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僕の学園日常生活は非日常になってしまいました。  作者: 鯨@バーベキュー
転校・出会い・引っ越し
17/18

アルコール

第17話

アルコール

 親衛隊がいなくなり、ようやく教室に着いた。

「何だったんだろうね、さっきの人たち」

「蓮君は何かわかる?」

 と、咲夜が聞いてくる。うん、僕にもわからない。怖いとは思わないんだろうけど、それは、すずちゃんと、恋雪ちゃんを含めれば別の話だ。あの2人、思いっきり、僕の背中に隠れてたもの。まあ、そうだよね。ただ、これだけは言っておこう。

「男には、色々あるんだよ」

 と。

「・・・何も、されませんよね?」

「・・・多分」

「ふぇぇ・・・」

 と、泣き出しそうになっている、すずちゃん。あいつらは・・・。

「大丈夫だよ、何かあったら、僕がみんなを守るからさ」

 あいつら、何やらかすかわからないしね。ここは、男である僕が、みんなを守らなきゃいけない。

 だが、それを言った途端、3人が顔を赤くする。

「どうしたの?」

「いやー・・・その」

「蓮君がそんなこと言うとは思わなかったのよ・・・」

「・・・ちょっと、恥ずかしいですぅ・・・」

「え!?僕が言った言葉って、そんなに恥ずかしい・・・?」

 いや、たしかに、ちょっとキザっぽいけども。そういわれると、結構ショックだ・・・。

「い、いえ!そういうわけではないんです・・・ただ、なんといいますか・・・」

 あ、やっぱり・・・変だと思われたのか・・・。そう考えて、自然と肩を落としてしまう。

「・・・蓮君、大丈夫?」

「・・・もうダメかもしれない・・・というか、立ち直れない・・・」

「蓮、諦めちゃだめだよ!」

「桜姫・・・」

「何かはよくわからないけど!」

「ごはぁ!」

 その言葉、せめて、胸の内にしまっといてくれよ・・・。

 この日の朝は散々だった・・・。


「やっと、昼か・・・」

 なぜだろう、すごく長く感じたよ・・・。その原因といえば、例の親衛隊である。だってさ、あいつら休み時間のたびに来るんだよ?こっちとしては、たまったもんじゃないよ・・・。

 にしても、まさか、親衛隊なんてものがあるとは思わなかったなぁ。ああいうのって、マジモンのアイドルとかにある奴なんじゃないのかな?・・・まあ、みんながアイドル顔負けの容姿を持っているから、変ではないと思うけどさ?にしたって、やりすぎだと思う。

「蓮、会長にお弁当届けに行かないの?」

 と、考え事にふけっていると、桜姫が話しかけてくる。

「あー、そうだね・・・」

 疲れた体に鞭打って、椅子から腰を上げる。

「それじゃ、ちょっと行ってくるよ・・・」

 にしても、だるい・・・なんというか、いつもより体が重いんだよなぁ・・・。


 同時刻——3-G

「む、しまった・・・お弁当を置いてきてしまったか・・・」

 まいったな、昼を食べないと、午後の授業に支障が出てしまう・・・。さすがに、パンを買いに行こうにも、今から行ってもコッペパンぐらいしか買えないだろうからな・・・。ここの購買は、毎日が戦争だからな。チャイムと同時に行かないと、負けてしまう。最近、といっても、本当に最近だが、蓮がお弁当を作ってくれるから、購買にはいかなくなったが、よりにもよって、忘れてしまうとは・・・。

「どうしたものか・・・」

 そう思ったところで、

「あ、いた。心ー!」

「む?」


「心、お弁当おいてきたでしょ?持ってきたよ」

 本当は、こういうことは、人前では言いたくないんけど、この際仕方ない。むしろ、いきなり下級生が入って来て、それも、生徒会長のもとに行き、小声で話すほうが、とてもめんどくさい気がする。

「おお、ありがとう、蓮」

「いいよ。それよりも、早く行こう。みんな待ってるし」

「そうだな」

『・・・あいつか』

『ああ、そうだな・・・』

『どうする?今ヤるか?』

『・・・いや、どこかで仕入れた情報なんだが、あいつ、年上の男3人を倒しちまったらしい』

『なるほど、機会をうかがえってわけか・・・』

 ・・・なんか、凄く物騒な話をしてらっしゃる・・・。

 どうしよう、凄く怖い・・・。

「大丈夫だ。私がそんなことをさせないから・・・」

 と、耳元でささやいてくる。あ、気付いてたんだ、今の会話・・・。でもなぜだろう?すごく、心強いや。

「ちなみに、もしそうなったらどうするの?」

「・・・」

「うん。やっぱり、聞かないでおくよ」

 無言なのは逆に怖い。しかも、若干うすら笑いを浮かべてますし。一番怒らせちゃいけない人なのかな?


「みんな、おまたせ」

「あ、おかえり、蓮。会長も」

 中庭に来ると、すでにみんなが集まっていた。ちなみに、この学園にある中庭で、僕たちはいつもお昼を食べている。この季節は暖かいからね。外で食べる方が良いって、桜姫が言ってた。それ自体は賛成だけどね・・・それ自体は。

「はい、あーん」

 これが1回目。

「はい、次は私ね。はい、あーん」

 続いて2回目。

「つ、次はわたしです。その・・・あ、あーん」

 3回目。

「その次は私です。あーんです」

 4回目。

「最後は、私だな。ほら、あーん」

 5回目。

 そう、毎回お昼を食べるたびに、ここにいる5人に「あーん」をされている。一人一回ずつなのは、せめてもの救いだが、一回でもかなり恥ずかしい。漫画とかラノベの主人公を見ているときに、うらやましいなぁ、とは思ったことがあるが、実際それをやられてみると、結構恥ずかしい・・・。というか、ハードルが高い。でもさ、これ、みんなが作ったのなら、もう少しはドキドキするんだけど・・・僕が作ったやつだからなぁ。なんともいえない。

 ま、この中庭は、穴場らしく、人が少ない。そう、少ない。ただ、全くいないというわけではないので、誰かしらいる。ただ、幸いなのは、いるのが女子しかいないことだ。ここに、男子生徒が居ようものなら、僕は殺されていたことだろう。

 ・・・今日は、隼と帰るか・・・。


「今日は先に帰っててくれ」

「あれ?蓮、何かあるの?」

「ちょっと、用事がね。だから、今日は悪いんだが、一緒に帰れないんだ。ほんと、ごめん」

「そっか、ならしょうがないね。わかった、みんなには私が伝えとくよ」

「ありがとう」

 さすが幼馴染。考えを理解してくれてこっちとしても助かるよ。


「なあ、隼」

「なんだ?」

 帰り道、隼と一緒に帰っていて、思っていることをこの際だから、話してしまおうと僕は思った。

「正直、疲れたよ・・・」

「どうしたんだ?急に疲れたって・・・しかも、こっちに帰ってきてから、2週間程度しか経ってないだろ?それなのに、一体何に疲れたんだ?」

「・・・あの5人に疲れた」

「あー・・・」

 ハッキリ言って、すごく大変なんだよ。帰って来たばっかで、少ししか経っていないのに、急に6人で住むだよ?正気のざたじゃないよ・・・。

「でもさ、具体的に何に疲れているんだ?」

「・・・一緒に住んでるじゃん?」

「そうだな」

「当然、生活空間が同じなわけだ」

「まあ、一緒に住んでるしな」

「でね?家事を全部任されてるわけだ」

「そうなのか」

「当然、洗濯も含まれている。そうすると・・・」

「・・・あ、そういうことか・・・ようは、下着か」

 どうやら、察してくれたみたいだった。

「その通りなんだよ・・・あれさ、全部僕の仕事なわけだから、洗わなきゃいけない。あれを見たとき、こう思ったんだ。『あの5人の、使用済みの下着・・・これで、〇〇〇〇したほうがいいのかな?』と」

「・・・お前、この7年何があったんだ?」

「・・・人間、7年あれば変わるのに十分な時間だと思うんだけど」

「いや、正直7年で、親友が変態に成り下がっているから、何とも言えないんだけど・・・」

 うん、それは僕も認めよう。

「だってさ?僕は、7年の間で、家事を毎日していた。そうすると、ストレスがたまるじゃん?」

「そうなのか?」

「それでさ、たまりにたまったストレスが、ついには大噴火を起こし、最終的には——変態仮面になっていた」

「ちょっとまて、お前、変態仮面はないだろ・・・」

「仕方ないじゃんっ!僕だって、好きでこんなことをしてるんじゃないやい!でもさ?これを誰かに言うわけにもいかないじゃん?ましてや、こっちでの知り合いって、隼と母さんと優奈含めて、8人だよ?限りなく少ない上に、隼以外全員女じゃん!どうしろって言うんだよ!」

 胸の内に秘めてい事が、自然と吐露していく。あー、やってしまった・・・。これで、僕が変態として広まっていくんだろうなぁ・・・。

「・・・ちょっといいか?」

「・・・なんだよ?」

「・・・酒飲んでる?というか、アルコールでも摂取した?」

「・・・まったく」

「でもお前、顔真っ赤だぞ?」

「・・・え?」

 そう指摘され、自覚した瞬間、急に視界がぼやける。さらに、体の感覚がなくなり、やがて倒れこんでしまった。そして、そこで意識は暗転。この間に何があったのだろうか?目を覚ました時は、僕の部屋だった。


 あとで聞いた話だけど、どうやら、心の弁当にのみ、アルコールが混じっていたらしい。なんで?

こんにちは、妖夢です。

今回、時間が空いたので、短めで終わらせられる、こちらを書きました。正直、ダンボールの方は、1話がやたら長くなってしまうので、どうしても時間がかかります。少なくとも、2、3日はかかる事でしょう。

何とか出せてよかったです。これからは、受験勉強も大事ですけど、時間が空いたら、ちょくちょく進めることにします。

では、また次回。

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