4話‐7
「他の人達なら、あそこで伸びちゃってるよ」
残った男達が唖然とした表情で、アタシの指差した先にある男達の屍の山を見つめる。
まあ実際に死んでいるんじゃなくて気絶しているだけなのだが、それでも男達には充分効果があるようだ。
「どうする? 降伏するのなら、これ以上――」
「隙ありよ!」
……そういえば、まだボスが残っていた。
アタシは高台から放たれた光線を躱し、ジェネラルGの元へと飛んでいく。
「不意打ちなんて卑怯な手を使うんだね。まあ、それ位しないと貴方達じゃアタシには敵わないか」
「減らず口を叩くわね。……可愛い部下たちの仇よ! アテクシが直接相手してあげる!」
そう叫ぶとジェネラルGは、飛翔して迫ってくるアタシに対して飛び蹴りを放つ。
てっきり光線を放つと思っていたので、直接格闘戦をしかけてくるのは完全に予想外だった。
しかし、避けるのには問題ない。
蹴りが当たる寸前で躱すことに成功したアタシは、すぐさま反転して反撃に移ろうとする。
しかし、身体が急に重くなった事で上手く動く事ができなくなる。
「空を飛び回られると厄介なのよ。地上で相手してもらうわ!」
すれ違いざまにジェネラルGに足首を掴まれてしまった事でバランスを崩したアタシは、ジェネラルGと共に地上へと墜落していく。
「この……手を放せ!」
「いやよ! 絶対に放さない――待ちなさい!? 何をやろうとしているの!?」
放さないというのなら、仕方ない。
何とか体勢を整えると、ジェネラルGを振り落とす為に自身の体を回転させながら高速で飛び回る。
「やめなさいよ! 危ないじゃないの!」
「放してくれない方が悪い!」
結構な速さで振り回しているというのに、ジェネラルGは中々アタシの足首を放そうとしない。
……こうなったら、地面に叩きつける!
地上目掛けて急降下した後、ぶつかる直前で再び上昇に転じる。
アタシの足首を掴んでいたジェネラルGは、上昇に転じた際の遠心力で地面に叩きつけられる……はずだった。
「うわっ!?」
上昇しようとした瞬間、足首を引っ張られる痛みに思わず叫んでしまう。
足元に目を向けると、地面に叩きつけてやったはずのジェネラルGは無事に着地しており、アタシの足首を掴んだまま地上に引きずり降ろそうとしていた。
「アテクシを甘く見たわね。あの程度の攻撃で、このアテクシを――」
「颯花!」
ジェネラルGの背後に近づいていた一成が、アタシを助ける為に思い切りジェネラルGを殴って吹き飛ばす。
「颯花、無事か?」
「う、うん。大丈夫」
殴り飛ばされた衝撃によってジェネラルGはようやくアタシを掴んでいた手を放す。
……結構強く掴まれていたけど、痕にならないといいな。
「他の奴等はどうしたの! まだ残っていた筈でしょ!」
殴り飛ばされたジェネラルGは起き上がると同時に、一成に向けて叫ぶ。
「颯花が倒した男達の山を見つめて呆けていたから、山の一部になってもらった。余所見してる方が悪い」
「そうだね。一成の言う通り、それは余所見している方が悪いね。さて、これで二対一だけど、まだやるつもり?」
アタシの言葉を聞いたジェネラルGは溜息を一つ吐く。
「使えない部下を持つと苦労するわ。こんな所で使うつもりは無かったけど、仕方ないわね」
「いや、動くな! 大人しくしろ! 動くと撃つ!」
腕をジェネラルGに向けて突き出しながら一成が叫んだ瞬間、アタシは辺りが少し暗くなった事に気付く。
「危ない!」
一成を突風で吹き飛ばしながら一緒に後退した瞬間、アタシ達が立っていた場所を中心に砂埃が巻き起こる。
すぐさま風を操って砂埃を払った先にあったのは、十メートルを超える異形の機械だった。
三対の脚と二本の蟹鋏のようなクローが生えたアームを持つ蟹の様な躰から人間の上半身のような装甲が生えており、背中には胴体から生えている物を小型化させたような二対のアームが備わっている
「とうっ!」
ジェネラルGが掛け声とともに機械の上部のへと跳躍すると、上部に生えている人間の上半身のような装甲が開き、内部にジェネラルGが収まる。
「さあ、このマシーンクラブの力に恐れ慄くといいわ!」
ジェネラルGが叫ぶと共に、異形の機械……マシーンクラブがその脚を動かし、巨体に似つかわない機敏な動きで一成の元へと迫る。
「こ、この野郎!」
一成の操る装甲服から光弾が放たれるが、マシーンクラブには傷一つ付かない。
マシーンクラブは一成の攻撃を意に介す様子も無く、周囲の建物を破壊しながらアタシ達へと突き進んできた。
いつも私の拙作を読んでいただき、ありがとうございます。
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そういえば次回でストームガールは最後の投稿になります




