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誕生日

 母からLINEが来た。「今日は誕生日だし焼肉に行こう」

──私は、愚かにも舞い上がった。

 この世にまだ、私を祝福してくれる存在が残っていたのかと。

 


 焼肉はすでに私の口中で踊り始めカルビとロースが手を取り合いワルツを踊っていた。

 ところがだ。

会計の場に立ったとき、母はまるで当然のごとく「ご馳走様、美味しかったよ」と

 私はまるで屠殺場に連れていかれる牛のように財布を開いた。

 お札が吸い込まれていく。私の未来も吸い込まれていく。

 なぜだ、なぜ私の誕生日に私が支払わねばならぬのだ。

──そのとき母が、ぽつりと呟いた。「私が産んだ日よ感謝しなさい」

 私は悟った。

 誕生日とは自分が祝われる日ではない。産んでくれた母に感謝する日なのだ。言ってみれば出産チャージ。今日この日に精算させられているのだ。

ああ私はついに理解した。

母の笑顔は眩しく、そしてどこか金貸し業者のように禍々しかった。

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