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暇潰し  作者: 二月満
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幼馴染


美形な方の片思いが好きです。狂愛とか好きでs(黙れ


こういうところに差が欲しいので美形×普通又は普通×美形が好きです。


……お前の好みなんて知らない?


さーせんっした。




俺とアイツは、幼稚園児からの付き合いでそれこそ夜寝てる時以外は常に行動を共にしてお互いの親よりも相手の事理解してて何をするのにも相手がいないと全然駄目で隠し事は無しみたいな在り来たりな約束なんてしたりして、そんな何処にでもいそうな幼馴染。


「……だったんだけどなぁ……。」


俺は深い溜め息を吐いた。もう、幼馴染君とは一か月は口利いてないし、一週間は見てすらいない。それはアイツの家が俺の家より駅から遠いってのもあるんだとは思うんだけど。


「何でだよ……学校同じなくせによぉ……。」


俺等は青春も真っ盛りなこーこーせー。受験の時相手の方が頭良くってでも一緒に居たかった俺はかなり無理して今の学校に入ったから、成績は正直言って下の方。ケツから二番三番は当たり前。でも、それがアイツと一緒にいられる理由にもなったりして。


「会いてぇ……。」


寝転がったベットの上布団を握り締める。最後に見た、満面の笑みを思い出そうとしてみる。


高校に入学してから、俺等は変わった。趣味や、見た目。性格までも。俺は少し派手目の今時なギャル男(死語?)。アイツは有触れた、取り敢えず周りに合わせてみてはいる、って感じ、軽いワックスにちょっとだけ腰パン、みたいな?


掴んでいた布団をそのまま腕の中に抱き込む。性懲りもなくメール受信ボックスを眺める。不意に「メール受信中」の表示がでて、左胸の奥がざわついて、そして届いたメールを確認して落胆する。


暇な日曜なんて、いつもこんな感じ。


「あー、あーあーあー……。」


意味も無く喚いて、そしたら昔みたいに呆れた顔した彼がすぐに飛んできてくれるんだと、まだ心の何処かでは期待していて。


だから俺はむちゃくちゃに暴れてやって、でも結局はそれが更に俺達の間を広げていっていて。


「うー……。」


ずっと前、苛められてたハーフのダチ助けた時に「綺麗じゃん」って言ってたの思い出して染めた金髪を指の間に掬う。


おかしい?


俺はおかしいのか?


ゆっくり布団を放してベットから下りる。昨日行きずりで何故か喧嘩した痕が今になって痛んだが、無視する。


机の奥から、ノートの束を取り出す。日記。部活すら続かない俺が、ガキの頃から唯一続いている事だ。でも、最近は余り書いていない。昔のページをペラペラと開いていく。


書いてあるのは、彼の事ばかり。誰にも見せた事の無い、俺だけの秘密。彼との約束、思い出。


いつも開くのは、同じページ。一番ボロボロなノートの、一番始めのページ。まだ幼い彼の字。まだ、あどけない文面。


自然に頬が緩む。


「大好き、だってさ……。」


満足してる訳なんて無い。でも、これ以上望むべきではないのだ。


 


 


 


「でさー、アイツ、何て言ったと思う?」


「死ね、とか?」


「バーカ、ちげぇよ、死んじまえ、だよ。」


「どー違うんだよ、バカ。」


わははは、と低俗だとも言える笑いが、教室の隅から溢れる。勿論、俺もその輪の中にいる訳で。


「なー啓悟。今日帰りカラオケいかね?」


誘われれば断る理由なんか無くて。否、少し前まではあった。校門で、待ち合わせてる人がいたから。


「いいべー。あ、でも金ねぇー。奢ってぇ〜、お・ね・が・い?」


「きめぇ! ぎゃはは、なんだお前!!」


「うっわー、俺傷付いたー。超傷付いたー。傷モノにした責任とれよー!」


「犬並みで良いなら全然ウチ来い!」


「お前ん家とかせめぇ! 啓悟やめとけー。」


「端からお断りよ!」


「ぎゃはは、フられてやんのー!!」


楽しくない事もない。でも、満たされないのも事実だ。


俺の隣りに彼がいて、少し笑いながら軽く手を、握ってくれさえすればいいのだ。俺の単純な心なら、きっとそれで満足する。


繋いでいるツモリ、の右手が無意識にかピクピクと動く。話しながらも片時も手放さないケータイの画面が、ブラックアウトしている事に気付いても。俺は懸命に彼の姿を探している。授業選択の関係で、この教室の前を通ることはないと、分かってはいるのだが。


「……だりぃー。俺今日フケるわぁ。」


「マジかー。お前単位大丈夫かー?」


「んー、まぁ何とかなるっしょ。」


「いやー、お前じゃ無理だべー。」


「お前良い勝負のクセに黙ってろよ! じゃーなぁ。」


「おー。じゃーな啓悟ー。」


 


 


 


こんな日は、よく彼が来てくれていた。


それは、ほぼ小言に近いものだったが、俺にとってははそんなものでも何でも良かった。


また、布団の中で俺はノートを開く。アイツからの唯一の愛の言葉なのだ。手放す事なんて出来ない。もしかしたらこれは俺の精神安定剤の役割を果たしているのかもしれない。


一緒に、メールの受信履歴を見ていく。彼の言葉が、そこには溢れている。


それ等を、俺はとろん、とした瞳で一文字づつ、丁寧に読んでいく。


ああ、彼に会いたい。


ああ、彼に会いたい。


あの髪は、最後に触れた時の様に柔らかい侭なのだろうか。あの頬は、最後に触れた時の様に滑らかな侭なのだろうか。


あの手は、最後に触れた時の様に温かい侭なのだろうか。


きゅう、と、胸の奥が絞られる。


彼の声が、頭の中で何度も再生される。


ああ、会いたい。


すぐに、すぐに会いに来て。


俺に会いに来て。


でないと、俺、壊れちまいそうだ。アンタのために作った外面とか、中身とか、何もかも全てが。


「……好きだって言ったくせに。」


「…………大好きだって、大好きだって言ったくせに……。」


笑顔も、ピースサインも、一発ギャグも、金髪も、黒いブーツも、ピアスも、リングも。


なのに、アンタは俺に会ってくれない。


嫌いになった? 誰よりも分かっててやっただろう?


何故? 理由が欲しいんだ。


ああ、貴方に会いたい。


只ほんの少し、髪を梳いて貰うだけでも。


……ぴーんぽーん……。


……?


「啓悟ー? お前何で早退なんてしたんだよー?」


………!!


「啓悟ー? いないのか?」


ああ、来てくれた。


俺に会いに。俺の頭を撫ぜに。俺と手を繋ぎに。俺とキスしに。Hしに。


ああ、貴方は来てくれた。






………今日こそは、帰さない。




 



幼馴染君はどうなっちまったんでしょうね。


普通君目線も書きたいです。


取り敢えず思い付いて1時間で書き上げたんで変な箇所多々あるとは思いますが見逃してやって下さい。


取り敢えずおやすみなさいまし。



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