フラッグを狙え!
相手は丘の上で旗を立てていたが、死亡で退場したのが4人、攻撃を喰らっているのが3人いた。
「ほう。そっちは全員無傷?一体どんな手を使ったんだ?」
「フフン。秘密や」
「興味深い」
「・・・隊長。ちょっと偉そうに、何か見栄きって、ほら」
「ええ?そう言われてもなあ」
「チッ。腕組みして。そう。
会いたかったよ、ヤマト――じゃない、騎士団の諸君」
作り声で菜子がアテレコしてみる。
「反応なしかい!」
「うわ、ダダ滑りやん!」
「残り時間は10分か。このままやったら、人数の多く残ってるこっちの勝ちやな」
「させると思うか?」
敵の無傷の男が、そう言って笑い、いきなり突進して来た。
その剣と打ち合うのは、ルウム兄だ。ルウム弟は、サポートの隙を窺っている。
「行けえ!」
2番目に強そうなのは、ジーンが受け、ミスラがサブに付いた。皆練習用の模擬刀だが、迫力は本物だ。
この敵2人は本当に強そうだ。
残る2人も、他の2人に比べると普通という感じだが、十分強いのはわかる。
「卑怯な手はもう使えないし」
「ロレイン、卑怯ちゃう。頭脳プレイや」
「ようし。私が突っ込んで来よう」
「待て、待て、待て。
そやなあ。皆向こうは剣か」
「何か、浮かんだんか、真矢」
「まあな。
ロレイン。飛び道具はあかんでも、飛ぶんはかまへんよな」
「え?そりゃあ、ジャンプは禁止じゃないけど?」
「じゃあな」
ゴニョゴニョゴニョ。
「わかった。行こか」
「では。
特務隊三連星!ガンダムネタ!」
こちらに近い方の敵に、向く。そして徐にロレインはしゃがむと、手のひらの上に菜子を乗せ、そちらにぶん投げた。
ひらひらと上着の裾を広げながら菜子が飛んで行く。
「隊長をいじめる悪い人」
敵は剣を突き出して来るが、菜子が十手でガッチリと挟んで動かせない。
と、その後ろから近付いていた真矢が、血のりをドパアッと垂らして笑う。
「ゲッ!?」
流石にびっくりしたらしい。
「赤いのは性能が3倍やねん」
攻撃を3発入れると、敵は瀕死になった。
そこへ、フードを被ったレスリが迫る。
「死ぬぜえ。俺を見た者は、皆死ぬぜえ!」
「うぎゃああ!!」
そして、そいつは死んだ。
「よっしゃあ!」
レスリも嬉しそうだ。
「レスリにしては長いセリフやのに、ようやった!」
敵2人とやり合う4人は善戦しているようだが、 どうも、隊長の相手のボスっぽいのが強そうだ。
「旗、取ろか」
敵の旗の方を見ると、そいつはもう瀕死で、一発でアウトになりそうだ。
「ロレイン、やっちゃって」
「おお!」
「――!」
ロレインは嬉々として突撃して行った。
「とったどーっ!!」
そして、終了のサイレンが鳴る。
「まさかの伏兵だったな」
苦笑しながら、ボスっぽい人とジーンが握手をした。
そして、特務隊のメンバーは、王子の前に並んだ。
「おめでとう。
いやあ、何て言うか・・・物凄く馴染んで生き生きとしてたね。逞しいねえ、異世界の、日本人は」
「はあ。どうも・・・」
ジーンは困ったような顔をしている。
そこで、言っておく。
「日本人がというより、大阪人やからとちゃうかな」
「大阪のおばちゃんは、世界最強のリーサルウェポンやからなあ」
「あはははは!」
トレイス王子は朗らかに笑いだした。




