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プロローグ—ある者のよって起こされた惨劇

「がぁーっはっはっはっ!あやつは喰えんな。あんな大物(ばけもん)に手を貸すとはっ!あやつは破滅願望に身を蝕まれておるからのぅ……憐れなやつよのぅ、まったく。それにしても、あやつのような小物の意見にのるアレもあれだろう」

「ああ、まったくだ。ムンルトリックの野郎がしくじりやがったせいで、このザマだァ!誰が造りあげんだァ、このありさまの世界をよォ〜!」

唯一崩壊を防げたマラノトニーのアジトの会議部屋にむさ苦しい声がぶつかり合う。

向かい合い唾を飛ばし合うローブで身体を隠す中年男性と肘掛けににぎり拳を叩きつけ、憤りを発散する老人がいた。

「どんだけ残ってんだろなぁ、ナバァリュス」

「さぁなー。ワシらは身を隠すだけ。癪じゃがあの血統の者共に託すしかない」

「生きていれば、だろ。ガハハハ、アンタはいつまで生きれんだ?」

「おぬしが死んだ後も生きてるなぁ……ワシ。長生きしても退屈なだけじゃよ。龍奏笛が誰の手に渡ったかで、世界がどちらに転ぶか。そんなこと、ワシの長ったらしい余生の娯楽にならんわい」

「なーにがっ、余生だっ!!この長生き爺ィがぁ!!ガハハハッッ!!」


四方の壁と天井が壊れた会議部屋での談笑は世界全土が退廃した現在も続いた。



龍奏笛が鳴らされた10000年後の世界は、龍奏笛が鳴らされ退廃した世界のありさまを忘れていた。

ある大陸が消滅したことすら、知らない世界に——。


ある小さな村に——旅立ちを決意した小さき少女がいた。

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