第18話:俺、透けてるのにラブレター受け取ったことになってるんだけど!?
ある日の放課後、教室で――
「無念くん、机の中に手紙入ってたよ」
志乃の何気ない一言で、地獄の幕が開いた。
「手紙……?」
机の中を覗くと、そこにはピンク色の封筒。
ハートのシールで封がされていて、どう見ても恋文スタイル。
「いやおかしいだろ!!
俺、透けてるぞ!? 郵便受け機能ないぞ!?
このラブレター、幽霊郵送ルート使ってきたの!?」
志乃:「ついに来たね、無念くんにも春が」
「来てねぇし!ていうかこの場合、春じゃなくて“彼岸”が近づいてる気しかしねぇよ!!」
その様子を見ていたクラスの女子たちがざわつき始める。
「え、マジ?無念に!?」
「誰だろう〜!気になる〜!!」
「怖いけどちょっと応援したい感じある!!」
「いやなんで“心霊ラブコメ”路線に入ってんの!?
俺、恋愛より先に成仏の予定が立ってないんだけど!?」
そこへ灰島が冷静に一言。
「告白するなら……確かに幽霊なら断られにくいかもしれん」
「やめろォォォォ!!!
断れない=永遠に付きまとわれるリスクよ!?
それ、“結ばれる”じゃなくて“憑かれる”ってやつ!!」
そしてさらに追い打ち。
佐伯委員長:「ラブレターは校則違反ではありませんが、“幽霊への接触行為”については倫理的に調査が必要かと!」
「この人だけ規制の観点おかしくない!?
俺、道徳委員会の審議対象霊になってんだけど!?」
しかし、騒ぎが最高潮に達したそのとき――
椎名ひよりがぽつりとつぶやいた。
「……あ、それ私のかも」
全員:「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!???」
無念:「えっ!? ひより!? ちょ、マジで!?」
ひより:「あ、ううん違う違う!
私、隣の席の大島くん宛てに置こうとしたんだけど、
間違えて無念くんの机に入れちゃったっぽくて!」
無念:「逆ォォォォォォォ!!!
俺、ラブコメの主役から急転直下で“事故物件”みたいになったんだけど!!!」
結果、ラブレターは誤配。
ラブは生まれず、無念だけが“想われた男”のまま記録されることとなった。
「俺、今後“勘違いから始まる恋”のテンプレのバグった初期値として語られる気しかしねぇ……」
次回――
クラスの女子、無念に“恋のお悩み相談”を始める。
俺、人生(死後)初の恋バナ司会者になる日、来る。




