再会
第一話
再会
―春、出会いと別れの季節である。
そんな季節のためか僕は両親が離婚した際に僕は父さんのもとへ、妹は母さんと一緒に住んでいる町へ残ることになった。両親がけんかをしたわけではない。離れなければならない理由ができてしまったのだ。 両親は離れたくないと思っていたようだが、それは叶わなかった。そしてそのまま、離れてしまった。
―そして7年たった4月の初め、父さんが病気で亡くなってしまった。離れた後も母さんとは連絡をとっていたためすぐに、
この事を話した。
その結果、予想していた反応が来た。
やはり、泣いていた。しばらく、母さんは泣いていたので、しばらくそっとしておいた。そしてその後母さんはこう言ってきた。
「蓮、これからどう暮らすの?」
「う~ん。とりあえず、今の暮らしを続けて、お金が底をついてきたらバイトでもするよ」
「なら、こっちに戻ってらっしゃい。一人で暮らすには、流石に大変でしょう?それに、帰ってきてくれたら優奈も喜ぶわ」
「優奈か、確かにあの日以来会ってもいないし連絡も取ってないしな。分かったよ、そっちに帰ることにするよ」
優奈は、僕のたった一人の妹である。両親が離婚してしまった際に母さんと向こうに残った。けれど、今回僕も向こうで暮らすことになったので、一緒に暮らすことになるだろう。また暮らせると思うと、嬉しい気持ちになる。
「分かったわ、引っ越しや転校の手続きをすましておくわね」
「うん。ありがとう、母さん」
こうして僕は、母さんと、優奈のもとへ帰ることとなった。
―そして現在、以前の家に戻ってきた。優奈はどうしているだろうか、という事を考えながら隣の家を見た。
ここの家には前住んでいた時に、よく遊んでいた幼馴染が住んでいる。
桜姫の奴、元気にしているかな?でも今日はいないみたいだな。明日から通う学校には、桜姫も通ってるみたいだから、そのときに帰ってきたことを報告しよう。
そう思い、玄関の扉を開けた。
「ただいま~。」
と、言った瞬間ドタドタと、足音が響いてきた。そして、次の瞬間。
「おおおおおおにいちゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「ぐふぅっ」
優奈が飛び込んでくるように抱き着いてきたため、僕の鳩尾にクリーンヒットした。正直妹に殺されるんじゃないかと思った。それほど激痛だったのである。
「ゆ、ゆ…うなか、できれば飛び…つかないよ…うにしてくれ…」
「だって、やっとお兄ちゃんに会えたんだよ?嬉しいに決まってるじゃん!」
まぁ、そうだよな~。考えてみれば、7年も会ってなかったからな~それもそうか。
「そうだな。じゃあ改めてただいま」
「うん!お帰りお兄ちゃん」
この家に帰ってくる前は、不安だったが優奈のようすを見て安心した。これでもしも、態度が変わってしまっていたら、今頃どうなっていただろうか。
少し騒いでいたせいか、この場に母さんがやってきた。
「あらあら~、7年も会ってもいないのに、仲がいいのねえ~」
「あっ母さんただいま」
「おかえりなさい蓮」
こうして僕はまた僕の故郷である『桜神市』に帰ってきました。
―でも、このとき転校することになった学校では、普通の日常生活をおくるだろうと思っていたが、僕の学園日常生活は非日常生活になってしまうとは、この時の僕は知る由もなかった。
そして、次の日。
僕がこれから通うことになる学校『桜神学園』に、今行く準備をしている。
そして準備が終わったので、一階に降りて行った。下に行くと、優奈はもう起きていた。
母さんは朝ごはんをつくっている。
「母さん、優奈おはよ~」
「おはよーお兄ちゃん」
「おはよう蓮。朝ごはんもうできるから、座って待ってて」
「うん分かった」
「お兄ちゃん、今日から一緒に同じ学園に行けるね!」
「うんそうだね」
優奈と学校へ行くのは久しぶりだな~。なんか楽しみになってきたぞ!
「蓮、優奈朝ごはんできたわよ。早く食べないと遅れるわよ~」
「「はーい」」
僕と優奈は、朝ごはんを食べ終わったので学校へ行く準備をした。
「忘れ物はない?二人とも。蓮は本当にお弁当はいいのね」
「うん母さん。お昼はパンを買うから大丈夫だよ」
少しでも母さんの負担を減らしたいと思っての言葉だ。
「お母さん、私のお弁当にいつもの入ってる?」
「ええ、入ってるわよ」
「ありがとう、お母さん」
さてそろそろ、行かないと遅れちゃうな。
「それじゃ、そろそろ行くか優奈」
「うん、お兄ちゃん」
「それじゃ」
「「行ってきまーす」」
そう言って、僕と優奈は家を後にした。
-僕は優奈にこれから、通う桜神学園の事を聞いてみることにした。
「優奈、桜神学園ってどんな所なんだ?」
「そうだねえー、一言で言えば、凄く大きい学園かな」
「どれぐらい大きいんだ?」
「小、中、高一貫の学園で、1学年10クラスで、A~Jまであるよ」
「マジで!?そんなにあるの!?」
というか、そんな学校あったんだ・・・。
「ちなみに、1クラス32人」
(なるほど)
「てことは・・・学園の総人数は・・・3500人以上!?」
「まあそうなるね。あと、学園の広さは東〇ドーム10個分位だよ」
そうかー、東〇ドーム10個分かー・・・
「って・・・10個分!?広すぎだろ」
「だから、学園の中に路面電車があったりするんだよ」
路面電車がある学校とか、実在してたんだ・・・。
「あと桜姫さんと、恋雪ちゃん覚えてる?」
桜姫と恋雪ちゃんか・・・確かあの二人とは、ここに昔住んでた時、よく遊んだっけなあ。桜姫は昨日ついたときに思い出したけど、恋雪ちゃんは思い出せなかったなー・・・でも、優奈のおかげで思い出す事ができたな。さすが、僕の妹だ。だが、ここで忘れてた、なんて言ったらどうなるだろうか?ここは、覚えている風を装って言っとくか。
「ああ、覚えてるよ。懐かしいな」
「桜姫さんと恋雪ちゃんは、同じ学園に通ってるよ。知ってる人がいてよかったね、お兄ちゃん」
確かに、知人がいると安心するな。
「うん、そうだな」
と、そう話しながら歩いているうちに、学園についた。
「それじゃ、私はこっちだから高等部の校舎はこっちの道を通れば、つくからじゃまたねお兄ちゃん」
「ああ、またあとでね」
そう言って、別れた。
-そして僕は、自分のこれから通う2年E組についた。
「ええー、転校生を紹介する。では、自己紹介を」
「はい。えっと、月詠市から来ました、鳴海蓮です。以前はここに住んでいたんですが、事情があって 引っ越すことになり一度転校しましたが、また戻ってくることになり、この学園に転校してくることになりました、一年間よろしくお願いします」
『えっ・・・蓮?』
『あの顔どこかで・・・?』
『う~ん、あの顔どこかで見たような気がするのですが・・・?』
と、3人ほど声が上がったが、1人だけ聞いた事がある奴がいたような?
こうして、登校初日のホームルームは終わった
最初は、予想通り質問攻めにあった。
『彼女は、いるの?』
「いや、いないよ」
『えっ、意外。ルックスがいいから、いるのかと思ったよ』
「いやいや、そうでもないよ」
『前の町はどうだった?』
「結構いいとこだったよ。自然も多かったからね」
『自然が多い所かー。ちょっと行ってみたいな。今度どんな場所か教えてくれよ。えっと・・・』
「鳴海でも、蓮でもどっちでも呼びやすい方で呼んでくれればいいよ」
『そうかよろしくな鳴海』
とまあ、こんな感じで質問が1時限目が始まるまで続いた。
-昼休み。優奈と会う約束をしていたので、とりあえず中庭に向かっていた。
その途中で、昔会ったことがあるかのような人物に出会った。
「もしかして、蓮か?」
と、声をかけられたのだ。そして、その人物の顔を見て僕は驚いた。
「お前こそまさか・・・隼か?」
「おお!やっぱり、蓮か!久しぶりだな、元気にしてたか?」
こんな調子で話してくるのは昔、ここで暮らしていた時の僕のもう一人の幼馴染の、十神隼だ。
「もちろん、お前こそ元気にしてたか?」
「ああ、にしても急に戻ってきたから、驚いたよ。どうしたんだ?
まあ、隼にならいいか・・・。
「実は・・・」
と、ここに戻ってくることになった理由を話した。
「そんな事があったのか・・・なんか悪いな、思い出させちまって。」
「いいよ。前向きに生きていこうと思ってるから・・・」
そうは言っても、やはり父さんが死ぬ間際の顔を思い出すと、悲しい気持ちになったが絶対に、言わない。
「そっか、まあ無理すんなよ。きつくなったら俺に言えよ、力になってやるから」
「ああ。ありがとう隼。それじゃ、僕は優奈を待たせるのはまずいからもう行くよ。また今度、ゆっくり話そうぜ」
「ああ、またな」
まさかここで、隼に出会うとは思わなかった。けど知人ほかにもいてよかったと僕はほっとした。
-そして放課後。ちなみにあの後、隼に出会ったことを優奈に話した。そういえば優奈と一緒にお昼を食べてるときに、通りかかった男子生徒達にきつい視線を送られていたがあれは何だったんだろう?
とまあ、こんな感じに考えながら歩いていると声が聞こえてきた。
「蓮ーーーーーーーーー!!!!!」
と、僕を呼ぶ声が聞こえてきた。そして、声がした方を振り向いた瞬間、
「蓮!!!!」
と言いながら、なんと知らない女子生徒が抱き着いてきたのである。
「えっ?????」
そう、これが僕の日常生活が非日常生活になる、きっかけだった。
初めまして。
初投稿になります、妖夢です。
この作品は、初めて書いた小説です。
気に入らない点があるかもしれませんが、誤字脱字があった場合は教えてください。
ほかにこうすればいいんじゃないか、などのことも参考にしていきたいと思います。
これからよろしくお願いします。