やっぱり! ドMでナイト!!
すいません、完全にやっつけです。
最後面倒臭くなってやめました。故にかなり不自然ですが、見逃してやってくださいorz
ここは剣と魔法の世界、ビーエルランドにある小さく美しい国、その名もヤオイ王国。
今正に、今年18になる美しいこの国の姫、リリー王女の婚姻相手を決める決闘が始まろうとしていた。
「来たなカルロス! 今日こそはギッタギタに叩きのめしてくr……じゃねぇ、叩きのめしてやる!!」
「ここで会ったが百年目です、ガイザー! 剣叩き折って、犬にしてくだs……差し上げます!!」
数多の戦場で武勲を上げ、国王からの信頼も厚い二人の若く美しい騎士が、姫を懸けて闘技場の中央に対峙……しているのだが。
「もし俺が負けたら鞭で目茶苦茶に叩いてもいいぞ!!」
「否、俺も負けましたら靴の底をも舐めてみせましょう!!」
しかし何故だか、二人の騎士には破毀が感じられない。それは、リリー王女が器量のみが優れただけの浅はかな人間である事だけが原因なのではなく。
―――ガイザーって目茶苦茶いい筋肉付いてますよねぇ、アレに殴られたりしたら本当にヤバいですよ、俺興奮して2、3発でイっちゃいますよ! ハァハァ……あぁ、不味い、勃ってきました。
―――カルロスの顔ってマジドSだよなァ、メガネとか反則だろ。靴底で頭踏み付けられながらあの人を見下した瞳に射竦められてこの変態とか言われたらマジヤベェよぉ……! ハァハァ。
つまり、なよなよしており世間知らずでかなり対人能力に欠けている姫は、彼らの「ご主人様」足り得ないのであった。
「早くおっぱじめようぜ! 無理矢理ぶち込んでくれても全然問題無いぜ、むしろ気持ち良いから!!」
「言われなくとも! 人がいる前で緊縛されて暴言吐かれても全然興奮出来ますから!!」
二人は自分が負けたいが為になかなか試合を開始しようとしない。
「なにやっとんじゃ、貴様ら! 早く始めんか!!」
そろそろ業を煮やしてきた我等が王様。しかし一旦スイッチの入ってしまった今の二人にはそんな言葉さえ興奮の原因にしかなりえないのであった。
「ああ、偉大なる我が王! ……ハァハァ。」
「一生付いて行きます!! ハァハァ。」
「………否、気持ち悪いから拒否。」
その数々の武勲も実はこのドM加減が幸いして得られた物であると薄々感付いてきた王。泣く泣く娘との婚姻を諦めたのであった。
「………カルロス、貴様の……否俺のせいだ。精々蔑むが良い。」
「否、ガイザー、貴方は悪くありません。むしろ事の非は俺にあります。さあ、思う存分殴りなさい。」
余りに酷いドM加減が国中に知れ渡ってしまった二人。
所属していた軍をも追われてしまった彼らは、新しい人生の一歩を共に歩み出していたのであった。
「ああ、何処かに俺のご主人様になってくださる方はいらっしゃらないだろうか……!!」
「ああ、いいなぁ、ソレ。……俺はむしろカルロス、お前が……否、モゴモゴ。」
「何ですか、ガイザー? 漸く俺を蔑む気にな……、モゴモゴ。」
しかし何故だかここまで行動を共にしているにも関わらずお互い同族である相手にそういう気を起こしていることに気付いていない様子の二人。
興奮の余り時々本音が出たりしているのに何故。その理由は、単純に余りに自分の中のナニかが高まり過ぎた結果、周りの声が一切聞こえていないからである。
「ああ、国境が近付いてきました。」
「良いご主人様がいると良いな。ハァハァ。」
「……ええ。ハァハァ。」
関を前に突然興奮しだした二人。果たしてこの先大丈夫なのか。
―――き、きんにくっ! い、いまピクピクっでしませんでしたか!? ああ、首絞められたいですっ!
―――敬語メガネ! そういや敬語もメガネも鬼畜攻めの代表格じゃねぇか! あーマジ鞭でシバかれたい!!
相思相愛に気付くのは、いつか。
………つづく?