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幽霊ですが、出席番号3番です。  作者: つまようじ田村
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第5話:掃除当番にされてもホウキがすり抜けるんだが?


「じゃあ今週の掃除当番は……幽ヶ崎と真中なー」


担任の大島が、当たり前みたいに俺の名前を読み上げた。


「いやちょっと待て!ホウキ持てない奴を戦力にカウントすんなや!!」


 


透けてる俺に掃除させようとすんな。

物理干渉ゼロなのに「掃除」ってもはや拷問だろ。


 


「無念くん、一応これ持ってて」


真中志乃が、俺にホウキを差し出す。


「持てると思ってる!? 優しさの押しつけだよそれ!!

言っとくけど昨日、雑巾が俺の体すり抜けて風呂場に飛んでったからな!?」


 


でも俺は受け取ろうとした。頑張ろうと思った。


魂にもプライドはある。


 


――結果。


ホウキ、すり抜けて床に激突。

跳ね返って窓ガラスを直撃。


バリーン!!!


 


「わぁあああああああああああああああ!!!??」


「お前何してんだよ!!」

「いや違う違う違う違う!今の俺じゃねぇよ!?

俺が物理的に無理だって言ったろ!?

これはホウキの反逆!! 霊的に冤罪!!!」


 


その後、俺は


“風圧で窓を割る幽霊”


という謎の称号をいただいた。

スタンド攻撃かな?


 


それでも掃除は続く。


真中:「じゃあ、ホコリだけでも吸って?」


俺:「どうやって!? 鼻ないの!? ていうか“霊吸引機”じゃないから俺!!」


 


最終的に大島が登場。


「幽ヶ崎、お前だけ“気配で掃除”してくれ」


「意味がわかんねぇよ!!

“気配で綺麗になる”ってどういう世界観!?

俺、いるだけで除菌効果ある!? 殺菌ビームでも出てんのか!?」


 


ちなみに掃除後、教室の隅に落ちてたホコリが、

なぜか俺の背後でスーッと浮き上がって消えた。


「……あっ、これ気配で掃除してるわ」


「してるかァァァァァ!!!!!」


 


そんな感じで掃除は完了。


俺の貢献度:存在


 


「無念くん、明日は黒板消し係ね!」


「だからそれもすり抜けんだよォォォォ!!!

粉だけ空中でぶわってなるからアレ俺のせいにされんだよォォォォ!!!」


 


俺の青春は、今日も魂で働かされてる。


成仏の前に、労働基準法をくれ。


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