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【完結済】ンディアナガル殲記  作者: 馬頭鬼
陸 第二章 ~石化世界~
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陸・第二章 第十二話


 ──ああ、何だ。

 ──簡単なこと、じゃないか。


 俺は、未だに眼下でもがいている巨木のようなカマキリの化け物……ンスゥメラディとかいう名の婆の腹の中から手を引っこ抜くと、『天啓』のように舞い降りた自分の考えに大きく頷く。

 ……そう。

 散々悩んできた筈の、「人々を救うためにどうすれば良い?」という問いに対するその答えは……単純で簡単で馬鹿でも分かるような、当たり前のことだったのだ。

 全知全能の神ラーディヌゥクオルン=ヴァルサッカラーヴェウスによって世界が無理矢理数多に別たれ、その所為で人々が苦しんでいるのだから……この俺が世界を一つに統合すれば良いのだ。

 もう既に六つほど……塩の荒野、蟲の砂漠、腐泥の森、戦の浮島、水没大陸、そして元の一つである地球を滅ぼしてしまっている俺だ。

 あと幾つ残っているかは分からないが……『天啓』の中にある知識が正しいならば、三つ程度。


 ──幸いにして、ンディアナガルの権能に良いのがある。


 特に名前はないものの……『死者の魂を死んだ状態で留め置く』という権能がある。

 何のために使うのか理解出来ない、『天啓』でも今一つ(・・・)答えの分からない(・・・・・・・・)権能ではあるが、その答えはこの時のためにあったのではないだろうか?


 ──数多の世界の統合。

 ──そして、地球の再生と死者の復活。


 神によって歪められ、壊れてしまった世界を一つに戻し……その完全なる世界に死者の魂を使って人類を復活させる。

 

 ──俺が、新世界の神になる訳だ。

 ──ははっ、何かの漫画であったな、この台詞。


 動機は兎も角……そのために俺は『全世界の人類を全員この手で殺し』、『世界さえもこの手で壊さなければならない』。

 その手法には僅かばかり罪悪感や忌避感があるのは間違いないのだが……どうせ俺が何もせず放っておいたところで人類は死んでいくのだ。

 それは先日、あの海に沈む世界で目の当たりにさせられたばかりであり、今もこうして現在進行形で人々が殺し合う姿を目の当たりにさせられているところでもある。

 である以上……俺は早急に出来るだけ多くの人たちを殺し、今生きている人間を出来るだけ多くンディアナガルの内部に取り込み必要があった。

 そうすることで、いずれ来る『再生の日』に甦るべき人たちを増やさなければならない。


「……ああ、俺は、間違って、いなかった」


 一応、ただの人間でしかない俺は万能には程遠く……死なせてしまったことを後悔もしたし、命を奪うことしか出来ない自分に嫌悪を覚えたこともある。

 だけど、思い返してみれば『それら全ての行動は正しかった』のだ。

 俺は、世界を治すために人を殺し……そして、世界を壊さなければならない。


 ──それこそが、俺と。

 ──俺と存在を重ね合わせているンディアナガルの役割。


 その真理に至った瞬間だった。

 今までは中枢でしかなかった……存在を重ね合わせていたと言っていたものの、あくまでも使うだけだった破壊と殺戮の神ンディアナガルと俺とが、本当の意味で一つに溶け合った感覚が走る。


「……懐かしい、な」


 前にも味わったこの感覚は、塩の荒野でべリア族を皆殺しにする決意を決めたあの時の……戦巫女エリーゼが仲間によって無惨に殺された時、殺意で身体中が満たされたあの時の感覚だった。

 尤も、あの時の感覚を数十倍に強烈にした今回のは、「世界の全てを破壊することが当然だ」と信じられるほど、万能感に満ち溢れていた上に……


 ──ああ、右手も、こうなったのか。


 異形と化していた……いや、本来の形に(・・・・・)戻っていた(・・・・・)左腕は、肩口辺りまでがンディアナガルのソレとなり、右手も同様に漆黒の鱗に万色にして無色の爪の生えた、人ではなく神の形へと戻ってきている。

 これでようやく世界を切り裂き、空間を抉る『爪』を特に(・・)意識することなく(・・・・・・・・)放つことが(・・・・・)出来るように(・・・・・・)なった(・・・)訳だ。


「……ひぃっ、何、何、何なんだ、貴様はぁあああああああああああっ!」


「黙れ、まだ生きてたのか、薄汚い婆が」


 近くで喚くカマキリ婆が、恐怖に歪んだ表情で最後に残されていたホウセンカの毒腺で『禍風』を吹きかけて来たが……その汚らしい行為をただ鬱陶しいと感じた俺は、特に考えることなく左手の『爪』を振るい、婆の身体を五つの塊へと分断する。

 それだけでカマキリ婆はそのまま塩の塊へと化し、復讐とかいう近視眼的な下らん動機で汚らしい毒液を噴き散らかした迷惑極まりないその命に、やっと幕を下ろしたようだった。


「……さて、と」


 特に殺したという感慨もなく、ゴミをゴミ箱へと放り投げるような感覚……破壊の神(どうるい)を殺すのが「当然のこと」という、今までになかった感覚に俺は少しばかり疑問を抱くものの……どうせ大したことでもないとその思考を脳裏から切り捨てる。

 何しろ……世界の統合のためにやらなければならないことは、まだまだ沢山あるのだ。


「ほら、まだ、あんなに居やがる」


 俺は僅かに意識を向けるだけで『翼』の権能を使って背中に二つの翼生やし、ほぼ無意識の内にその二枚の翼を羽ばたかせ……それが当然という感覚で空を舞う。

 カマキリ婆を殺した以上、あの薄汚い『禍風』が吹くこともなく……つまり、空を舞う俺を邪魔するヤツはもういない。

 そうして面倒臭い作業なざとっとと終わらせようと、城塞都市目掛けて二度ほど羽ばたいた時のことだった。


「……っ!

 敵かっ?」


 妖精の森の辺りから、突如として飛んできた光の矢の直撃を喰らった俺は慌てて臨戦態勢を取っていた。

 尤も、光の矢とやらはその実、ただの妖精の出来損ないが特攻してきただけらしく……その妖精の出来損ないも俺にぶつかった衝撃でミンチというかコンビニのカラーボールと化していた。

 その液状化した物体の中にトンボの羽の残骸がなかったならば……俺はソレを妖精の出来損ないとは分からなかっただろう。

 兎も角、その直撃を受けた俺は、ダメージはなかったものの、不意を討たれたことに慌ててしまい……ほぼ無意識の内にその方角へと左手の『爪』を今までの感覚で放っていた。


 ──あ。


 それほど意識した訳ではないその『爪』の一撃は、妖精の森全てを抉り取っただけではなく、地中深く……恐らくは地盤そのものを削り取って地下水脈を掘り当てたらしく、妖精の森だった場所に出来た延長数キロ、幅数百メートル、深さ数百メートルという凄まじい亀裂を作ったばかりか、亀裂の底から水が噴き出る始末である。

 直後、ンディアナガルの『天啓』が俺の脳裏に「この世界の創造神を先ほどの一撃で殺してしまったのだ」と囁いていた。


「……しまったな。

 攻撃してくるから、つい」


 妖精の森の奥にいたのだろう、この世界の創造神が何故このタイミングで、何故あんなしょぼい攻撃を仕掛けてきたのかについてはさっぱり分からないままだった。

 父神とやらにこんな世界を押し付けられたにも関わらず、滅びに瀕した状況を必死に誤魔化し、こうして『俺が(・・)人々を(・・・)殺せるように(・・・・・・)世界を(・・・)維持してくれた(・・・・・・・)』のだから、お礼の一つくらいは言いたかったのだが。


 ──ま、殺してしまったんだから、もうどうでも良いか。


 だが、この期に及んではその理由なんてどうでも構わないだろう。

 推測ではあるものの、俺がこの世界全てを……いや、全世界全てを統合するために一度破壊をすると決意したのを察知し……妖精の森にいた頃は俺の権能に怯えて出て来られず、だが、妖精の森が燃えたところで流石に静観出来なくなって遠くの安全地帯だと思われる場所から遠距離攻撃を仕掛けてきた。

 恐らくは、そんな簡単な理由ではないだろうか?

 

「……さて、と」


 一番の強敵……と言っても、ただ左手を振るうだけで切り裂いてしまった程度の相手だが、兎も角、創造神も破壊神も殺した以上、後は消化試合に過ぎない。

 ……いや、ただの『作業』だろう。

 こんな滅びに瀕した世界で、人から奪い奪われ救いもなく惨めに生き続けるよりも……ンディアナガルの権能によってその哀れな命を断ち切ってやり、新たな世界で再生させる。

 それこそが、今苦しみの中で生きている人々にとっての救済になり……正直、弱い者いじめのようで少しばかり気分が悪いのだが、それでも行うべき必要な作業であることに違いはない。

 俺は『天啓』が囁いてくれるその動機に一つ頷くと、『翼』を大きくはためかせ、城塞都市の亀裂部分の近く……人々が殺し殺されている場所のど真ん中へと降り立った。


「な、何なんだ、コイツっ?

 人間、じゃねぇっ!」


「……ば、ばばばばばば化け物、だぁあああああああああっ!」


「うわぁあああああああ、逃げろ逃げろぉおおおおおっ?」

 

 大地に降り立った途端、今まで殺し合っていた筈の連中は、何故か相争うのを辞めて俺から離れようと蜘蛛の子を散らしたかのように逃げ去っていく。

 尤も、今の俺から人間如きが逃げられる訳もない。

 俺は、そうして逃げていく連中……その中でも都市から遠ざかって逃げていく連中に向け、左手の『爪』を振るう。

 たったのソレだけで、逃げ出した連中は胴の辺りを真っ二つに引き裂かれたばかりか、その『爪』の余波によって血や骨粉やら肉片やら臓物やら脳漿やら糞尿やらが混ざり合ったただのミンチ以下のゴミと成り果てて大地を汚していた。

 腕を振るった後に気付いたのだが、その連中の中に上手く生き延びていたのか角野郎ことダビデがいたみたいだが……まぁ、もう既に『いなくなっている』以上、どうでも構いやしないだろう。


 ──さて、と。


 逃げ出した連中がもう動かない肉片となり……そして、塩の塊へと姿を変えていくのを横目で見つつ、俺は視線を城壁の方へと向ける。


「な、何なんだよ、あの化け物はっ!」


「くそっ、射れっ!

 何としても射殺すんだっ!」


 俺の視線に気付いたのだろう。

 門を護っている守備隊長……アレハンドロとかいう名の兵士の号令と共に、俺に矢が射かけられる。

 とは言え、当然のことながら、それらの矢の一本たりとも俺に触れることさえ叶う筈もなく……ただ城壁前で相争っていた、運の悪い十数人が流れ矢の餌食となっただけで終わっていた。

 正直な話……ンディアナガルの持つ『翼』の権能はただ空を飛ぶだけでなく、こうして気流を操作することで矢などの飛び道具を防ぐ役割もあるのだから、この結果は必然とも言える。


「……逃げられると鬱陶しいか。

 まず、足止めだな」


 ざっと城壁に囲まれた人類最後の街の方へと視線を向けた俺は、そう小さく呟き……『翼』の権能を軽く発動させて人々を都市から逃げられなくするのと同時に、ちょっとした好奇心で先ほど手に入れたばかりの『禍風』の権能を混ぜてみる。

 そうして出来たのは、都市一つを覆うような凄まじい竜巻だった。

 人間が触れただけで石化するか塩化するか、それともバラバラに切り刻まれるか……どちらにしろろくなことにならないだろう。


「こ、この世の、終わり、か……」


「あの、化け物が、コレを、やったのか?

 ……一翼の神よ」


 そうして竜巻を発生した俺を眺めながら、アレハンドロを始めとする兵士たちが呆然とそう呟いていた。

 まぁ、気持ちは分からなくはない。

 この数メートルの城壁が建築物の限界だった連中が、人為的に発生させられた都市一つ覆うような常識外れの竜巻を目の当たりにしたのだ。

 もはや彼らは矢を番える気力もなく、ただ立ち尽くすのみで……そんな連中に対し、俺は権能を使うことで都市に住む全員に声が聞こえるようにして、ゆっくりと語りかける。


「この都市に住む全員に告げる。

 今まで苦しかっただろう?」


 優しげに語りかけた俺の声に、竜巻に絶望に涙していた連中は顔を上げる。

 涙と鼻水で汚れたソイツらの顔はあまり見れたものじゃなかったが……まぁ、こんな人智を超えた事態に遭遇したのだから、多少混乱するのは仕方のない。


「こんな城壁の中に閉じ込められて『禍風』に怯え。

 人間同士で殺し合い奪い合い憎み合い、愚行を繰り返すことに疲れ果てているだろう?

 俺は、そんなお前たちを救済するためにやってきた、異界の神である」


 出来るだけ偉そうに……と軽く心掛けてはいたものの、言葉自体は意外とスラスラ口から滑り出てきた。

 記憶の中にあるあの偉そうな髭爺……地球の創造神を意識しているお蔭だろう。


「馬鹿なっ!

 そんな話がっ、あんなモノを見せられて……信じられるものかっ!」


 唯一絶望し切っていなかったらしく、城壁を護っていた守備隊長であるアレハンドロだけがそう叫んでいたが……生憎と俺はコイツ一人に語りかけている訳ではなく、城塞都市全員に語りかけているところである。

 一人の喚いている男などに注意を向けることもなく、俺は更に言葉を続ける。


「信じる必要はないし、信じなくても構わない。

 ただ俺は、お前たち全員を助けてみせる。

 別に感謝する必要はなく、祈る必要もない」


 そんな言葉を告げながらも、この都市全員を『救済する』手段を幾つか考え……なるべく劇的な権能を使って殺してあげた方が「彼らが生まれ変わった時、唯一神となった俺を敬い易いだろう」と思いつく。

 そして、方法さえ決まってしまえば後は簡単だった。


「空を見上げろ。

 あれこそが、お前たちを救う神の光である」


 その俺の声に街のヤツらが見上げた上空には……紅く輝く石が見えていることだろう。

 ンディアナガルの権能の一つ……紅石ランウェリーゼラルミア

 都市の半分ほどの大きさのソレがこの都市上空に落ちるよう、位置を調整した上で成層圏辺りに創り出したのだ。


「俺は慈悲深く、最期の時まであと三分ほど、覚悟を決める時間をくれてやった。

 後はゆっくり眠ると良い。

 目が覚めた時は、新しい世界だ」


 あの辺りからだと、自由落下によって三分弱でアレが落下する計算となる。

 俺は語り終えると……後はただ腕を組んで彼らの最期の時を見届けてやることにした。


「……終わりだっ、この世の終わりだっ!」


「あんなの……もう、どうしようも……」


「くそがぁあああああああっ!

 てめぇさえっ、てめぇさえ殺せばぁあああああああああっ!」


 誰もが絶望に膝を折り、人生最期の時を待つ中で……唯一、守備隊長であるアレハンドロだけは効果がなかったクロスボウを投げ捨て、剣を手に俺へと襲い掛かってきた。

 尤も……その起死回生を狙ったのだろう一撃も、俺の首筋に触れるや否や、鋼鉄の剣が折れることで意味をなさなくなったのだが。


「……っ、くそっ、くそぉおおおおおおっ!」


 それでも諦められないのか、アレハンドロは短剣を引き抜き俺の眼球へと突き立て……俺の角膜に触れた途端、その鋼で鍛え上げられていた筈の短剣の切っ先は、俺の眼圧に負けてあっさりと砕け散る。

 ……どうやら、ただの人間の力如きでは、俺に痛みすら与えることも叶わなくなっているらしい。

 その理不尽なまでの力の差を理解し、それでも拳を叩きつけようとした守備隊長が鬱陶しくなってきた俺は、虫を払う程度の力で右手を振るい、あっさりとその存在を粉砕する。

 ……そう、文字通りの粉砕だった。

 ンディアナガルとの同化を進めた俺の手のひらは、音速をあっさりと超え……空気を叩くその衝撃波だけでアレハンドロの肉体は砕け散り、周辺に血と肉片と粉砕した骨とをばら撒く形で、彼の存在そのものが俺の眼前から消え失せたのだ。


 ──ま、こんなものか。


 そうして唯一の抵抗勢力が消え失せた丁度のタイミングで、天上から降ってきた都市サイズの紅石が、音速の数倍ほどの速度で舞い降りて来て……

 直後、凄まじい轟音と衝撃波が俺の身体を叩き……気付いた時には、その城塞都市は姿形も存在していなかった。

 人の営みも命も……王政だろうと尊き血だろうと一般人だろうと『禍憑き(まがつき)』だろうと、男だろうが女だろうが、老人だろうと赤ん坊だろうが……生きている存在は一切の肩書に関係なく、その存在を無慈悲にかき消されたのだった。


「……ぺっ、埃っぽいったら。

 失敗したぞ、くそったれ」


 そして。

 都市を一撃で破壊するどころか、恐らく大陸に大穴を空けるレベルの隕石擬きの衝撃波をほぼ間近で受けた俺の損害は……たったのそれだけ、だった。

 やかましい騒音を聞いた時のように耳がキーンと鳴り響き、騒音を発する選挙カーが通った直後のように身体に騒音の振動が残っている気がするし、身体中に飛び散った埃が気持ち悪いものの……身体へのダメージは欠片も残っていない。

 ただ衝撃波はよほど凄かったのか、竜巻が消えてしまったのだが……それだけである。


「これで生き物は全滅か。

 さて……最後の幕引きをしないとな」


 地上の生物全てを抹殺し、ンディアナガルに取り込むという作業(・・)を終えた俺は、一つ溜息を吐くと……この世界最後の仕事に入る。

 この世界は、創造神ラーディヌゥクオルン=ヴァルサッカラーヴェウスが無理矢理人を住ませるために、創造神の力を持って歪めてしまっている。

 それを、正さなければならないのだ。


「ぉおおおおおおおおおおおおおおっ!」


 流石にコレは、今までのような小手先で誤魔化すような小技でどうにかなるモノじゃないと『天啓』によって理解していた俺は、雄叫びを上げながら全力で権能を両腕の『爪』に込め……


「砕け、散れぇぇぁああああああああああああああっ!」

 

 渾身の力を込めて、両腕を真下へと……この世界の『核』とも言うべき存在の根源へと叩き付ける。

 直後、俺の眼前から一切の光が消え失せ……ただ巨大な何かが砕けたような、地滑りよりも激しく爆弾よりも響く轟音がしたかと思うと……

 その次の瞬間……この『禍風』が吹き荒れる世界は、完全に崩壊し、存在していた痕跡すらも完全に消え失せてしまったのだった。



2019/09/25 22:30投稿時


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