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幸か不幸か
くら寿司に行きました。
私は回転寿司でエビとサーモンしか食べない人間なのです。だから注文用のタッチパネルは一切使わなかった。
流れてくるエビとサーモンを無心で食べ続け少なくとも十皿以上お皿を投入した時にフと気がついた。あのビッくらポンの演出が一向に現れぬ。まるで私の人生と同じく祝福が訪れないのである。モニターを見るとセンサーが故障していたのか投入皿の表示は「0」のまま。虚無。
私は勇気をふりしぼり店員に訴えた。「少なくとも十皿は食べましたけどお皿の枚数が0のままです」と。だが店員は申し訳なさそうに「申し訳ありません、お代は結構です」と告げる。
私は思わず、「いやいや払います少なくとも10皿以上は食べました」と申し出た。しかし、それすら拒まれる。拒絶の嵐。しかも店員は「もしかすると当たっていたかもしれません」と言ってカプセル玩具を手渡そうとする。おお絶望的な慈悲! 私は慌てて首を振った。そんなものを受け取る資格は私にはない。
(ビッくらポンは受け取り拒否することに成功)
──これは果たして運が良い出来事だったのだろうか。寿司を食べたはずなのに、ただ胸に広がるのは喪失感ばかりである。ああ私は今日、金運が下がってしまった気がしてならない。




