3/4
一角馬
「ラレッゾぅ〜たぁーくさんお食べ。おまえの食事を邪魔する者はいないからね〜」
黄金の体毛に覆われた一角馬のラレッゾの鼻先を撫でる一人の娘が、声をかけて寛いでいた。
牧草をモソモソと食べ続ける一角馬が、ある果実を実らせた樹の周囲を囲むようにいた。
純白なワンピースを着ている娘は、ロモニエの木で造られた杖を牧草が生えた地面に置いていた。
一角馬は、その杖に見向きもせずに牧草を黙々と食べている。
娘は一角馬に乗ることが出来る。一角馬は神聖な生物で、彼女以外の人間は滅多にお目にかかれない生物なのだ。
ブリドル山の山頂の鐘楼に吊るされた巨大な鐘を護る守護獣が、一角馬である。
一角馬がブリドル山を降りて牧草を食べている理由というのが——である。
五十頭近くの群れで食事をしている一角馬は美しい。
一角馬が守護するその巨大な鐘は、ある資格を有した者にしか鳴らせない。
一角馬は、いくら娘が指示を出そうともロモニエの木の杖でしか動かない。
何処かの謂れでは、一角馬を産んだのは神々だというのがある。
ユニコーンは一角獣と表記しますが、こちらでは一角馬となります。
獣とするとなんだか意味合いが違ってくるので、あくまで馬の姿形で存在するのでこうなります。
獰猛な性格ではない生き物です。




