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幽霊ですが、出席番号3番です。  作者: つまようじ田村
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第4話:給食残すなって言われても、俺に配られてない件


「無念、おかわり行かねぇの?」


「まず配膳すらされてねぇんだけど!?」


 


昼休み。

俺の机の上には――


なにもない。


 


いや、正確には空気がある。俺も空気だけど。


 


「ねぇねぇ、今日のカレーめっちゃ美味しいよ〜!」

「大盛りいけるよ無念くん、遠慮しないで!」


「遠慮じゃねぇのよ!? 物理的にムリなのよ!?

スプーンも皿も透けてんだよ俺!!

食ったら床にカレー染み作るだけなのよ!?」


 


昨日、実際にやらかした。


スプーンすり抜け→カレー空中浮遊→教室騒然→

俺、“ポルターガイストの犯人”にされた。


 


で、担任の大島がやって来て。


「幽ヶ崎、ちゃんと食べろよ。残すなよ?」


「いやいやいやいや!! どこをどう見たら“食って残してる”に見えるの!?

俺がスルーしてんの、“食事”じゃなくて“存在”だからね!?」


 


「栄養バランス崩れるぞ」


「魂に!? 俺の霊圧にカロリー管理あんの!?

成仏できない原因、まさか“ビタミン不足”!?」


 


その横で、真中志乃がプリンを食べながら言う。


「無念くん、今日もスケスケで安定してるね〜」


「褒め言葉なの!? 俺が安定してるの、“存在感の薄さ”なんだけど!?」


 


さらに追い打ち。


「そういえば、クラスTシャツのサイズどうする?」


「着れねぇよ!? Tシャツっていうか、俺、服すら着てる扱いなの!?」


「透けてるからMサイズでいいよね!」


「幽霊のサイズ感ってどう測んだよォォォォ!!!」


 


昼休みのたびに俺の霊体が削られていく。

食べてもいないのに“食べたっぽい罪”を背負わされ、

服も着られず、Tシャツサイズで議論される存在。


 


……でも、まあ。


「無念くんってさ、いるだけでなんか面白いよね〜」


そう言って笑ってくれるやつらがいるなら――


 


俺は、明日も食べられないけど、教室にいるよ。


 


なお翌日――


「幽ヶ崎、来週の調理実習、カレー作るぞ」


「火、持てねぇって言ってんだろぉおおおおおお!!!」


 


魂のカレー、鋭意準備中。


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