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短編集

俺の彼女はいちいち可愛すぎる(香織視点)

作者: 秋川千夏

https://ncode.syosetu.com/n4515hy/←連載版

https://ncode.syosetu.com/n0392hy/←短編

私には、好きな人がいる。

同じ図書委員の石井涼くんだ。


彼は、身長が高くて、気遣いができるいい人だ。

身長の低い私ができないところを積極的にカバーしてくれるいい人っていうのが最初のイメージだった。


私は学校では妹や娘にしたいと言われていて、ひとりの女の子として私を扱ってくれる人なんていなかった。

でも、彼だけは私を普通の女の子達みたいに扱ってくれた。

委員会でペアになってからも、私の隣でいつも手伝ってくれていた。

ほかにも、普段からしてくれる何気ない彼の気遣いが、私にとって最も嬉しいことで、私を満たしてくれていた。


いつしか、私のこの気持ちは恋心に変わっていた。

前までの私なら、この恋が叶うことなどない。どうせ女として見られず、子供扱いされるに決まっている。人で考えていただろう。でも、今は、不思議と彼なら私を子供としてではなく、女の子として見てくれる気がした。


それ以来りょうくんを意識してしまい、他の人よりもずっと話す時に緊張してしまう様になった。


このままじゃりょうくんに変な人って思われちゃうよぉ〜!どうすれば、どうすればいいというのだ神よ!!

あ、誰かに相談してみよう。じゃあ早速友達にーーって、私が相談したら親離れだのなんだの言われちゃいそうだなぁ。それはやだなぁ。

うーん、私を子供扱いしない人………あ


思い浮かんですぐに私は部屋を飛び出て、その人がいる部屋へ向かった。


「お姉ちゃんっ!相談があるのっ!!」

「おっ?なんだなんだ〜?化粧と仕方か?それとも香織に合う可愛い服か?」


そう、お姉ちゃんだ。私には3つ離れたお姉ちゃんがいる。

お姉ちゃんは綺麗で明るくて、ムードメーカー的な存在で、身長も高いし胸も大きいし、私みたいに緊張して喋れなくなることなんてほとんどない、私の真逆の存在だ。


「お姉ちゃん!それは違うけど後で教えて!それで、私が相談したいことは」

「相談したいことは〜?」

「こっ、恋のお悩みです」

「………へ?」

「お姉ちゃん?」


お姉ちゃんが動かない。

へんじがない。ただのしかばねのようだ。


「じゃなくって、お姉ちゃん?ほんとにどうしたの?」

「香織?あなたが好きになったのって、どんなイケメン?」

「えっ、イケメンって…」

「じゃあお金持ち?」

「えっ、しっしらないよ」

「あ、じゃあアイドルかイケメン俳優?」

「ちがうよ!?普通の高校生!」

「あ、2次元の話ね」


????

お姉ちゃんは何を言っているのだろう?

私のいうことを信じていない?いや、お姉ちゃんのことだからそれはないだろう。

からかってるのかな?でも、お姉ちゃんって人の恋心をとにかく大事にする人だからからかったりしないんだけどな。


うーん、考えてもわかんない!素直に聞こっ!


「お姉ちゃんほんとにどうしたの?私が恋するのがおかしいの?」

「えっ、いや、そういうんじゃなくて、今までそういう素振り一切見せなかった香織のことだから、ちょっと驚いちゃって…」

「ふーん、まぁいいや。それで、相談乗ってくれる?」

「あ、あぁうん、当たり前でしょっ!なんてたって私は香織のお姉ちゃんなんだから!」

「ありがとう。じゃあ、まず何話せばいい?」

「うーん、とりあえずその人との関係?」

「わかった!えっとねーーー」




30分くらい話し合った結果、お姉ちゃんが出した答えは簡単なことだった。

それは「特別扱いをする」ということだ。

お姉ちゃんいわく、「例えば、普段自分から人に話しかけない香織がその好きな子にたくさん自分から話して見たり、うーん、まぁなんというか、普段誰にもしないことをその好きな人だけにするってことだね!でも、あんまり細やかすぎると気づかれにくいから、割とあからさまで大丈夫!だって香織は可愛いからね!」とのことだった。


私は可愛いとは言われるけど、それは妹や娘みたいだから可愛いのであって女の子として可愛いのかはわからない。でも、今はお姉ちゃんのいうことを聞くのがいいと思ったから頑張るしかない…よね?




◆◇◆◇◆




次の日から私は彼といる時はずっと笑顔でいることとたくさん話しかけにいくことを決めた。私は普段あんまり笑顔を見せないから、彼の前だけずっと笑顔ならちょっとしたアピールになるかもだし、笑顔で話しかけまくったら少しは意識してくれるだろうし、周りも私が彼のことを好きなのが伝わると思うから、きっと応援してくれるだろう。

というかしてほしい。してくれなきゃ困る。私はみんなが応援してくれると信じてる。

とか考えていたら早速彼が登校してきた。


「お…おっ…っ……」

「ん?おはよう?澤田さんから挨拶してくれるの初めてだからなんか嬉しい」

「うぇっ!?あ、う、ん。おっ…はよ?」

「うん、おはよう。今日も放課後の委員会一緒に頑張ろうね」

「うっ…うん!」


挨拶できた!挨拶できた!!しかも自然に!(自然に挨拶はできてない)

しかも、一緒に頑張ろうねだって!だって!!もうだめ大好き!!


そんな感じで挨拶しただけなのにニヤニヤしまくっていることに気づかず、周りから少し変な目で見られた香織であった。




◆◇◆◇◆



ドタドタドタ、バン!!

「お姉ちゃん!!!」

「うおっ、びっくりした。てか扉もうちょいゆっくり開けてよ壊れそうで怖いから」

「あ、ごめん。で、本題なんだけど。私!ちゃんと好きな子に挨拶できたよ!!」

「うん?それがどうしたの?」

「あれ?」

「挨拶なんて好きじゃない人でも当たり前のようにするでしょ?まさか、それでアピールしたつもり?」


ええっ!?自分から挨拶するのじゃアピールにならないの!?

えぇ、勇気出したのに…まさか、これ以上のことをしなきゃいけないの?


「はぁ、これだから私の妹は…」

「お姉ちゃんその言い方ひどい!!」

「あぁ、ごめんごめん。でもね、そんなんじゃ全然ダメダメだよ?」


ガーン!!!


「じゃあ!その人にだけたくさん笑ったら?」

「それは…うーん。友達としては当たり前な気がするんだけど…」


ガガーン!!!

私の努力はアピールにすらならないのかっ!でもこれ以上何をすれば…

はっ、まさかボディタッチでもしなきゃいけないとか…うぅ、そんなの恥ずかしいよ


「とりあえず、ボディタッチを増やして見たら?」


はい、そのまさかでした!!


「お姉ちゃん。そんなの恥ずかしいよぉ」

「何が恥ずかしいのよ!こっちに呼ぶ時に『ねぇねぇ』って口で言うんじゃなくて、肩を軽く叩きながら呼ぶとか、『〇〇くんっ!』的な感じでいきなり後ろからポンって手を置くだけでもいいんだよ!」

「それが恥ずかしいの!」

「じゃあもう適当な理由つけてデートに誘え!!」

「うぅ、そんなのむりだよぉ」


恥ずかしくてできるわけないじゃん!!断られた時のこと考えるともう目を合わせられなくなっちゃう!!

あ゛ぁ゛!もうどーすればいいんだよー!!


「あ、そうだ」


そういうとお姉ちゃんは何かを思いついたかのようにスマホを取り出しながら聞いてきた。


「香織、あなたの好きな人の名前って何?」

「ん?石井涼くんだよ?」

「じゃあ、涼くんのことは好き?」

「うん」

「どれくらい?」

「顔を見れるだけで幸せだし、そばにいるだけでドキドキしちゃうくらい好き」

「はいおっけー!」


???

お姉ちゃんはそう言って満足そうにスマホをいじった。

それで音を上げて何かを聞かせてくる


『「じゃあ、りょうくんのことは好き?」

「うん」

「どれくらい?」

「顔を見れるだけで幸せだし、そばにいるだけでドキドキしちゃうくらい好き」』


「これをりょくん本人に聞かせてほしくなかったら明日デートに誘うこと、それで、家にお持ち帰りしてきな。明日の夕方からは帰らないであげるから。あと、恥ずかしいかもしれないけど、女が男に初めてを捧げたらその男には責任を取らせれば結婚までは確実よ」


くっ、最初からこれをやらせる気だったのか!

我が姉ながらすっごくずるい!!


でも、こんなのりょうくんに聞かれたら嫌われちゃうよ〜。

勇気出して誘うしかない…か…うまくいけば婚約まで持っていけるかもだしね…がんばろ


その前にこのニヤニヤしている姉に地獄を見せてやらないといけないかな?


◆◇◆◇◆


結局私はこの次の日に告白されました!

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