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夢と願いの学園恋歌  作者: surteinn
日常編
16/44

      (3)

予約投稿です。

今回はちょっとした読者サービス(?)が入ってます。

 「結果、二人を差し置いてお前がなったのか」

 「うん。わたしもちょっと予想外かな? ここは文っちか宙っちのパターンなのになぁ」

 「お前が参加しなければいい話じゃないのか?」

 「えー。こんな面白いことに参加しないなんて、宗やん本気で思ってるの?」

 奏は胸を張り、ふっふーん、と得意げな顔でそう言い放った。あまりにも得意げなその様子に呆れて一言も発せなかった。

 「はあ。ま、お前である意味良かったのかもな」

 文か宙のどちらかだったら、後でいざこざが起こっていた可能性も無きにしも非ずだし。

 「ではでは。よろしくお願いしますよ、宗やん」

 「任せておけ」

 俺はうつ伏せでレジャーシートの上で横たわっている奏――セパレートの上半身に当たる部分をずり下ろし、扇情的な格好となっている――のさらけ出された背中にオイルを垂らす。

 「ひゃうっ!」

 すると奏は意外にも女の子らしいというか、可愛い声を小さく漏らした。

 「ご、ごめん。冷たかったか?」

 「うん、冷たかった」

 奏は恥じ入りレジャーシートに顔を埋める。見れば奏の体全体がほのかに火照っていた。先程の反応もあってか、茹だるような暑さだけの所為ではないように思える。

 「ひゃっ! そ、そこはっ」

 「……先輩」

 「宗くん」

 宙と文の、絶対零度並みの冷たい視線を受け、顔と手の平が燃えるように熱く、心とそれら以外の場所が、凍結するのではないかと錯覚する程に冷えていた。

 「宗やん、ごめん、きゃっ!」

 「……」

 「……」

 今日始めて、または改めて知ったこと二つ。一つは奏は背中が弱いこと。もう一つは宙と文を怒らせてはならないこと。特に後者は生涯心に刻んでおきたい。

 

 

 色々な意味で大変だった日焼け止め塗りを終え、俺達は早速海の中へと飛び込んだ。燦々と輝く太陽と焼け付く砂浜、上方に浮かぶ純白の雲、色濃い青空。何よりも陽光を一心に浴び、下界に広がる星空といっても過言ではない、きらびやかな海が存在の大きさを、それ自身を以って知らしめていた。生命の母の中に入り、普段味わえない浮遊感に、今自分が海の一部になっているのだと感慨深く思った。

 「先輩スキあり!」

 ……物思いに耽っていると塩っ辛い冷水が俺の顔にもろ被った。

 「ぶっ! おい宙。やってくれたな! 誤ってちょっと飲んじまったじゃねぇか」

 「ふっふっふ。油断大敵ですよ!」

 誇らしげな顔の宙に、お返しとばかりに海水を掛けてやる。

 「ほいっ」

 「ぷはっ! せんぱい、やってくれましたね! ほりゃっ」

 「甘い」

 思いっきり真横に飛んでやり過ごす。その際海中に沈んだが問題ない。数メートル泳いで、宙と離れた位置に顔を出した。が、

 「甘いのは先輩ですよっと」

 海面に頭を出した瞬間、針に刺されたように肌に水が突き刺さった。見れば宙の手には水鉄砲が備えられていた。

 「宙、きたないぞ!」

 「策略家と言って下さい」

 「嫌だ」

 「そこを否定されても……」

 宙が呆れた顔で呟き、それが俺の心を多少削っていった。そんな顔しなくてもいいじゃないか。

 「こうなったら徹底抗戦するしかない!」

 「その前に休憩しません? みんな疲れてると思いますし。やるなら万全の状態で争いませんか」

 「やる気が一気に削がれた」

 宙の言葉に、俺は腕時計(ちなみにG-SHOCK)を確認すると既に十二時を回っていた。昼食の時間を取ってもおかしくない時間帯だ。奏に遊ばれて疲れ気味な楓や、浜から十メートルくらいの所でぷかぷか海上に浮いている和志を救うためにも逸早くそうした方がいいだろう。

 「OK。じゃあ皆を呼んでランチタイムとするか」

 「ラジャッです」

 我が意を得たりと、宙は楓たちに声を掛けに行った。何だか雑用を宙に押し付ける形になってしまった。俺お手製のゆずりんごをいくらか分けよう。今回は自信作だ。

 とりあえず宙が楓、奏を呼びに行ったので、俺は和志を起こしに行くとしよう。

 「おい、起きろ」

 「……」

 白目を剥いて倒れ伏せる和志に、俺は一瞬死んでいるのではないかと、足が竦んだ。けれど足先で横腹を突っつくと軽く身じろぎしたので、どうやらただ失神しているだけみたいだと安心した。

 ふむ、安易には起きてはくれなさそうだ。ここは一つ、衝撃のあるものでないといけないな。既に物理的な衝撃は加わえられてるし、俺は違うアプローチをしよう。

 「楓がマッパで踊ってるぞ」

 精神的、且つ他人をネタにするというアプローチで。

 「マジで!」

 ガバッと勢いよく起き上がる和志。ここまで欲望に忠実な男を初めて見た。

 「おはよう和志。もうすぐ昼食を採るから早く来い」

 「ん、え、マッパの楓は?」

 「何言ってんだ。寝ぼけてんのか」

 「でも確かにマッパで踊ってると」

 「んじゃあ本人に訊いてみれば。すぐに真偽が分かるぞ」

 「死ぬと思うからやめておくぜ」

 珍しく懸命な判断を下す和志であった。

 

やりすぎてはいないことを願います。

ここまでならセーフですかね。

初めてこいうシーン書いたので不安です。


なかなか文章・ストーリー評価して貰えない。

surteinnの力量不足なのか。

少し寂しい。


誤字脱字、意見などがございましたら、感想の方まで。

では(・ω・)ノシ


奏「恥ずかしいところを見せてしまったあ!」

宙「先輩へアプローチできなかったあ!」

和「楓のマッ○見れなかったあ!」

楓「死になさい」

和「グフッ! 腹に、脚が、めりこんで、る」

宗「いい加減学べ」

文「それはちょっと、厳しいんじゃないかな」

渚「さりげなく酷いですね」

奏「ナギ、ひさしぶり~」

渚「出番がなくて、シクシク部屋の隅で泣いてました。シクシク」

宙「作者! 三条さんに出番を!」

いつか出します。

渚「いつか……」


なんと二万アクセスを突破いたしました!

これも皆さんの応援&友人達の支えのおかげです。

精一杯執筆していきますので、これからも宜しくお願いいたします

(12/1/1)

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