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彼女の夢
この時期になると自分の将来について書かなければならない。
僕は、いったいどんな道に進めばいいのか。そんな思いが頭の中を占めている。
得意な教科は、数学とか化学とか理系。だけど、本を読むのが好きだし。そうなると文系の学校の方が良いと思う。
「君は、決まったの?」
進路の紙を見つめている彼女に言う。
「決める必要はないわ」
─風の吹くままなるように──
彼女の紙にはそう書いてあった。いかにも彼女らしいけど…。
「私は、世界を愛しているわ。」
だから、進路で視野を狭める必要なんてないの。広い世界を見続けたいわ。
そう言って彼女は教室から出ていった。
少ししてから男のどなり声が聞こえた。あぁ、きっと彼女なだな。あの先生を怒らせるのは彼女しかいない。
まぁ、でも。
少しは彼女に勇気を貰ったかな。
ペンケースからボールペンを取り出した。
そこに僕の進路を書く。
もう少しふらふらしていたいな。まだ、やりたいこともやれないことわからないから。
─未定─
そう書いた紙を持って僕も教室から出ていった。




