第2話+α 日本で初めての友達
第2話を今日の夕方に投稿しました!大変長らくお待たせしてしまいすみませんでした。あと第2話に入りきらなかった分をここに出しました。読みづらくてごめんなさい。なるべく期待に応えられるように頑張りますので(あれば)感想&指摘お願いします。
このままでは本当に工場を買収しかねないので、無理矢理だが話題を変える竜子。
「ええ、元気ですわよ」
「1日3食あげてる?おやつは?散歩は1日に2回やってる?お風呂には毎日入れてる?トイレのしつけは?」
「もちろんですわ!この夏海リリィ向日葵、犬の世話くらいで音を上げるタマではありませんわ!今朝も登校前に散歩に行ってきましたわ!ちなみに部屋も1つ差し上げましたの!」
「そっか、よかったぁ……でも夏海さんが引き取ってくれて助かったよ。おかげで部活に集中できるからね」
「ですが、それは東川さんがデュークを大事に育ててくれたからですわ。毎日餌を与え、貧乏にもいじめにも負けず、愛情を持ってデュークの世話をしてくれたからに他なりませんのよ?」
「夏海さん……」
「もし、あのとき東川さんがデュークを見つけていなかったら、わたくしたちはここまで親密になれませんでしたから」
「ねえ夏海さん、あたし、気になることがあるんだけど、夏海さんって中学はどこ?」
「イギリスの寄宿学校で小学校から中学まで過ごしましたの」
「すごっ!帰国子女じゃん!」
「そ、そんなにすごいのでしょうか……?」
「すごいよ!そんな人とお近づきになれて奇跡だよー!」
「お近づき、ですか……」
途端に、向日葵の表情に陰りが生じた。
(一緒にお弁当を食べて、おかずを交換して、おやつで一喜一憂できても、まだ『お近づきになれた』程度ですか……やはり、そう簡単に関係は進展しないものなのですね……)
「夏海さん?おーい、夏海さーん」
「はっ!」
「どうしたの?そんなに思い詰めた顔して」
「い、いえ。少し考え事をしていただけですので……」
「何かあるなら話してよ。あたしたち、友達でしょ?」
「……友、達?」
向日葵がその台詞を理解するには、数秒かかった。
「うん!だって、一緒にお弁当食べて、おかずを交換して、おやつではしゃげて、犬の話で盛り上がれてるんだから、これって友達じゃないとありえないよ!」
すると、向日葵の瞳から雫が1つ零れた。
「あれ、どうしたの夏海さん……泣いてる?」
「っ……な、泣いてなどいませんわ!少し驚いただけですわ!」
慌てて自分の目元を拭う向日葵。しかし、強がる言葉とは裏腹に、目からは涙がどんどん溢れてくる。
「あれ、何で。わたくし……うう」
「え……あたし、泣かせちゃった?」
「ううう……うううううー……」
「あああ……泣かないでー、夏海さーん……」
その後10分ほど、向日葵は泣き続けた。
みんなが弁当とおやつを食べ終え、自由時間に入った頃、ようやく向日葵は泣き止んだ。
「先程は、お見苦しい姿を見せてしまい、申し訳ありませんでした」
「ううん、あたしは平気だよ!夏海さんこそ大丈夫?」
「ええ、もう心配はかけませんわ」
「あのさ、夏海さん」
「何でしょう、東川さん?」
「夏海さんのこと、名前で呼んでもいい?せっかく友達になったんだからさ!」
「わたくしを、名前で……?」
「うん!あたしのことも名前で呼んでいいからさ、向日葵ちゃん」
(まだ何も答えていないのですが……でも)
「悪くないですわね」
向日葵が呟く。
「何か言った、向日葵ちゃん?」
「いえ、何でもありませんわ」
そして、竜子のほうを向いて一言。
「これからも、どうぞよろしくお願いしますわ。竜子さん」




