5話「野盗」
少し投稿のペースが遅れるかも知れません。
さて、初めての魔法を見てから1ヶ月たった。
その一か月の間何をしていたかとゆうと最初の10日は自分の体をコントロールできるよう訓練をした。
ちなみにこの世界は惑星、それも地球に極めて類似し惑星であるため、一年は三百六十五日だし基本一か月は31日であるそうだ。
もっともやった内容は銅の剣を振るえるようになる、石を投げて壁を壊さない、スプーンを曲げない等々
普通の人なら一生やらないだろうと突っ込まれるような内容だったが。
なぜそんな訓練を押するかと言うと、今の体にまだ完全に慣れていないためだ。
前世の体なら当たり前にできたことだが、これが素手でで地面を穿つ体になると難しい。
銅剣は握ると曲がり、石は壁を貫通しきる前に溶けショットガンで撃ったかのように抉る。
特に最後のスプーンがきつかった、指を添え支えるだけでも匙は銀の屑と化す。
これができるまでの1週間はアミカさんに食事させてもらうという醜態をさらした。
そのため一週間必死で訓練し、ようやく日常生活ができるようなったのだ。
そして残りの20日間は不眠不休でディミオンさんから帝国語を教わった。
眠りそうになったら刺激臭のする飲み物を無理やり飲ませられ、体力を無理やり回復させられた。
彼曰く回復液だそうだがあんな不味いもん普通の奴は飲まん、間違いなく実験品だといえる。
まあその甲斐あって片言の帝国語を喋れるようになったけど。
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そして今、アミカさんと、プラウオネム翁の屋敷に行くため三人で乗り物に揺られながら進んでいる。
右は鬱蒼とした森、左も黒々とした森、後方を覗けば石畳、前を向いても石畳み。
いや~異世界って本当に中世ヨーロッパ風なんだねえ。
え?それで何が言いたいかって?
後ろを見ても前を見ても石畳しかないんだよ!つまり前に引いているはずの生き物=馬がいないんだよ。
異世界で初めて乗る乗り物と言ったら馬車って相場が決まっているはずなのに。
しかも馬車じゃなくて竜車とか鳥車なら解るけどいま乗っているのには前に何もない。
そう引く生き物がいない、つまり己で燃料を食い地を走る 『車』。
なんで馬車じゃなくて車なのか隣に座るプラウオネム翁に聞いてみると
自分の魔力を消費し自由自在に動ける車が、今貴族の中で大いに流行っているらしい。
なんでも魔力を多く消費すればそこいらの動物より速く移動でき、その風を覚えると他のには乗りたくなくなるそうだ。
その理論を提唱したのはディミオンさんの祖先、発明王イグノタムらしい。
クソッ、ディミオンの一族は私の楽しみをいいところで持っていきやがる。
毒突きながらもアミカさんとプラウオネム翁と会話をしていると彼らの事がなんとなくわかってきた。
これから一緒に暮らすのだ、ある程度のことは分かっておかなければ。
プラウオネム翁は プラウオネム・サニタテム引退侯爵といい。
元々軍の要職についていたが引退しそれを機に爵位も息子に譲ったらしい。
少し緑の名残のある白髪の好々爺と言った印象でとても元軍人とは思えないが、昔は『怯毒』の二つ名で諸国に勇名をとどろかせていたらしい。
前でハンドルを握るアミカさんはプラウオネム翁の孫で本名 アミカ・サニタテムというらしい。
緑色の髪をした美人ではあるが、すでに結婚しており子供も今の私より1つと2つ歳の上の子供が二人いるらしい。
二人は同じサニタテム家の出身のため固有魔法【身体操作】を使えるらしい。
この魔法は生物の細胞を操作し傷の治癒、身体能力の向上、果てには生物すら作ることができるらしい。
この能力を生かして治癒をしたり、私の体の素体である合成獣を創ったりしているらしい。
その魔法ゆえか地球の医療技術について関心があり、話し合っていると急に車が止まった。
気になり前を見るとそこには汚れた装いの二人の男が道の真ん中に仁王立っていた。
それを聞いて首を傾げているとアミカさんが言う
「どうやら野盗のようですよ、しかもあの態度からするとかなり高ランクの方のように見えますし。
どうします?お爺様」
「ふむそうじゃのう、今はワシの獲物もないし、金目の物も特にない。
此処から最寄りの都市まで歩いても一日と掛からんし、金目の物を渡して、
後で|ギルド(MVSLS)に連絡しておけばよいじゃろう。」
とのんびりした口調で言う。
「まあそれもそうですね、彼らの様子を見る限り乱暴もしそうにありませんし、それが一番よさそうで すね。」
彼女たちの会話に自分の力に天狗になっていた私が口を挟む、
「あの野盗達なら私が倒しましょうか。
車を奪われて移動時間が増すのは面倒ですし、今の私の力を知るのにちょうどいいので。」
認めようあの時自分は新しい体の強さに慢心していた。
なんせ素手で岩を砕けるんだ、誰だって驕るだろう?
それにあらわれたのは異世界物お決まりの馬車(馬車じゃなくて車だけど!)を襲う野盗。
所詮盗賊(鎧)Aと盗賊BにすぎないMobキャラかなんかが主人公補正みたいなのがかかっている私に勝てるはずがない。
そう考えた私はアミカさんとプラウオネム翁の静止の声を聞かずに外へ出てしまった。
「どうした小僧、先を急ぎたい気持ちはわかるが今はお前の両親が金目の物を出してくれないと、
先に進ませれんのでな。少し待ってもらえるか。」
そう落ち着いた声で盗賊Aが言う。
それに対し私の返事は
「ふん、たかがMobキャラがが主人公の行く手を阻もうなどと、千年早いわ。」
そういってオリンピック選手顔負けの速度で突撃して殴り掛かった!!
それを見ながら盗賊Aは首を振りながら言う
「血の気の多い坊主だな。
少し教育した方がよいのかな。」
そして私の神速の拳を軽く避け、足を払う。
「速度は中々のものだが、技術の欠片が一つも見当たらないな。まあ速度に免じて20点ってところだな坊や。」
と私を拘束しながら言う。
と、それまで一言も喋らなかった痩せた男が言う
「しっかし妙に身体能力と技術が釣り合ってないガキだな?ちょうどよさそうだし俺とタイマンさせてくれよ」
「お前はその癖を直してくれれば悪い奴じゃないんだがな。あまり傷つけるなよ」
と慣れたような感じで鎧男が返す。
「はいはい、了解よぉ」
そして鎧盗賊が私を放して言う。
「坊主・・・まあ耐えるんだな」
「
そうい言って彼が拳を振り上げたその時、
“Guroooooooooooooouuuuu!!!”
と音を響かせ一台の車が土煙を巻き上げながら迫ってきて・・・・・・・・・・・止まった。
そこから出てきたのは金髪で燕尾服を着た執事と
上品、だが気取ったところのない質素な服を着た・・・・・・オジョウ
いやー、凹される危機があるわけだがこちらの方がインパクト大き過ぎる。
品の良い服着てんだからグラサンかけるな、染残しのある髪するな!!それじゃ御嬢さんじゃなくて
「オジョウ」だ!!!親御さん泣くぞ。
しかもそれで見た目が10歳って・・・・・・合法ロリでなければ如何したら良いのかワカラナイヨ。
混乱している私を傍目にオジョウは
「先月ぶりですねサニタテム翁、アミカさん。
何か困ったことでも起こりましたか?
私のできることならお手伝いしますが。」
普通な口調で喋り始めた。
・・・・・・いや、そこはキャラ統一させろよ




