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イタリアプリン

 ふらりと入ったサイゼリヤで、まったく期待していなかったのに思いがけず心を掴まれる瞬間というものがありました。

 それは――イタリアンプリン。

 メニューの片隅にひっそりと載っていたその小さなデザートに、なにかしら呼ばれるような気がして注文してみたんです。スプーンを差し入れたときの、あの手応えのある固さ。まるで自分の存在をはっきりと主張するかのようで、こちらの気持ちが少しだけ姿勢を正される。ところが口に運べば、その強情な質感が静かにほどけて舌の上でやわらかい影のように消えていく。

 その落差が、なんとも言えず心地いいんです。甘さも過剰ではなく、かといって物足りないわけでもない。ちょうど休日の夕日の光みたいに、すっと馴染んでいく。

 そんなプリンに出会ってしまったものだから私は思わず伝えたくなったんです。

 これはちょっと特別かもしれないよ と。

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