旅立ち
私が産まれた村は消えてしまった。
母は村が消えたと同時に死んでしまった。
食卓に並んだ食事を食べていると父に話しかけられた。
「ルヴェイン、家を出て旅に出ようと思っているかい?」
「うん、村を出ようと思ってるよ。ダメ?」
「ダメじゃないよ。ママからルヴェインに20歳になったら、渡す物があるから帰ってきてくれるかい?」
「うん、わかった」
ずずぅ、とスープを啜り頷いた私だった。
3年後の15歳になった日に、父から長剣を貰い、腰に帯刀した。
「お父さん、ありがとう!じゃあ行ってきます」
「気を付けてな、ルヴェイン!」
自宅の前で立つ父に手を振り、歩き出す私。
干し肉を齧りながら都市へ向かっていた。
獰猛な狼にあって襲われたが、長剣で対峙した。
道中にあった村で宿屋で泊まって寝泊まりした。
村で見かけた少年少女に自身を重ねることが何度かあった。
宿屋の天井を見つめながら母が私に遺した物が何なのかを思考する。
馬車に乗れたらもっと速く都市に辿り着けるのに、と口笛を吹きながらベッドで転がる。
いつの間にか寝ており、宿屋の外で馬が鳴くのが聞こえ、眠たい眼を擦りながら窓から外を見つめた。
馬が大人しく立っているのを見て、宿屋を飛び出した。
馬のそばに駆け寄って馬車の持ち主らしき見かけない人物に声を掛けた。
「ねぇおじさん、私をおじさんが住んでるとこまで乗せていってくれない」
「なんだ、お嬢ちゃん。どこの娘さんだい?」
先程まで会話をしていた中年男性に視線を移し、聞いた身なりの良い男性だった。
「今日、村に来たお嬢さんだよ彼女は」
身なりの良い男性に明日起きたらまた来てくれと言われ、宿屋に戻ることにした。




