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Sword Master ―紅剣の支配者―  作者: 高柳疾風
第二十章 真と親父と斬神界
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第二部 杞憂

「着いたぞ」


ついさっきまで宙に浮いていた足に地面を踏んでいる感覚が戻ってきた。

視界に真っ白のキャンパスを叩きつけられた俺は思わず目を固く瞑り、腕を瞼の上に押し当てていた。


「ん…んん……」


腕や瞼越しにその世界の明かりが突き刺さってきているが、それもほんの数秒で、ようやく瞼を持ち上げられるくらいになった。

腕を脇に下ろし、筋肉を硬直させていた瞼をゆっくり移動させる。


「…す、すげぇ――」


俺の黒目に映る光景。

それは俺たちが住んでいる世界とはまるで違うものだった。

ビルやマンションが立ち並ぶことで世界が狭められ、車の排気ガスや工場から排出される煙によって汚れた空気が充満している現代。

しかし、今居るこの斬神界の空気には不純物が全くないのかというほど澄んでいて、ふと上を見上げれば綺麗な空が視界一杯に広がってくれる。

そして目の前に広がる広い、そう、ただ広いとしか言いようのない屋敷。

木造のこれは歴史の教科書で見たような平安時代の公家が住んでいるような広大な建物。

歴史学者が見たら目玉がリアルに飛び出るんじゃないかと思えるほど見事なこの屋敷には、神が住まうに相応しい龍やら鳳凰やらの装飾が至る所に見受けられる。


「まるで歴史の教科書に飛び込んだみたいだね」


誰に話しかけたのかも分からない方向に空気を振動させたのは柳。

俺や他の皆と同じように周りをキョロキョロ見渡しながら驚きよりも感動しているような顔をしている。


「ここが…斬神界……」


ここにまで来てようやく聞いた麗奈の声。

空を見上げ、大きく深呼吸している麗奈の顔にはこれから始まる過酷な修行に向けての決意が見える。


「なんでしょう、不思議と懐かしさを覚えます」


胸の前で手を組んで顎を引いて目を閉じている宮野さん。

まるで何かに祈りを捧げているような姿の彼女は、その長い黒髪の所為かこの世界の背景に見事にはまっていた。


「どうだ? いいところだろう?」


「あぁ、昔の日本にタイムスリップしたみたいだ」


俺たちの反応を微笑ましく腕を組んでじっくりと眺めていた親父が俺に向かって話し掛けてきた。

澄み渡った空に視線を向けながら素直に答える俺。


「でも、いいのか、親父? 何年も留守にしてたのにこんな急に帰ってきて…」


視線を下ろし、顔を親父の方に向ける。


「なーに、心配ないさ。いつも何も言わずに抜け出してたからな。ちょっと長い間留守にした程度だ」


"ちょっと"って…、二十年だぜ?


「人間にとって二十年という月日は長いかもしれない。だが、我々のような存在には二十年は人生のほんの点程度のものなのだ」


人間なら生まれてから成人するまでの期間を点だと得意げに言い放つ親父。

その顔はこの際どうでもいいが、ふとした疑問が、


「二十年が点って、親父、今何歳なんだよ?」


「それは企業秘密だ」


「その気色悪い仕草はやめろ…」


可愛くしたいのか口に人差し指を当ててウィンクしている親父に吐き気を覚える。

すっかりげんなりしてしまいこれ以上俺の疑問を追及する気が完全に失せてしまった。


「はぁ、もういいや。んで? 俺たちはどこで修業するんだ?」


「あぁ、場所は決めてるんだが、その前に会わないといけない奴が居てな」


会わないといけない奴?


親父が腰に手を当ててキョロキョロと周りを見渡している。

目を少し細めて頑張って探しているようだが、それこそ神の力を使って相手の気を探るとかなんかできないのかね。

なんかここぞって時に神の力を使わないで、別にどうでもいいような時に神秘の力を浪費している気がする。

こんなのがここの神でこいつに仕えている方々はさぞ迷惑しただろうな。


「あっれー、おっかしーなー。あいつなら普段この辺に居るはずなんだけど…」


ひとしきり屋敷を見渡した親父が腕を組んで首を傾げる。

だから、少しは力を使えっての。どうせ気とか有り余ってるんだろうが。


「うーーん、一体どこに――」


「りゅーじんさいさまーーーーー!!!!!」


親父が俺たちの方を向いて唸っていると、突然、流刃宰を呼ぶ声が響き渡り、俺たちからは見えない方向から誰かが親父に抱きついてきた。

全く油断していた親父はその衝撃に背中を撓ませ、組んでいた腕を反射的に解いてしまった。


「わっふ!!」


そのまま突き動かされるようにこっちに向かって倒れこんでくる親父。

しかし、そこはさすが神。瞬時に足を踏み出して上半身が屈曲するに止めた。

だから…力使えよ……。ていうか、そんな油断していていいのか神よ…――。


「あ…――」


親父が体勢を戻すときに背中に張り付いている者の姿が少し見えた。

琴音よりも小さい、小学生ぐらいの身体、銀色の長髪が一本にまとめられて垂らされていて、服装は親父と同じ物を着ている。

親父が帰ってきたのがそれほど嬉しいのか抱きついたまま足をバタバタさせていて、親父の身体がその反動で揺れている。


「こ、こら、虎鐡(こてつ)! は、離れなさい!!」


揺らされながら目を見開いて必死に背中に向かって話し掛ける親父。


「あ、すいません、つい嬉しくなってしまって…」


親父に諭されてようやく手を離してストッと地面に降り立った虎鐡と呼ばれた人物。

そこでようやっと俺たちはその姿の全貌を拝むことができた。

親父の背中に張り付いていた容姿。親父に言われて少し照れた表情を浮かべているその顔もまさに小学生のようで、昔の琴音の顔が俺の脳裏を過る。


「まったく…あ、こいつがさっき話してた会わないといけない奴だ」


頭に手を当てて照れている虎鐡の肩に手を置いてこちらに向かせる親父。


「何者なんだ?」


「俺の息子だ」


は?


「うそつけ、このヤローーーーー!!」


「むっ、流刃宰様に向かって何だこの無礼者めーー!!」


親父がまたニヤケた面で適当なことを抜かすもんだから、その顔面をまともなものに戻してやろうと俺が飛びかかったと同時に虎鐡が俺に向かって地面を蹴っていた。


「はい、二人ともそこまで」


「ぎっ」


「ぐっ」


俺の拳が向かう先に透明な壁が現れたのか突然硬いものにぶち当たり、俺に向かって同じように拳を作っていた虎鐡は親父に襟首を掴まれ、お互い動きを封じられた。

こんなところで力を使いやがって……。痛めた拳を擦る。


「流刃様、何者なんですか? この無礼者は!?」


「お前こそ何者だ!!?」


拳を痛めた俺と親父に襟首を掴まれ、宙で足をバタバタさせている虎鐡の怒号がぶつかる。

親父は軽く溜め息を吐いて、


「この子は八神真。紅の後継者にして俺の息子だ」


虎鐡に向けていた視線を俺に向け、


「こいつは虎鐡。俺の弟子で、留守の間、この斬神界の神として君臨していた者だ」


虎鐡を指差して俺に説明した後、ようやく虎鐡の足が地面に帰還を果たした。


「「あー、なるほど」」


「流刃宰様のご子息様で」「親父の弟子か」


「「――…えぇーーーーー!!!!!」」


俺と虎鐡が同時に納得し、さらに同時に背中を仰け反らせて驚愕した。


「人間界で何やってんですか、流刃様!!」


「こんな小学生みたいなのが神なのか、親父!!」


「あー、順番に説明するからちょっとは落ち着け!!」


頭二つ程身長が低い虎鐡と一緒になって親父に絡む。

親父はわらわらと寄ってくる俺たちの頭を押さえて一喝し、深く溜め息を吐いてから説明を始めた。


「えー、何から話したもんかな」


親父から少し離れて整列する俺と虎鐡。

さらにその少し後ろには他の皆が整列している。


「土龍を打ち終わり、吹き込んだ魂が安定した頃、私は土龍に"虎鐡を神にせよ"という伝言を託して斬神界を去った。そして人間界に降り立ち、惹かれあうようにして出会った人間の女性と結ばれ、子を授かったのだ。無論、人間との間に子を持つことなど許されるものではない。しかし、私は自分の感情を抑えることが出来なかった…。だから、神であることを捨て、人間として暮らそうと思ったのだ」


親父の憂いを帯びた瞳が俺と虎鐡を交互に捉える。


「しかし、焔神の封印が解かれた今、私は傍観している訳にもいかなくなった。斬神界の神として、この後継者達の力を最大限にまで引き上げることを誓い、今またこの世界に舞い戻ったという訳だ」


「このことが神官に知られたら大変なことになりますよ…?」


言い終わって腕組みをしている親父に向かって重みのある真剣な言葉を向ける虎鐡。

神官というのが誰で、どれ程の権力を持っている人たちなのか俺には分からないが、虎鐡の頬を伝う一筋の冷や汗が事の重大さを物語っている。


「分かっている…」


親父は虎鐡の目を真っ直ぐに見つめ、


「だからお前に協力して欲しいのだ。この者たちは私が焔神を倒すために人間界から連れてきたということにしてもらいたい」


「……………バレたらまとめて罰せられそうですが、他ならぬ流刃宰様の頼みとあらば仕方がありませんね。その変わり、一つ条件があります」


「条件…?」


「再び斬神界の神として君臨し、私に武器鍛冶としての真髄を教えてください」


俺の素性を隠ぺいすることに協力するために虎鐡が提示した条件――、親父の神としての復帰と武器鍛冶としての修行の再開…。

虎鐡はニンマリとした顔で親父を見続け、それに応えて親父も顔の筋肉を緩め、


「分かった。その条件、呑んでやる。こいつらの修行が終わったらビシバシ鍛えてやるから覚悟しておけ」


虎鐡と視線を一致させたまま同じような顔を向ける。


「それじゃ、行こうか」


数秒間そのまま視線だけで虎鐡と会話していた親父がその視線を俺たちに向けてきた。

そして、虎鐡から離れて俺の目の前に移動する。


「いいか、真。たった今から私のことを"親父"と呼んではいけない。他の皆と同じように呼ぶんだ」


「…分かった」


俺の両肩をガシッと掴んで目を合わせてくる親父。

仕方がないとは言え、十年振りに出会うことが出来た実の父親を"親父"と呼べないのは物悲しくなる。

この空白の期間を埋めるためにもずっと言い続けたい言葉なのに。

俺のそんな考えが瞳を少し揺るがしたのか、はたまた空気を察したのか、親父は少し首を傾げて微笑みを向けてきた。

その笑顔には少し癒される。

たとえ"親父"と呼べなくても血がつながっていることには変わりないのだという実感が胸の奥から沸々と湧き上がる。


「よし、それじゃあ、まずはここに仕えている者に紹介しないといけないな。虎鐡、大至急皆を広間に集めてくれ」


「分かりました。それでは流刃宰様たちはゆっくりと広間まで来てください。それまでに皆を集めます」


元気に一礼して、虎鐡は駆け足で屋敷の方に向かっていった。


「私たちも行こうか」


虎鐡の背中を見送った親父がこちらに数秒顔を向け、そして広間があるのであろう場所に向かってゆっくりとした足取りで進んでいく。

その数秒向けられた顔は親父と感動の再会を果たしてここに来るまでで一番真剣な顔をしていた。

二十年というのが神たちにとってそう長くない時間であっても、やはり自分に仕えている者たちとの再会は親父にとっても緊張するものなのだろうか。

虎鐡の協力で俺と親父が親子であることを隠すことを決めたが、少しでも気を緩めてしまえば気づかれてしまうかもしれない。

そうなれば親父はどうなるんだろうか…。

斬神界の法律みたいなもので罰せられるんだろうか…。

最悪この世界から追放されるということも有り得るんじゃ…。

なんかこんなことを考え出したら切りがないが、とにかく俺もしっかりとしないといけないな。


木造の屋敷。その縁側をゆっくりと歩いている。

ふと上を見上げたらウチの神社でも見かける構造を見ることができる。

しかし、やはり神が住まう屋敷。

ただ広いだけじゃなくて雅に溢れるものが視界のあちらこちらに見える。

虎や龍、鶴や亀をモデルにして描かれた日本画が描かれている襖。

梁や柱には鳥や松の彫刻。豪快な書や優雅な水墨画が飾られた屏風。

まさに平安時代の貴族のような屋敷だ。


無言で足を進める親父。

そして、同じように無言で付いていく俺たち。

優雅な庭や屋敷を見て歩いているのとは正反対に俺たちの間には緊迫した空気が流れている。

そのまま数分歩いて行った先には百人は軽く入るのではないかと思えるほど広い部屋が襖で閉じられていた。

そこの前に居たのは虎鐡。


「流刃宰様、屋敷に仕えている者を皆集めました」


「分かった。ありがとう」


さっきの親父と再会したときの満面の笑顔はそこにはなく、ただ真剣な虎鐡の顔が親父の双眼を捉えていた。

親父もそれに応えるように真剣な声で返す。

そして、こちらに振り返り、


「虎鐡の合図で順番に部屋に入る。まずは私、その後お前たちに入ってもらう」


そして再び虎鐡の方を向いて、


「それじゃ、頼む、虎鐡」


「分かりました」


短く返事をした虎鐡がまずは一人で部屋に入っていく。

俺たちは部屋の前でひとまず待機だ。


「えー、皆さんに集まってもらったのは他でもない――」


襖越しに聞こえてくる虎鐡の声。


「つい先程、この世界にとある御方がお見えになった」


虎鐡の言葉に少しざわついてる聴衆。

何人居るのかは分からないが、ひそひそと話している声が結構大きく聞こえる。


「皆もよく知る御方だ。どうぞこちらに!」


虎鐡の声がこちらに向き、それを合図に親父がスッと襖を開けて部屋に入って行った。




「……りゅ……流刃宰様ーーーーー!!!!!」




親父が部屋に入って数秒の静寂の後に聞こえてきた叫び声。

誰か一人が言ったのを皮切りに次々と湧き起こる親父を呼ぶ声。

黄色い歓声とまではいかないが、ふらっと帰ってきた親父に対する非難の声色でもない。

やはりこの世界の住人にとっては二十年という時間はそう長いものでもないのかもしれない。


「あー、皆、突然姿を消してすまなかった。しかし、虎鐡がうまくやってくれているようで、変わりないこの世界に安心した」


襖越しに聞こえてくる親父の声。

反省の色と同時に安堵の色が見えた。


「さて、ついさっき私が再びこの世界に帰ってきたのは焔神を倒せるかもしれない逸材をついに見つけたからだ。私が打った武器に選ばれしこの者たちの力をさらに引き出すべく、この世界で修行をさせようと考えている。――…それではその者たちを紹介しよう。入りたまえ!」


親父の声がこちらに向けられた。

俺は襖に手を掛け、ゆっくりと開いて中に入って行った。

他の皆も俺に続いて入ってくる。


畳が敷かれた何十畳という広い広間の前に用意された一段高い舞台の上に立つ親父の隣に整列し、そこで見たのは親父と同じような格好をしている数十人の人。

立派な髭を蓄えた人から俺たちと同い年ぐらいとも思えるほど若い人まで、その年齢層はかなり幅広いと思えた。

親父に向けられていた大量の視線の束が一気にこっちに向けられる。


「こちらから、紅、碧、光、翠の武器に選ばれた者だ。この者たちの気も十分に濃いものであり、私はこの者たちが力を合わせれば焔神を滅することができると確信している。そのためにはここでの修行が必要不可欠なのだ」


親父に紹介されてただでさえ色んな視線に緊張していた体が余計に緊張してしまう。

しかし、それには構わず親父はここに居る皆にこの世界での修行の重要性を力説している。


「しかしですのぉ――」


親父の声に対して不意に口を開いたのは一番前で聞いていた、白銀の立派な長い髭をたくわえた正に長老というに相応しい風格を漂わせている御爺さん。

その髭を指ですくいながら、


「あまり長いをさせることはできませんぞ? この世界に異世界の者を置くということは魂のバランスを崩すことになりますじゃ。あまりに長い滞在は各世界を混乱に陥れますぞ?」


「分かっている。私は一週間と考えているのだが、どうだろうか?」


「ふむ、一週間ですか…」


親父の目が御爺さんを真っ直ぐに見詰めている。

言葉を交わしているだけなのに、この二人の間に流れている空気は他を寄せ付けないものがある。

俺たちはもちろん、虎鐡も、他の聴衆も、二人の会話に耳を澄ませてはいるが、その中に入ることが全く出来ない。

そのまま暫く無言の時間が流れ、


「まぁ、一週間程度なら良いでしょう」


「ありがとう、銀龍」


髭をすいている指を止め、親父に言葉を放つ銀龍と呼ばれた御爺さん。

軽く頭を下げて礼を言っている親父を見ていると、どちらの方が立場が上なのかよく分からないが、やはり銀龍さんがここの長老ということなんだろうな。


「それともう一つ。流刃宰様の神としての復帰ですが…」


銀龍さんがちらりと虎鐡に向けた。

それと同時に虎鐡が一歩踏み出し、


「私は流刃宰様に復帰していただきたいと思っている。まだまだ教えていただきたいことが山ほどあるからな」


「そうですか。それでは流刃宰様の神としての復帰の手筈も整えておきましょう」


「流刃宰様、ばんざーーい!!」


虎鐡の力強い言葉に対して、素直にそれを受け入れる銀龍さん。

そして、それを聞いた瞬間に再び湧き起こる歓声。

結局、俺の心配は杞憂だったわけか…。

ここに居る誰一人として親父を非難する者はなく、むしろ再会できたことを心から喜んでいる人たちばかりだ。

これで親父は神としてまたこの世界に君臨するわけだ。


「では、この場はこれにて御開きとしよう。皆、仕事に戻ってくれ」


虎鐡の言葉に、一分程続いていた歓声も止み、聴衆の皆さんはそれぞれの持ち場に帰って行った。

広間には静寂が戻り、俺たちも部屋を後にした。


「よし、なんとか無事に終わったな」


親父が安堵の声を漏らす。


「虎鐡、皆を部屋に案内してくれ。私は少し銀龍と話してくる」


「分かりました。部屋の説明をしたら、鳳凰の間に向かいますので」


「あぁ、分かった」


虎鐡と事務的な会話を交わして、親父は銀龍さんに会うために再び縁側を歩いて行った。

俺たちは暫くその背中を見送った後、虎鐡に連れられて歩きだした。






「ここがお前たちの部屋だ。ちょうど四部屋あるから好きに使うと良い」


「おぉ、なんとも情緒溢れる…」


虎鐡に付いて数分歩いて行くと、四部屋が集まった小さい町屋みたいな場所に到着した。

昔の京都を思い出させるこの風景に思わず時間が止まったような感覚になってしまった。


「部屋の中にはトイレも風呂もある。着替えも用意しておいたから、それに着替えたら再び移動するぞ」


虎鐡が部屋の前で簡単に説明してくれた。

どれも同じ部屋なので、俺たちは適当に別れて部屋に入って行った。


いかがでしたか?

ご意見・ご感想御待ちしております!


さて、真の不安も杞憂に終わり、

無事に流刃宰が斬神界に復帰することができる。

そして、ついに始まる神による修行。

果たしてどんな修行が真たちを待ち受けているのか!?

次話をお楽しみに!!

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