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プロローグ

2024年2月より執筆を開始しました。

第一部は毎日17:30に一話分の公開をいたします。


第一部全78話、第二部全59話まで完結済みです。

お付き合い頂けましたら嬉しいです。

よろしくお願い致します。

三方を取り囲む石壁は分厚く、硬く冷たい石畳が体温を奪う。通路に面した太い鉄格子はびくともしない。

唯一の出入り口には貫抜(かんぬき)がされていて頑丈な錠がおりている。


雑に敷かれたボロボロの毛布と、排泄用の壺だけがこの部屋の調度品である。


出入り口と反対側の壁には背を伸ばせば覗けそうな小窓が一つだけ設けられている。

当然、鉄格子がはめられているが唯一の明かり取りだ。


「…っつ!」

数日前、右のふくらはぎに付けられた焼印がチリチリと痛むせいで眠る事もままならない。


足の痛みに意識を取られながら鉄格子付きの小窓から外を覗けば、大きな歓声と下卑た野次が飛び交い、金属を叩き合わせる鈍い衝撃音が聞こえ、男達の壮絶な咆哮が耳に飛び込んでくる。


ここは剣闘士達の殺し合いを見世物にする野蛮の極地『闘技場』だ。


円形の闘技場に沿った形で、半地下状に配置された奴隷剣闘士の住まい兼牢屋に俺はいた。


鉄格子から顔を覗かせ、二人の男達の戦いを眺めていると、通路のほうからヒタヒタと足音が近づいてくるのが聞こえてきた。


昨晩、俺を案内した牢番頭のゴズウェルだろう。


この状況で何をやらされるかは言われなくても理解できる。血なまぐさい饗宴の生贄として順番が回ってきたのだろう。


他に選択肢などあろうはずもなく、俺は覚悟を決めた。

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