モブ中のモブな私
遡るは転生前。
私、伊東 亜美はごくごく普通の女子高校生。
成績は並の並。
赤点にはならない程度の成績で根暗って訳でもなく、
かと言ってクラスで目立つ存在でもない、
スポーツも音楽も出来ない訳じゃないけど、出来るって程でもない。
ある意味1番冴えないポジションにいる私。
卒業した後、先生やクラスメイトには「そんな子居たっけ?」、
「居たよね?でも顔思い出せないや(笑)」
って言われる存在。
モブ中のモブ!
それが私なのだ。
ましてや神様に『絶世の美女』を願う程残念なお顔でもなかった。
クラスメイトで1番可愛い子を横目で憧れながら、
努力しないわけでもないが、
かと言って自分の努力だけでは歴然とした素材の壁に敵わず、
可愛くなりたい、誰よりも輝きたいと憧れているそんな極々普通の顔の普通の女の子だったのだ。
そんな私に事件が起きた。
学校の帰り道歩いていると突然の地震、しゃがみ込んだ私の前に突然真っ黒なモヤ。
まるで生きてるような不思議なモヤは私に向かって襲い掛かってくる。
逃げようとしたが、
私の足の速さは勿論並の並。
獣のような速さで襲い掛かってくるモヤに勝てるハズがない。
私の努力は虚しくモヤの中に引き摺り込まれていきそこで私は意識を失ってしまった。