あそうだ、明日から一緒に登校しようよ」
と、桜姫がそんな提案をしてきた。僕も、それはいいなと、思ったのでその提案に賛成した。
「そうだね、じゃあ優奈も誘って明日から3人で登校しようか」
「うん!あっそれと明日からお弁当を作ってきてあげようか?」
なんと、お弁当を作ってこようかと言ってきた。
「いいのか?お弁当を作ってもらっても」
「うん、いいよ。2人分つくるのも、そこまで手間じゃないから」
「じゃあ、お言葉に甘えて、頼もうかな」
「分かった。それじゃあ、また明日ね」
「うん、また明日ね」
なんか、明日がすごく楽しみになってきたぞ。その後、テンションが上がったまま家へと入った。
-翌日。
「よし・・・行くぞ優奈」
「うん、お兄ちゃん」
「「行ってきまーす」」
「はい、いってらっしゃい」
家を出ると、もう桜姫が待っていた。
「ごめん、待たせちゃったか?」
「ううん、大丈夫だよ。蓮、はいお弁当」
「ありがとう、桜姫」
「それじゃ、いこっか」
「うん」
そして、優奈と桜姫と一緒に学校へ向かった。
学校へ着くと、またもや昨日と同じ視線が浴びせられたので、急ぎ足に教室に向かった。どうして、こんなに、見られているのか、あとで隼にでも聞いてみるか・・・。
あの後は特に何事もなく(男子生徒達の視線を除けば)、昼休みになった。
「蓮、一緒にお弁当食べよ」
と、言われた。するとまたもや、男子生徒達から睨まれたので、断ることにした。
「うーん、今日は隼と食べるから、明日一緒に食べよう」
「うん・・・分かった。約束だよ」
ん?なんか急に暗くなったような?
「もちろん、でもなんかごめん。じゃあそろそろ行くよ」
「うん、またあとでねー」
そう言って、別れた。
あの後、隼と合流して一緒にお弁当を食べることにした。
「んで?蓮、俺に聞きたい事があるんじゃないか?」
むっ・・・鋭いな。流石だな親友。
「そうなんだ。実は、桜姫と優奈どちらかといると、男子生徒達からきつい眼差しを向けられるんだけど・・・あれ何なんだ?」
「そうか、蓮は知らないんだったな。じゃあ、説明しておこうか。いいか?あの2人はこの学園のアイドルみたいな存在でな。有名なんだよ。それも、ファンクラブができるぐらい有名なんだそりゃ、妬まれたりするだろうよ。それともう1つ」
「なんだ?」
「あの2人の他に4人、アイドルがこの学園にいるんだが聞くか?もしかしたら、全員お前の知り合いかもしれないしな」
今の、隼の言葉には僕も驚いた。知り合いかも知れないなら、聞いておいた方が良いだろう。
「聞きたいけど、どうして僕の知り合いかもしれないんだ?」
「いやな、その4人が蓮の転校してきた日に俺の所にきて、蓮の事を詳しく教えてほしいって言われたんだよ」
そんなことがあったのか・・・。まあとりあえず、4人の事を聞いてみるか。
「で、その4人ってのは、何て名前の人なんだ?」
「ああ、そうだったな。まあとりあえず名前だけ教えておくか」
「ああよろしく頼む」
「全員いっきに言うぞ。えっとたしか、椿咲夜、城ケ崎涼春、姫乃恋雪、鹿苑寺心、この4人だな」
その4人が僕の事を・・・ってあれ?今、恋雪って言わなかったか?
「なあ隼、恋雪って言ったか?」
「ああ、言ったぞ」
「その子、・・・僕の知り合いだよ」
恋雪って、優奈の友達で僕もよく一緒に遊んだ子、だったよな?
「マジか。で、他の人は?」
「うーん。確かにほかの4人?の名前、聞いた事あるんだよな」
そう、これは本当のことなのだ確かに、聞いた事ある名前だけど・・・思い出せない。
そのうちの、鹿苑寺心だっけ?・・・たしか、昔ココって、やつがいたな。・・・違うか。
とりあえず、このさきいろいろなことを思い出すだろうから、いいか。
「まあとりあえず、ありがとう隼」
「ああ、また相談したいことがあったらいつでも言ってくれ」
「わかった。そのときは頼む。それじゃそろそろ戻るかそれじゃあな」
「おう、じゃあな」
そういって、隼の教室を後にした。
「やばっ、時間がない急がなきゃ」
『まずいわ、このままだと授業に遅れちゃうわ』
と、向こうから声が聞こえてきた。この声は、確か転校してきた日に何かを言っていた女子生徒のうちの、1人だったはず。
と、そんな事を考えていると、その女子生徒とぶつかってしまった。
「うわっ」
「きゃっ」
このとき、ぶつかった女子生徒—―椿咲夜との出会いだった。
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この小説は、投稿が不定期となっています。けれど、なるべく早く出せるように努力します