1 章 召 還
初めまして。作者の拓里と申します。
序章の段階で3件もお気に入り登録、驚きました・・・そして有難う御座います
私は超初心者ではありますが、楽しく読める小説が書ければいいな~
解かりにくい文章、誤字脱字も多々あろうかと思いますが、大きなお心で読んで
いただければ幸いです。
1 章 召 還
眩いばかりの光が、消えていくと辺りの景色は一変していた。先ほどまでは夜だったのに、今は太陽が頭上近くまで昇っている。
舞は、辺りをキョロキョロしながら
「兄様、ここは何処でしょう??」
俺達は今、湖のほとりにある雑木林の中にしゃがみ込んでいる状態である。
俺は、立ち上がりながら
「何処だと思う?舞?」
「ん~と 異世界だね。此処は」
「何故そう思う?」
「もちろん『感』」
流石です舞ちゃん。感で其処まで言い切れる人はあなただけです。… …
だが強ち間違ってないと思う。
今まで居た場所が夜8時、此処は太陽の位置からすると朝10時前後、時差14時間
だとすると、アメリカ辺りてのもあるが、アメリカなら態々
召還なんて面倒な事をしなくても電話の1本もすれば済む。
声の主は、最後に私達の世界 と言っていた
俺達のいた世界で、世界規模の異変があれば俺も気づく筈だし
それに・・・
「舞、気づいているか?」
「はい、瘴気ですね。これは」
「まだ薄い瘴気だが、浴び続けれは、人も動物も正気では居られなくなるな」
「プップップゥ~」
「???」
「兄様面白い~ 瘴気と正気 流石です~」
「… …」
まったく緊張感のない舞であった。
もういいや俺 帰る。
「舞、もう帰りたいんだが… …」
「ダメです。私と兄様の力があれば帰ることも出来ると思いますが、まだあの声の主に会ってません。」
「じぁ~俺だけでも帰して」
え~てな顔で俺を見上げ、私を1人にするの? か弱い少女を異世界に置いて帰るの?的な事を、瞳をウルウルさせながら
訴えてきやがるこの娘… … チクショウ カワイイジァネイカ
「はいはい 居ます。いえいえ居させて下さい。これでいいか」
舞はニカッと微笑み
「仕方ないな~居させてあげる~」
「… …」
「だが舞。俺達は、あの声の主に会っても何も出来ないぞ。舞も知ってるはずだが、
我が水流園一派は守護する者以外は、『不介入』の掟がある。
そして守護する者を決れるのは、当主様のみ。」
「知ってます。ですがここは異世界?当主(お母様)は、いない。ならば次期当主(?)の私が決めればいいのです。」
「それは屁理屈かと」
「屁理屈も、ごり押しすれば道理なり by舞」
左手を腰に当て、白い歯を見せニカッと笑いながら、俺に向けて右手を突き出し、
Ⅴサイン!
ああ頭が痛くなってきた… … 帰りたい
こちらに来てから舞の様子が何か変だ。陽気?弾けてる?
いやぶっ飛んでるとでも言うのか
向こうに居た時も多少はその傾向もありはしたが、明らかに様子が違う。
舞に聞いてみると… …
「え~とね。親に許されない二人が、手に手を取って家を飛び出し、逃避行の末、異世界に迷い込み苦難を乗り越え、幸せにな・・・」
「ちょい待て、何の話をしている?」
「さっき見た予知夢」
「… …まだ寝てないし、舞にそんな能力はない。」
「むぐぅ・・」
「で、舞。真意は?」
舞は肩を落とし、頭を垂れ小さな声で語りだした。
「私は、水流園家の嫡子に生まれ幼き頃から皆に
次期当主と言われ続けてきました。
私は皆の望む通りの言葉遣いも、立ち振る舞いも行ってまいりました。
それが決して嫌な訳ではありません。
水流園家の嫡子に生まれた事は誇りに思いますし、皆に慕われている事は
嬉しく感じます。 ですがそれは本当の私ではないのです。
そして此処に転移された時、此処が異世界なら私を知る人は兄様しかいない
ならば私は、水流園家の嫡子でもなく次期当主として振る舞わなくてもいい
只の舞として、その姿を兄様に見てもらいたい、知ってほしい本当の私を… …
たとえ其れがあの声の主に会うまでの僅かな時間だとしても… …
そう想ってはダメでしょうか兄様」
舞の瞳がうっすらと光っている。
くそぅ、俺は、今まで舞の何を見ていた、何を知っていた。幼き頃より仕えていた俺は
水流園家の嫡子で次期当主、頭では大変だとは思っていたが、そんな生半可なものではなかった。
舞に圧し掛かってた重圧は・・・ ・・・
俺は自分自身に腹が立った、言い様のない怒りが込上げてくる。持って行く行き場のない怒り
俺は震える手を握り絞め、奥歯が折れそうなぐらい噛締め、地面を殴った。
「そう想ってはダメでしょうか… …兄様」
「舞、すまなかった。今まで気づいてやれなくて」
「いえ兄様には、良くして頂きました。兄様が居なければ今の私はありませんよ。」
「舞、お前の好きにすればいい。水流園家の嫡子で次期当主だろうと
只の舞だろうと、俺に執っては大切な舞だよ。」
(ありがとう。そして・・・・・・大好きです・・・ ・・・兄様)
「で、舞これからどうする?」
「え~と もう少し待つ? 声の主が探して来てくれるかな?」
待つのなら、俺は寝るとしよう。舞は近くを冒険すると言うが、ま、危険はないだろ。
「 オンバサラ、ヤキシヤウン 入式神見壱巻 川蝉」
俺は、二枚の護符を空に放り、言霊を唱えると二匹の『川蝉』に変化した。
「舞の護衛と、辺りの探索を頼む。人もしくは集落を探してくれ。」
「「畏まりました。主様」」
一匹は舞の上空を旋回し、一匹は上空を数回、旋回後、西の空へ飛んで行った。
俺は近くの岩の上に横たわり眼を閉じる。
俺は、夢を見始めた。思い出したくない、だが決して忘れらない過去。
次回は、過去編になります。二人の出会いから壮絶な経験・・・
うまく書けるとは思いませんが、気持ちが伝わる文章が書きたいです。
1章を読んで下さった皆様方。感謝です。有難う御座いました。