彼女と出会い厨
休み時間。教室の中を見渡した。
彼女が今まで貰った菊の花が窓際に置いてある。至っていつも通りの日常だ。おそらく…。
少し気になるのは、窓際の奥に座るクラスメイト。彼女は笹川さんと言うのだが。
「笹、今日デート?」
「うん、デート」
そこの話だけを聞くと何だか微笑ましい気もするのだが。
笹川さんの彼氏って人が僕の近所の家の人じゃなければね。いや、まだ同い年とか大人だけど独身なら良いんだよ。
妻子持ちなんだよね。奥さんは良い人だよ。自分も働いてるのにご飯作って掃除して、それから娘さんのお迎えにいって。
うちのお母さんがすごく誉めてた。なのにかな。
「ねぇ、笹川さんの彼氏って家の裏の村田さん?」
今日は彼女と弘瀬君に人形を渡しに行こうとしている最中だった。唐突に彼女が言い出したのだ。
「そうだけど…」
よくバレないものだ、と少し感心する。
「彼女、恋愛依存症だから大変そうね」
恋愛依存症って、出会い系サイトとかで人に交際目的で会ってばかりの人の事?彼女に聞く。
「まぁ、そんなものかしら?」
自分は不幸だと嘆いて他人から愛をもらう人の事でもあると彼女は言った。
不幸だと思っているだけで大して不幸ではないのにな。そういう人に限って。
「しかし、春菜さん可哀想ね」
「だね」
あんなに毎日頑張ってるのに浮気されてしかもそれが未成年だなんて。
「世の中の理不尽ね」
頑張ってるのに報われないし。女の人が頑張りすぎると旦那はバカなことするし。
彼女が言った。
「幸せな子供は不幸を嘆いて愛をもらうわ」
どうして人はこんなにも愚かなのだろうね?
そうだね。愚かだね。そう彼女に答える。
しかも欲のために未成年に手を出したのだろう。捕まるがな。バカだな、村田さん。
「そんな世界も最高だわ」




