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プロローグ3

「それで、なんのようだよ。」

ヨツバさんの隣、「3」のプレートが置いてある場所に深く座り、足を組んでいるサンヤが、乱暴に聞く。

サンヤはじれったい事が嫌いらしく、早く依頼の内容を伝えてほしいといった様子だ。

「ボスに失礼だぞ。」

サンヤの隣、「2」のプレートの場所に礼儀正しく座る黒いスーツの男、ニータが前髪に隠れていないほうの目で軽く睨み、サンヤを制した。

「にぃ…でもよー、早くどんな依頼か知りたいし・・・」

「サンヤ」

ニータは更に睨みをきかせる。

それを見てサンヤはおとなしくなった。

「失礼したな、ボス。」

「いいえ、大丈夫ですよ。」

デスクにつき、手に持っていたノートパソコンを起動させていたボスは、画面をみたまま微笑んだ。


ニータとサンヤは、情報堂創設の当初の頃から働いているベテランだ。

サンヤは僕とそんなに年齢は変わらないが、どうやら小さい頃から居るらしい。

そんなわけで、最初の頃は、この二人で依頼をこなしてきたらしい。

サンヤはニータの事を兄のように慕い、「にぃ」と呼んでいる。

ニータもサンヤのことを弟のように思っているようで、今のように制したりする、面倒見の良い兄貴分だ。


「ロクサ、このコードをプロジェクターにつないで。」

「…。」

ボスの命令に静かに頷き微笑んだロクサさんは言われたとおりに配線していく。

ボスはボスで、パソコンを操作しているようだ。


今までの依頼で、何度かプロジェクターを使った説明のような事があったが、その大半が大きく複雑な事件だ。


「…」

繋げました、というかの様に、ロクサさんはボスに一礼した。

「ありがとう、座りなさい。」

ボスは笑顔で礼を言うと、ロクサに座るよう促した。

「では…」

ボスは、ロクサさんが座った事を確認して、ゆっくりと話し出した。


全員の視線が、ボスのデスクの斜め後ろに降りてきた大きなスクリーンに当てられる。

すでに起動を終えたプロジェクターが音を立てて動き出した。

すぐに、プロジェクターからスクリーンへと画像が映された。

パソコンのデスクトップだ。中央の辺りにあるマウスカーソルはボスが操作しているものだ。


ボスは、スクリーンにデスクトップが表示されたのを確認すると、そのカーソルを、「情報堂」と書かれたファイルに持って行き、ダブルクリックした。


「まずは、これを見て下さい。」


そういった後、スクリーンに写しだされたのは一枚の写真。

白い背景の中に、椅子に座った、制服姿の少女が居るだけの写真だ。

真っ直ぐな栗色の髪の毛を胸まで伸ばしている、明らかに10代の少女。

小さい目は、少し垂れていて、眉毛も自信なさげに傾いている。

口も小さく、無表情だ。

丸く小さな眼鏡が彼女の弱さを引き立てるかのようにかかっている。

第一印象は、「いじめられっこの図書委員」だ。


「かわいい女の子だねー。」

ヨツバさんがいち早く感想を言った。

「それで、この子がどうしたの?」

キュウが興味ありげに聞く。

「依頼人…ではなさそうだよな。」

サンヤも興味を示す。


僕も、この少女の顔に見覚えはないし、見たところ裏の世界の人間でもなさそうである。サンヤの言うとおり、こんな少女が依頼人だとは思えない。

第一この依頼の依頼人は誰だ? いつもなら、最初に依頼人の名前を伝えられるはず・・・依頼したこともばれてはいけない様な人物なのか? だとすれば、この少女はいったい何なのだろうか。

様々な疑問が頭に浮かび上がっては仮説を立てるが、どれも納得いかない。


「この子は…」


唐突に、ボスがそう言ったので考えるのをやめた。

だが、次の一言でまた疑問が増えることになる。

この少女はいったい何者なのか、それを知った僕の胸は今までで最高のスリルを味わったような気分だった。


「”十番目”の候補です。」


もちろん、そう感じたのは、僕だけではないだろう。

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