底の浅さを露呈するだけの解説 その3(五期・六期)
~ 絶殺の暗獄 ~
終わった今だからぶっちゃけますが、この辺りになると世界観の設定に困った挙句……サガⅡをモチーフにしました。
キャラクター選択の四種……にんげん、エスパー、メカ、モンスターというヤツですね。
ただし、性格が捻じ曲がった私がそれを真っ当に描ける筈もなく……蟲に頭脳を寄生された自称「にんげん」、聖樹に浸食された「エスパー」、本体が冷凍保存中の「メカ」、遺伝子改造でフレンズとなったモンスターと、まぁ、ろくでもないことを思いついたものです、我ながら。
そうなるように『爪』の設定を描いた……訳ではなくて、この辺りの設定を描いたのは、実のところ四期のラストバトルを描いている最中なので、上手く繋がっていて伏線が上手いなんて万が一勘違いされた方には非常に申し訳ありませんが、後付で何とかつじつまを合わせたのが正解です。
まぁ、肆・伍間章書いている頃にはそれっぽい後付出来たので満足していたものですが。
だからじゃないですが、人類の守護者は防衛システム……めっちゃパクり、もといリスペクトで。
そして、名前がクソ長い爺(私もまだ名前を憶えてはいない、常にコピペ)をチェーンソーで斬り殺すまで、完全にサガシリーズへのリスペクト、というかオマージュを突っ込みました。
ちなみに、地下世界自体は当初……六期出来るぜ~って自分で勝手に宣言した頃からありました。
正確には、あの当時思いついていたのが「腐泥世界」「空世界」「炎の世界」「海の世界」「地下世界」……要するに、ファイナルファン○ジーⅠの土のカオス、風のカオス、火のカオス、水のカオスのステージにⅢの闇の世界をぶっこんだだけなんですが。
今考えると、この適当な思考回路でよく七年も書けたものだと我ながら……
まぁ、それは兎も角。
それもいきなり火の世界を砂漠世界に変えるという暴挙で、全く意味をなさない設定となり……
で、この五期で地球を滅ぼすことにしたので、使わなかった世界は六期で在庫処分する方向で。
ちなみに、地上に出てそこが日本だと知るシーン……最初は自由の女神でやるつもりでしたが、幾らなんでもパロディが過ぎるだろうと思っていた頃、2chで「なんてことだ、ここは水戸だったのか」というAAがあって、それをぶち込んでやろうと画策。
それじゃ分かる人にしか分からないので、日本語のパーキングエリアとか放り込んで、何とかどっちでも分かるようにしたものです。
個人的にこの世界を書いていて楽しかったのは、フレンズ……もといモンスターたちのDNA配合。
極端な世界で生きていられるように科学者が試行錯誤したという設定で、生命体として尖った性能を持つ生物を探したものです。
真っ二つになっても二体に分裂するプラナリア、絶食で凄まじい年月を生きるダイオウグソクムシ、大量に増えてコロニーを形成するオオクロアリ、水のない砂漠で生き続けるモロクトカゲ。
そして、エスパーのなれの果ての肉林に、心臓の破片から復活した女神に、人類の人格とDNAをデータ化したメインコンピューター。
最終世界のつもりで書いたので、かなり趣味が前面に出たキワモノなSF世界観となってます。
……いや、私はSF好き、というかSF書きがメインのつもりなんですよ、実は。
ファンタジーの方が楽に書けるし、そっちも十分に好きなのでそちらに重心が傾いていますけれど、処女作と二作目はしっかりとSF書いてましたし。
この世界のテーマは総集編なので、ンさんの総評……「矛盾の塊」という単語が出ます。
ぶっちゃけ、バッドエンド宣告みたいなものです。
ふらふらと軸がブレ、欲しいモノが何かも分からないまま暴虐を振るう主人公を指摘されて逆切れ、といういつものパターンですが。
実は誰でも気付かないだけで矛盾を抱えているものですから、それを肥大化させた主人公という作品全体のテーマを色濃く書いた、ある意味で最終回にしても良かった世界でもありました。
が、自分で六期までやると宣言した以上……そしてそれを誰も覚えてないかもしれませんが、自分が覚えている以上、六期まで頑張ろうと奮起し……
プロットすらなかった六期に突入する愚行を犯します。
……ええ、本当にこの時点では全く何も決まってなかったんですよ。
お蔭で半年ほど冷却期間を……いや、流石にこのンディアナガル殲記ばかり書いてて飽きたので、別のを書きたくなった訳なんですが。
結果、思いついたのは、ちょろちょろと在庫世界を処分しながら考えようと……我ながら酷い行き当たりばったりですね、はい。
この世界でかかったのが一年と三か月……15か月でした。
ラストに、この当時で思いついた最悪最低のエンディング……創造の力を奪ったものの、何も創れずに嘆くエンドを持ってきたのは、かなりえぐい発想が突如として舞い降りてきたからです。
この作品を描く上で、この天使が舞い降りてきた……悪魔の可能性も高い訳ですが、コレ系の最悪の発想は出来るだけ取り入れるようにしております。
その所為で脳内プロットが壊滅すること、多々……というか、普通に何度もちゃぶ台をひっくり返されて、作品が行き詰ったらどうしようか悩んだことも。
結果、上手く行った訳ですから、それで良いんでしょうけれど。
~ 破壊と殺戮の神 ~
半年の冷却期間中に思いついたエンディングは大体七つくらい……しかも、某半端なチートの作者がやってたエイプリルフールネタを真似てみようと考えたのも追加して、な訳ですが、それが以下の通り。
Aルート:星々を見上げながら誰もいない世界で色々と呟いて自害する。
Bルート:宇宙を彷徨いながら考えるのを止める。
Cルート:今まで主人公の憎悪を喰らって成長したンディアナガルが肩から生えてきて、それを殺すために異世界を旅する。
Dルート:全ての力を失って、自分の内部で今まで殺した連中と殺し合い続ける。
Eルート:ンさんが新たな世界の起点となる。
Fルート:今まで殺した相手の感覚を共有し、殺した数だけ死の苦痛を味わい続ける。
Gルート:新たな宇宙開闢後、邪神として召喚を受けて新世界でまた殺し続ける。
ぶっちゃけ、Aは「流星かな? 流星はもっとぱーと」と某Zな感じの自我崩壊ルートだし、Bはカーズ様のパクリだし、Cはシャガクシャと白面誕生のパクリ、Dルートはアーカードのラストのほぼパクリだし、Eルートに至ってはイデの導きとか言い出しそう(この時点では見てなかったんですけどね、イデ)。
Fは夢オチっぽくてダメだろうと断念し、Gに至っては「貴方が私のマスターか」というラスト台詞……はい、Fateパロです。
はい、もう完全に方向性を見失っていました。
だから、考えたのです。
……最後以外、全部、混ぜちまえ。
結果、宇宙を彷徨って全てを滅ぼし、自我崩壊して自害、自分の内部でンちゃんが生えてきて新たな世界を導こうとして、創造の力を失った主人公は屍の中を延々と彷徨い、殺した数の死の苦痛を味わうまで終われない無間地獄エンドという、ある意味では一番酷い終わり方となった訳です。
この頃、仏教についての逸話を調べていて、阿頼耶識とか無量大数とか凄まじい単位の数値を使いたいなぁという欲求があって、まぁ、ちょいと数を盛り過ぎた感はありますが。
とは言え、六期を書き始めた時点ではまだ最後は決まってなかった訳ですが……取りあえず、在庫世界を書き進めつつ、後は行き当たりばったりにするとして。
自分の思想として「殺人の罪は命で購え」ってのがあったので、今まで殺した数は死んで後悔するルートは確定させようとかなと。
結果、生まれたのが海物語(適当にこう読んでる。パチンコやらないので中身は知らない)の破壊神の能力「今まで奪った数だけ生き返る」という酷い能力です。
そして、一つ目の世界である海物語は、某FF6の世界崩壊後っぽい感じに、老人と共に魚を釣って暮らす物語を書き始めました。
最後、ヒロインがヤンデレした以外は予想通り、理由も分からない滅びがじわじわ迫って来る、誰一人として殺さずに世界を滅ぼす物語が描けました。
二つ目の世界は、石になる風が吹く世界。
実のところ、浮遊世界で風の属性を書いた気にはなってましたが、腐泥の世界は土というより陰陽五行で言うところの木っぽいし、風も浮遊世界では今一つ書けてなかったので、その二つを混ぜてやろうと……
いや、ぶっちゃけて言うと。
仕事の最中に、コンクリートの粒子が舞って飛んできた時、コレ、もろに浴びたらコンクリートで固まりそうだなぁって思ったのがこの世界の概要を思いついた理由です。
後はいつもの通り、ヒロインを配置して……ヒロインよりも少年の方が出番が多くなってしまいましたが。
ボスがカマキリだったのは、単純にその現場でカマキリを見たから、です。
後はかなり適当なのですが、今までの世界を喰らい、書けてなかった火の属性をもっと炎を前面に出した和風世界……江戸の大火とか、そういうイメージで。
次は、木火土金水で言うところの金属性と言うことでスチームパンクっぽく、次はもう思いつかなかったので、適当に西部劇のウェスタンっぽく……まぁ、ボスだけは某モンハンの角龍が地上から襲い掛かってくるのをイメージしてます。
そして、この辺りでもう異世界続けても飽きてくるだろうなぁという確信から……まぁ、書いている方もネタが尽きてきたので、ファイナルフロンティアである(デュアル・ぱられるんるん最終話より)宇宙へと旅立ちました。
そこでは何もかも一撃で粉砕する主人公の視点よりも、コズミックホラー要素を出したかったので、被害者側で弱火でじっくりって感じの描写を心掛けました。
色々なSF要素を詰め込んだのは、SF書きとしての矜持……という訳でもなく、単にそれっぽい単語を思いつくがままに突っ込んだだけです。
まぁ、元々そっちなだけあって、思いつくのも早い早い。
ほぼこのシリーズは悩まずに書けてます……残業以外は。
次には、その被害者視点と主人公視点とを重ねて……まぁ、これほど主人公の価値観が壊れてるってのを表したかったので。
なろうではあまり好まれないというSIDE描写ってヤツですが、価値観がこれほどぶっ壊れてて、しかも軽く二周目くらいなら許されるかなぁと。
こうしてようやくたどり着いた最終章。
ここまで書けると流石に最終形が出来ていた……訳もなく。
ンちゃん登場と、求愛、そして決断までは書けてました。
今まで埋め込んでいながらも書けてなかった伏線……不滅の心臓関係と、勝手に動く手、そして主人公の攻撃が自分には通用する点。
これを解消させるべく、必死に練り込んで練り込んで……まぁ、最期の方までは問題なかったんですよ。
問題だったのは、最終話。
ここで……一度は書けていたエンディングを一から完全にやり直しました。
結局使えたのは最期の台詞だけ、というほどの改稿です。
ラストは毎日更新なんて宣言した所為で、毎日毎日校正にすっごい時間がかかり、仕事は寝不足でガタガタ、なのに校正しないとろくなものになってないのが分かるため、かなり疲労を抱えていました。
そんな中のラスト完全書き換えですから……ええ、もう書き終えてアップした瞬間のあの解放感と充実感と言ったら。
って、解説じゃなくてただの苦労話になってるじゃねぇか。
と言う訳で……これほど酷い行き当たりばったりと後付辻褄合わせによって完成したンディアナガル殲記。
これにて完成に御座います。
ついで、という訳ではありませんが……感想で欲しいと言われていた、少しだけ救いがあるような、なかったようなもう一つのエンディング(ルートG)も次話に軽く付け加えておきます。
個人的にはこの手のIFルートって外道と見做していてあまり好きではないんですけどね……書いていて楽しいのは間違いありませんが。




