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事故とは互いにとって大抵不幸なものである  作者: JUN


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合コンの数合わせの意味

 頭痛をこらえるようなリン姐さんは何とか立ち直り、揃ってその店を目指す。

「言ったけど、幹事は知り合いの幹部公務員よ」

「キャリア官僚みたいなもんやな」

 真矢と菜子はそう理解した。

「顔面偏差値はまあ悪くないわよ。ちょっと根性が悪いけど」

「ええーっ。それ、どうなん?」

 リン姐さんは笑って無視した。

「どんな人を連れて来るかしら、っと」

 小じゃれた店のドアを開けると、長いテーブルの片側に並んで座る男4人が見えた。

「真矢、わかったわ。『最後の晩餐』の構図の秘密」

「なんなん?テーブルの片側にずらーっと不自然に並んでるヤツやろ?」

「合コンで、相手を待っとったんや」

「いや、ちゃうやろ」

 4人に気付いて、端の1人が立ち上がる。スラリとしたイケメンというやつだ。

 と、他の3人が振り返り、イケメン以外の男女全員が固まった。

「なんで、お前ら・・・」

 ジーン隊長が声を絞り出し、隣でミスラ副長が、

「終わったね」

と爽やかに、諦めた顔で笑う。

「という事は、これはただの飲み会だな!」

 そう笑うのは、ルウム兄だった。

 リン姐さんは、崩れ落ちた。

「・・・何でよ・・・」

「まあまあ、リン姐さん。そもそも数合わせというのは、自分よりちょっと下の、自分を引き立ててくれそうなのを持って来るもんやろ?」

「辛辣やな、真矢」

「正しく現実を分析してるだけや。

 根性の悪い幹部公務員に友達がそう多いとも思われへんし、こんなオチやで」

「おい、ちょっと待て。何か引っかかるぞ、真矢」

「あはは。ジーン、いいじゃないか。僕達は腕利き揃いだけど変人揃いって言われてるんだし」

「ミスラ・・・いいのか、それで?」

 その向こうでは、リン姐さんが根性悪に掴みかかっていた。

「何でこのメンツに声かけたのよ!職場の人って言ってたわよね!?」

「俺は騎士団に所属している。職場だ。嘘はついていない。それより、『根性の悪い幹部公務員』とは俺の事か。貴様、何という説明をしやがった」

「それこそ、嘘はついてないわ」

「もうええやん。始めようや」

 菜子が言って、ルウム兄とロレインが嬉々としてなぜかストレッチを始めた。


 すでに合コンと言って想像する雰囲気とはまるでかけ離れた雰囲気で、飲み会は進んでいた。

「とんだ合コンだわ。おしゃれの意味ないじゃない」

「まあまあ」

 やさぐれてトラになりつつあるリン姐さんを、ロレインがなだめる。

「でも、合コンで猫かぶって付き合いだしたら後がしんどくない?」

「そこはお互いにわかってるやろ。ある程度は猫かぶってるって」

「え、そうなん?真矢はそう思うん?」

「最初からありのままいうんは幻想や。

 考えてみぃや。例えばこの人、見た目はシュッとしたイケメンで幹部公務員やん。根性悪って知ってたら寄って来るか?」

 根性悪が、ワインにむせた。

「厳しいな。割り切りができるかドMかやな」

「やろ。変態マザコンでも、見た目が松坂桃李で本性隠しとったら何とかなってまうやん」

「それが合コンか」

「そうや」

「つまり、狐と狸の化かし合いやな」

「そうや。まあ、夫婦生活もそういう人もおるけどな」

「人生丸ごとガラスの仮面やな」

 ジーンは遠い目をしていた。

「もっと、夢を持ちたい・・・」

 ミスラは話題を変えた。

「それより気になったんだけど、それ、何かのまじない?」

 硬貨の束を見ている。

「これな。『銭形平次』いうドラマのな」

 菜子は、銭形平次について説明した。

「へえ。事件解決に金銭をばら撒くのか?」

 ジーン、ミスラ、根性悪が奇妙な顔をする。

「賄賂とはちゃうねん。武器や」

「これがホンマの実弾やな」

「金を武器にするとは。平次親分はよほどの金持ちか」

「ああ・・・物凄く安いお金やねん。それに、後で拾ったんちゃうかな」

「え、拾ったん?何かがっかりやわ」

「そら拾うやろ。岡っ引きいうたら、それだけでは生活が苦しいから副業もしてたんやで?1円を笑う者は1円に泣く。無駄にはせえへんやろ」

「まあなあ。ドラマでそこまで書けへんけどなあ。視聴者、がっかりやで」

「見せたらあかんもんなんて色々あるで。物語のエンディングの後とか、舞台裏とか」

「確かに。それは隠しとくもんやな」

「やろ。スーパーマンが電話ボックスで着替えてるとこ、見られたら捕まるやろ」

「そう言えば最近は電話ボックスが減ったし、テレビ的に困るなあ」

「電話ボックスを更衣室代わりに?頭おかしいんじゃないの?変態?」

 異世界人達は、揃ってそう言い立てた。






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