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フォルティス家訪問から二日後

ー フォルティス家訪問から二日後


待ちに待ったステラからの手紙が届いた。

ミレイアのあの行動、荷物の件、少しでも手掛かりになることが書いてあるだろうか。


 

 先日はご訪問いただきありがとうございました。

 まずはクロード様がいらっしゃった日、お届けいただいた荷物のことからご報告いたします。


 実はあの日、フォルティス家に届いた荷物の宛名を見せてもらえませんでした。

 そのため、先にご連絡をいただいていた荷物は、なぜかミレイア様の侍女に持っていかれてしまいました。

 その後、お部屋に伺いその件を指摘すると、侍女が間違えたのだとミレイア様に謝られました。

 しかしお部屋に伺う直前、ミレイア様のお部屋の前にいたとき、中から会話が漏れてきたのを聞いてしまいました。

 その内容から推測すると、常にミレイア様が侍女に荷物を運ばせていたように感じました。

 部屋から聞こえた声は、勝手に贈り物の箱を開けたうえ、レイナード様を呼び捨てに、ペーパーナイフを悪趣味だと言っていました。


「なんだと!」

「まあまあ、続きを読もう」


 その翌日、ミレイア様の侍女がクビになっていました。

 なんでも、いままで勝手に荷物を開け、贈り物を盗んでいたことが分かったそうです。

 同日すぐに新しい侍女が来ました、背が高く大柄なハンナという女性です。

 翌日からは、そのハンナと毎朝一緒に荷物の仕分けをしています。

 まだ一日ではありますが、急にリリアナお嬢様宛の荷物が増えました。

 そして、その侍女から、前の侍女が盗んだというスズランのブレスレットを渡されました。

 箱は紛失しているけど、リリアナお嬢様あての荷物であったということです。


「ハンナ! あの女、余程ミレイアが信頼を置いている相手なのか」

「スズランのブレスレットはレイの夢のやつっぽいな」

「まさか本当に手元に渡っていなかったとは……」


一気に話が進んで目が回りそうだ、なんなんだ一体。

手紙はまだ続く。


 レイナード様からの贈り物である魚の形のペーパーナイフをお嬢様にお渡ししたところ、大変喜ばれ、センスの良さを褒めていらっしゃいました。

 現在、机の上に飾るようにして置かれています。

 朝日があたる場所でとても美しく輝いています。

 私ステラにいただいた刺繍用具一式も大変うれしく、お嬢様のためにたくさん活用させていただきたいと思っています。

 お菓子も大変おいしかったです、レイナード様にお礼をお伝えください。


「やった! 流石俺のリリアナだ、なあクロード」

「ああ、よかったな」

「もっと感情込めて言えよ」

「いいから続き」


そのあとは、リリアナのハチミツが美味しかっただの、一緒に食べた昼食が美味しかっただの、毎日楽しいだの、まるで惚気のような内容が綴られて終わっていた。


「ああ、ステラが羨ましい、俺だってハチミツ食べたい」

「甘いものは苦手だと前に言ってなかったか?」

「一緒に朝食をとることに意義があるんだ! はぁステラいいなあ」

「ああ、そうだな」


クロードが適当な返事をしたあと、封筒に小さく折りたたんだメモが入っていることに気づいた。

表には『クロード様だけ読んでください』と書いてある。


「なんだこれ、俺すっごく気になるけど紳士だから内容を聞いたりしないよ、はいモテ男さん」


クロードは何か言いたげな表情をしたが、メモを受け取り開封した。

数秒経った後、んーと小さな声を上げた。


「どうした?」

「ステラはしっかりしているよ、お前とミレイアの間に何かあるかもしれないから、このメモを俺だけによこしたんだろう」

「え、どういうことだ?」

思わず席を立ってしまった。


「『三カ月後にローデリック家に戻るなら、私と仲良くしておいたほうがいい』と言われたそうだ」

「なんだそれは、意味が分からない」

「でもステラは、二人の間に何かあるのかもしれないと不安になったんだな」

クロードがメモをこちらに渡してくれた。


突然ミレイアにこんなことを言われて、訳が分からなかっただろう……。

怒りなのか何なのかわからない感情が沸き上がり、思わずメモを握り締めてしまう。


「大丈夫だ、過去の馬鹿レイナードと俺は別人だ! 俺はリリアナを愛してる、絶対に結婚する、あんな小娘になんて惚れるはずがない!」

「ああもう、わかってるから、興奮すると声が大きくなるのやめろ、あと、こぶしも突き上げるな」


高々と突き上げた腕を、クロードに両手で下げられた。

はいはいと答える俺の手からクシャクシャになったメモを取り上げ、クロードは机の上の整理を始めた。


「とりあえず、俺は話を聞くだけだ、変えられるのはお前、レイナードしかいないんだからな。絶対に惚れんなよ」


俺は頷き、無言のままこぶしを突き上げると、またクロードに下ろされた。



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