略称
短くてすみません(・・;
「おはようございます、ミイレ」
「おはようございます、レイラ」
今日はきっといい日だと机の下でガッツポーズをする。
今日も今日とて可愛い。後光でも差しているんじゃないかと疑うレベルだ。
それに、向けられる笑顔も昨日までと違い柔らかさが増している気がする。
ただの勘違いかもしれないが、もうそれだけで笑顔になってしまう。
「おはよう、レイラ、ミイレ」
「おはようございます、殿下」
「おはようございます」
こっちもこっちで朝から王族オーラがすごい。ずっと口角を、上げていたら筋肉痛になってしまうんじゃなかろうか。
「来週の集団実習だけど一緒に組まないかい?」
着席するなり殿下がそう言った。
集団実習とはクラスごとに班を作り、学園内にある結界の張られた森を攻略する実習だ。
毎年5月末から6月始めくらいに行われるもので、原作では2年時から編入した主人公の補佐ということで殿下が同じ班だった。
人数構成は2人以上5人以下。3人ならちょうどいいかもしれない。
「私はいいですよ」
「私も大丈夫です」
レイラも頷く。
「優勝を狙えそうだね」
それはそうだろうと思うしかない。原作のメインキャラが3人もいるのだ。
殿下としてはそういうつもりはもちろんないのだろうけど…。
ちなみに同学年の攻略対象はあと一人いるのだが…1年時は留学中という設定である。
時計を見てレイラが言った。
「では、失礼します。あ、ミイレ、今日もランチご一緒してもいいですか?」
「もちろんです!レイラがいいならいつでも大丈夫です」
私の返答に、にこりと笑顔を残しレイラが席に戻っていく。
「…略称呼びか〜」
隣からわざとらしい間延びした声が聞こえた。
「…この前そう呼んでほしいって…」
「じゃあ、僕もそうでいいよ」
「…」
少し返答をミスった気がする。でも何と返しても結果が変わるということも無さそうだが。
「…恐れ多いので…」
淑女の仮面を被り答える。最近は取り繕うほうが少なかったが…。
真っ直ぐと殿下を見る。先にそらした方の負けだ。殿下はなおも変わらずニコニコしている。
「エディね」
「…分かりました…エディ」
屈した。どうせしつこくされるのは目に見えている。それに、ずっとあの顔をされてると精神的にすり減る気がする。
「僕の仲の良い人はほとんどエディ呼びだからね」
「身分が近しい人でしょう?」
「友達に身分なんざ関係ないからね」
「…」
帝王学で付き合う人は選びましょうとか言われなかったのか。学園は平等だといっても暗黙の了解というものもあるだろう。
まあ、確かに。友達なら関係ない気もする。
主人公設定でありがちな、距離感が分からなくて、友達だから〜って上位貴族といちゃついている訳じゃないし。
(まあ、いいよね)
気にしないことにしよう。
「…?レイラは殿下呼びじゃないですか?」
「…昔からそうなんだよね」
レイラは礼儀正しいものね。確かにレイラらしいと言われればそう思う。
(でも、どうせならレイラも巻き込もう)
心のなかで小さく決意した。




