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NAGI ―神様と共に私を見つけるまで―  作者: 安藤真司
NAGI編 2 ―Taboo War―
61/72

神様が彼女と小さな一歩を踏み出すまで

喧騒と言うには少し、雑音が多すぎる。

絶叫と言うには少し、絶望が深すぎる。

ここはそういう場所だ。

死が、溢れている。

個が、個としての存在がここまで蹂躙されている場所を、ボクは他に知らない。

死が無限とも思えるほどに世界を覆い、消えゆく灯火は刹那の輝きすら見せずに儚く霧散する。

そこに人であるなし、神であるなしは関係がない。

どんな生命も等しく命を奪い、命を奪われ、無へと帰していく。

「セレスはツナギの闇を得て、何をしようとしている、です?」

ベルの声が轟く。

ベルの可愛らしい声に続いて、重たい音像の嵐が周囲を吹き荒らす。

それは悪寒以上の冷気となって周囲にいるボク達を纏めて包み込む。

思わず身震いをしてしまう。

セレスはしかし臆する素振りなど寸分も見せず、ただ殺意をもってベルと対峙していた。

「あらぁ、本当はわかっているんじゃないかしら?ベル?」

影を身に纏った、いや、影を身に宿したベルは、ひどく辛そうだ。

そう、神の宴の時もそうだった。

あの時は限定解除って形でジャンベルに対したわけだけど。

ツナギが結局否定したんだ。

こんなに悲しい力はないって。

こんな力は使うべきではないって。

いつまでもどこまで自分の限界を度外視して自らの存在にのみ負荷をかけ続ける薄倖の神の存在理由を。

ツナギは否定したのだ。

そんな良くない力をだけれどボクは止めることが出来ない。

止めてくれ、だなんて、言う事が出来ない。

言いたくも、ない。

これが、必要なんだ。

今この状況、二つの意味合いでベルの力は必要だ。

まずは当然、戦力的な意味合いがそう。

そして、ここが戦場であるという事実。

そう、ボク達は今、前に進むことが困難である、ということを考慮に入れなければならない。

進むべき方向はわかっている。

でも、相手は乱戦中でもこちらの命を狙ってどこからでも攻撃を仕掛けてくる可能性があるのだ。

そもそもあちらこちらにまるで弊害物かのように進路の一切が塞がっている。

強いて言えば元々タブーの深淵であった方向には戻れるのだけど、今は戻ることに意味はない。

だから今、ここでセレスは処理しなければならない。

つまり。

殺さなければならない。

「ほら、早くしないとベルあなたキツイんじゃなくって?」

「心配、ご無用、です」

ここで喧騒が一旦止み、また何卒様が動き出す。

あぁ、そうだ。

ボクは今、心底、目の前の光景に吐き気を催している。

「あ……う……」

リアンなんて、もうかなりやばい。

一応、リアンよりは耐性のあるボクですら、気分が悪い。

うん、戦場だから、というだけではない。

リアンにとっては、生命同士が殺し合いをしている、というだけでも、相当に精神的には参ってると思う。

リンドウとアリスがどうかはわからないけど、たぶん二人はそれについては慣れているんじゃないかって気がしている。

少なくともリアンほどには拒否反応を起こしていない。

しかしでもこれは全く別種だ。

気味が悪い。

本当に本当に気持ち悪い。

セレス。

慈愛の神。

その能力は。

生命でも何でも、元の姿に、戻す、力。

元の、姿に、だ。

もう、何が言いたいか。

じゃなくて。

何が言いたくないかは。

わかるよね。


「死体をまた蘇らせて殺し合わせてまた死んだら蘇らせてそれを繰り返して、何が面白いんだよ、セレス」


言いたくはないけれど。

言葉にしてみたら、何か、ボクの中でも決定的になりそうで。

でも、現実は直視しなくちゃだもんね。

言うしかない。

事実は事実だ。

さっきから身動きが取れない最大の原因。

それが、セレスの能力による、死者の蘇生。

それも司亜人に騙されて煽られて支配されてボク達を殺しに来た者たちだけではなく、元タブーの生命ともども、蘇生している。

死んでは生き返り。

目の前の敵を排除せんと戦い。

また死に。

生き返り。

そんなことを、延々と。

ループさせれられている。

こんな、こんなひどいことがあってたまるか。

今すぐにでも殴りにいきたいけれど、それすら敵わない。

ベルが戦っているところなのだ。

ボクと繋はすぐ近くにいると、正確にはボクがここいにるとはっきり認識させてしまう程度に近づいてしまうと、たぶん、恐らく、本物の世界のルールを発動してしまう。

強制的に能力を消し去ってしまうのだ。

でも今この状況でそれをやってしまうと、周りに大勢いる誰かの何かしらの攻撃を回避することが出来ない。

それは困る。

確実に繋とリアンは守らなきゃいけないし、ボクと一緒にいてもどうやら能力を扱えるリンドウとアリスには傍にいて貰った方がいい。

その判断をすぐにして、ベルが前に出た時点でボク達は後方に下がっている。

でも一体どういうことなんだろう。

自分達の味方を甦らせるのは、まだわかるけど、どうして今ボク達の味方をしてくれている元タブーのモンスターまで生き返らせているのだろう。

戦力は少ない方がいいんじゃないのか。

タブーのモンスターは神すら殺す、かなり凶悪なものだと思うんだけど。

なんて思っていたら、セレスが答えをすぐにくれた。

「ふふ、真っ向勝負でも構わないのだけど、せっかくだからねえ」

「うう、何のこと、です」

「あなたと力比べをしたいわけじゃあないの、あなたのその精神を完全に壊したいのよ、私は」

ベルはどんどん、自分の中に影を溜めこんでいる。

それはもう水の中に一滴、墨を垂らしたかのように。

っていうか、いくらなんでも、闇を抱えすぎなんじゃ。

いや、でも、これだけ死んだり生き返ったりを強制的に繰り返させられていることは、それだけ不幸だということで。

「っまさか!?」

ボクの思考がセレスに追いついたのと同時に、セレスの顔に邪悪な笑みが浮かぶ。

いつだかも見たことのある表情だ。

「あなたはいつもいつまでも変わらないわよね、そうやって誰かの不幸を自分に溜めこんで、それを良しとしてしまう」

「それが、なんだって言う、です」

「私はね、そんなあなたが、嫌いで嫌いで仕方がないのよ」

「……だから、何、です」

「だからね、あの時も、あなたを壊すために私が全部仕組んだのよ」

あの時。

それは、ベルが神様序列1位だった時の話だろう。

ベルが不幸を抱えすぎて、そして、もう壊れてしまい、そして、それを見かねた他の神々が。

ベルに願う人々を皆殺しにしたっていう。

ひどい事件。

今セレス、なんて。

言った?

私が仕組んだ?

ベルが、嫌いだから?

「私はだから、あの時もあなたを完全に壊そうと思ったの、いいえ、壊したと思ったわ、その後一切あなたの情報は得られなかったから」

「セレス……一体どこまで」

「でも、ナギちゃん達が連れてきたのよね、あの時は驚いたわ、それに何より、ベルがまた同じことをしているのだと、嫌な気分になったわ」

「それでまた、ベルをどうにかしようと思ったのが、神々の宴、ってわけだ」

ボクの言葉に少しだけ驚いたような顔を見せるセレスだけど、どうということもなく続ける。

「そう、ジャンベルを少し煽ったら簡単に開催してくれたわ、結局どの神も世界を退屈だと考えていたみたいだし」

ジャンベル。

元神様序列2位。

そんな神が行った、神同士の殺し合い。

それは、巡り巡って、その殺し合いを止めようとするであろうベルを呼ぶためで。

そしてきっと、それを止められないベルを再び落とそうと、したのだろう。

でもそれも失敗に終わった。

ボクが、ツナギが、ザ・ワンが止めた。

「だからね、今度こそ、あなたを完全に葬りたいのよ、精神的にね」

「今さら、やられるわけ、ない、です」

「そのための舞台がこれよ、ベル、これ以上不幸が集まる場はこの世界にはないわよ、死と生の乱舞、実に良い所でしょう?」

「これくらい、なんとも、ない、です」

「あらそう、いつまで持つのかしらね」

「そっちこそ、です!」

ベルが右腕を振るう。

それに合わせて影が戦場を舞う。

その一振りは一瞬、セレスどころか進行方向にいる生命全てを飲み込まんとしていたがすぐに方向を変え、全てがセレス一点へと収束していく。

しかし影は全てセレスの目の前で急速に勢いを落とし、そして、無に還った。

「あらぁ、忘れて貰ったら困るわ、私の力」

セレスは自身の力、全てを在るべき姿に還す力、元の姿に還す力で影を消滅させることが出来る。

どうしたらいい。

ボクは、どうしたら。

ボクの今の力じゃあ、たぶんベルの闇を切り払うことは出来ても、セレスに対抗は出来ないだろう。

ザ・ワンは、ザ・ワンも、同じく、か。

ザ・ワンとベルは同時には戦えない。

それはもう能力の相性の問題である。

あとは、リンドウとアリスは。

うーん、どうなのだ。

この状況に対して。

というか、リンドウとアリスの能力は確かに見たけれど、あれもやっぱりセレスには通用しないんじゃないか、なぁ。

アリスはそもそも戦闘用じゃないだろうし、リンドウの爆発もセレスには消されてしまうだろう。

どうにも出来ない。

でも、ベルもこのままじゃまずい。

リンドウと同じだ。

不幸を肩代わりすればするほどベルの力は増していくけれど。

しかしその攻撃はセレスに届かない。

さらに悪い事に、不幸は内に溜めれば溜めるほど、闇に侵食されていってしまう。

……。

どうすればいいのかはわからないけれど。

やっぱりこのままベルが戦うのは分が悪すぎる気がする。

「ザ・ワン!!お願いできる!?」

「わかった!!」

たぶんほぼ同時に同様の結論に至ったのだろう、ザ・ワンが勢いよく駆け出した。

駆けだそうとした。

が、これはリンドウによって止められた。

「おっと、ちょっと待ってくれ」

「なんだよ、今結構まずい状況なんだぞ?」

「あぁ、いやそれはわかってるんだけど、わかってるんだけど、さ、なぁ、アリス?」

リンドウがアリスに首を向ける。

「うーん、まぁ、なるべく死者を出さないように、って、こういうことなのかな、お兄ちゃん」

「自信はないんだけど、たぶん」

何を言い合っているんだこの兄妹。

今はそんなことしていられる状況じゃあないんだよ。

何、死者を出さないように?

この光景を見てまだそんなことを。

もうとっくに死んでいるしもうとっくに終わっているよ。

もう戦争は、止まらない。

「一葉はこういう所があるからなぁ……あんなことがあったから仕方ないのかもしれないけど」

「最終的に生きていればいいんじゃないとか言い出しそう、というか、これは」

「そうなるな、よし、ここは俺たちの出番かな」

言って、リンドウとアリスがベルの元に近づく。

セレスもやや警戒気味に二人を見る。

セレスからしても、この二人の存在はかなりのイレギュラーだろう。

でも、どうするのだろう。

「あなたたちが誰かは知らないのだけど、邪魔しないで貰えるかしら」

「危ない、です」

ベルも危険を促す。

しかしリンドウは飄々として、

「ああ、俺はてっきり、神様って、もっと、何か超越した存在だと思ってたんだよ」

などと軽口を叩きながらゆっくりと歩いていく。

まるで、少し運動をしようぜと言っているかのように。

軽く緩く。

手を開いた。


「この程度かい」


耳を貫く破裂音。

動きの一切を封じるほどの圧と、煙に暗む視界。

火薬の滲んだ匂いに、巻き上がる砂の味。

五感の全てが奪われ、まともに自分が立っているのかどうかも判然としない。

いや、というか自分はちゃんとまだこの世界にいるのだろうかと不安になってしまうくらいだ。

と、全く感覚が痺れたまま数秒とも言えないような間を空けて、すぐに視界が晴れた。

見えている感じからしてアリスの力らしい。

でもどう考えてもまだ視界がこんなにクリアであるはずがない。

どういうことなんだ。

っていうか、これだけの爆発、リンドウまさか皆まとめて爆破、とかしてないよね。

「って、え!?」

周りを見れば、ボク達以外の全員がうずくまっている。

その中にはセレスもいる。

ホントどうなってるんだ。

「な、なにを、したの……今」

呻きながらもセレスが声をあげる、でも。

目線の先にボク達はいない。

やっぱり感覚が狂わされているのだろう。

「いやぁ、一葉が神様はちょっと相手に出来ないとか言うもんだから、一体どんなものかと思ったんだけどさ」

リンドウは、セレスの言葉には返事をしない。

「なんだ、ただの悩める男女たちじゃんか」

「馬鹿に、しないで」

「してないさ、感心してるんだよ、ちょっとだけ、羨んでもいるけど」

「何を、言って」

「壊したい、なんて愛の形の一つだろ、そういう奴らを見たことがあるよ」

「愛……?は、そんなわけ、ない、でしょう!!」

セレスは目もろくに見えていないだろうに、両手を大きく広げ、そして能力を行使する。

周りの塵や爆風を元に戻そうということだろうか。

でもそれは叶わなかった。

「な、なぜ、晴れない!?何も、見えない!?」

「ごめんなさい、今あなたの視界は全部、私の管理下にあります」

アリスが淡々と告げる。

「今のあなたには煙が見えているのだけど、それらは全部、幻です、元々存在などしてはいません」

「何を、さっき大きな爆発を」

「それだって、まぁ、言ってみれば幻覚みたいなものです、この世界での出来事ではない」

アリスが中々難しいことを言っている。

爆発に関してはボク達も一斉に被害を受けたわけなんだけど。

そしてリンドウもやっぱり、よくわからないことを言っていた。

愛?

愛ねぇ。

壊したいのが愛だなんて、そんなことないと思うけど。

セレスがベルに向けている殺意が、愛だと、リンドウは言うのか。

「私の力は、感覚の通信、だけど、通信先は何もこの世界限定じゃあないのよね」

「俺の爆発も当然、場所はこの世界に限らずどこでも起こせる」

「そして今、この戦場にいる、全ての生命の視界は、私がジャックした」

視界の、ジャック。

つまり、今この戦場でまともに目の前の世界を見えているのは、ボク達だけってことなのか。

しかしながら。

世界に限らず、って。

え、それ、本物の世界に爆発を起こせるってことなのかしらん。

ボクこの人達のこと本当に信用していていいのかな。

「くっ、こんなことで、私を止められると、思わないで!!」

セレスが再度、何かしらの力を解き放とうとする。

力を身の内に溜めている。

なんとなく、わかる。

「で、どうしようもなくなって全体に攻撃って感じかな」

「かわいい選択肢だよね」

「うるさいわね!!」

「でも、そういうのは感心しないな」

「だね」

そこまで言って、リンドウとアリスは後ろに一歩下がった。

そして下がった二人と対照的に。

ベルが、大きく前へ飛び出した。

真っ直ぐ、セレスの所へと。

目の見えていないセレスにそれが、止められるはずもなく、ベルは思い切りセレスに抱き着いた。

いつの間にか、ベルの体から影は抜けている。

「セレス……もうやめる、です」

「ぐ……放せ」

「もういい、です」

「何が、やめろ、私は、あなたが嫌いだ!!」

「もういい、です」

「よく、ない!!どうしてあなたはいつも、そうして不幸を受け入れられるの!?」

セレスの声が初めて揺れる。

それこそ、精神的な揺れだ。

「だって、私は、これしかやり方を知らない、です」

「あなただって、同じでしょう!?ナギと一緒で、私たちには過去の姿がない!!」

「もちろん、そう、です」

あぁ。

そっか。

そうだよね。

うん。

ボク達には、そう、過去がないのものね。

神様だというのに、自分がどんな神様かはわかるというのに。

肝心のその本質を思い出せない。

自分が誰に願われて、誰にどんな施しをしてきたのか、全く覚えがない。

そんなことは怖い事だ。

神様なのに神様として生きれないことは怖い。

怖いさ。

ボクだけじゃない。

それは、ボクだけじゃなかった。

繋によって創られたこの世界に生きる神様以外のどんな生命だって感じていたはずの疑問だ。

たまたまボクはそれを深く自覚したと言うだけの話で。

たまたまセレスはそれを自覚していないかのように動くベルを見て嫉妬したと言うだけの話で。

ボク達は皆、不完全なままにここにいる。

「なのにどうしてベルは、ずっと、ずっと自分でいられるの、薄倖の神でいられるの!?」

セレスの言葉の一つ一つが、ボクに突き刺さる。

まるで、自分を見ているようだ。

ボク自身の悩みを、そのままセレスが言っているようだ。

「私だって、ベルのように、生きていたいわよ……」

「セレス……」

そんな空気の中。

「セレス、そんなの、私だって、セレスのように生きていたかった、です」

ベルが優しく、セレスの頭を撫でる。

「だって、私は願いを叶えるしか出来なくて、それしか出来なくて、でも皆、私には、願っては、くれなかった、です」

「私には……?」

「皆っ、不幸を肩代わりして欲しい、って、それは、私じゃなくても、誰でもいいん、です」

「……それは、私だって、同じように」

「『怪我を治してほしい、お願いしますセレス様』って、言ってくれるです、でも、私の名前なんて誰も、呼んでくれなかった、です」

そんなこと、思ってたんだ。

思いがけず、ボクの視界が滲む。

あぁ、何言ってるんだよ。

ベルの本音が、セレスの本音が、ボクの心を動かす。

「薄倖の神に、願ってくれる人はいても、私に、ベルヴェルクに願っては、くれなかった、です」

「でも、あなたは真っ直ぐ生きていたじゃない」

「それしか知らなかった、そうするしか、なかっただけ、です」

「そう……そう、なのね」

「私は、セレスを、許さない、です、だって、だって私にないものを沢山持ってるのに、そんなことするなんてこと、許せない、です」

「……そうね、沢山、沢山殺したわ、もう償いないくらいに」

「ならせめて、もう、もうこれ以上は、何もしないでほしい、です」

「でも、今更、引き返せない、わよ」

「いくらでも、引き返せる、です!!」

ベル。

ベル。

うん、あなたの想いを尊重しよう。

ずっとずっと、ツナギに助けられるまでは一人ぼっちだったベル。

いつしかボクに願われる強い神様になっていたベル。

そんなベルが言うのなら。

ボクは。

「なら、一緒にやり直そう、ボク達神はさ、あまりにも多くの事を犠牲にしすぎたんだよ」

「やり、直す」

「うん、今までのことは、仕方ないで済ませないのかもしれない、ボクだって沢山殺してきた、でも、でもさ、今からいくらだって始められるよボク達は」

「そう、です、今から、ここから、始められる、始めないといけないんだと、思う、です」

「私は……」



ボク達神は。

なんてちっぽけな存在だろう。

神だというのに。

いや、神だからこそ、なのか。

本当に本当に。

駄目だなぁ。

結局ボクらは、傷を舐めるように。

寄り添って。

そして。

小さな小さな一歩をここに。

踏み出した。

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