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光魔法の伝説(14)



リンネ:リンネはね~、ヒーラーが攻撃魔法を使えるからって~、アタッカーを兼務させるのは酷使だと思うんだよね~。

レオン:ぎくっ・・・・・・ぎくぎく・・・・・・。

リンネ:回復役は全体への目配りとタンクへの気配りが大事だよね~? アタッカーやってる場合じゃないと思うんだよね~。

レオン:い、いや、そうは言っても・・・・・・。

リンネ:そもそも光魔法はお兄ちゃんだって使えるんだし~、アタッカーとしてパーティーには賢者さまが同行してくれてたからね~? 賢者さまは回復魔法も光魔法も火魔法も使えたんだよ~?

レオン:それは、そうなんだが・・・・・・。

リンネ:結局~、お兄ちゃんがかっこよく剣で決めたかっただけじゃないかな~? ビジュアル的な感じで~?

レオン:そ、それはやっぱり、勇者の決め手は魔法じゃなくて剣技というか・・・・・・。

リンネ:偏見にまみれたどぐされ勇者は冷たい視線で放置して~、みなさんは第14話をどうぞ~!










 古き神々の神殿、7日目。


 なんか、すっかりこの神殿に馴染んできた。


 おれと姉ちゃん以外、だ~れもやってこない、というのもいい。知らないんだろうな、ココのこと。


 朝からおれは姉ちゃんにマジポ作成魔法の呪文を教える。まるで英会話教室の先生のようにリピートアフターミーだな。『猫の手』も使わせて、20本分の材料を用意して挑戦する。姉ちゃんのMPは推定レベル16ということで、150はMP消費が可能だろうという前提で計算した。おれは何度リピートで呪文を唱えても、まだクールタイム中なので問題なし。


 3回目のチャレンジで医薬神系特殊魔法中級スキル・マナリスマナリオンスが発動し、並マジポが18本と上マジポが2本、完成した。なかなかやるな、姉ちゃん!


 昨日おれが作った分と合わせれば、古き神々の神殿でのダンジョン探索でMP消費を心配する必要はないくらい、マジポは確保できている。そもそも姉ちゃんは『聖者の指輪』でMPの心配はいらねぇんだけどな。


 マジポ作りが終わったら、医薬神の神殿、3層へ。


 まずは2層に下りて、ボス狩り。クールタイムスイッチをやるのは同じだけど、姉ちゃんはトロアに挑戦して、おれはランツェを間に挟む。もちろん、あっさりと倒せるのは同じ。


 ちなみに、ここのダンジョンの階層ボスはリポップタイムが1時間と判明したので、3層でレベ上げの狩りを続けて、また2層でボス狩りをして、という動きで戦う。


 姉ちゃんがランツェに興味をもったけど、まだスラッシュとワイドカッターの熟練度が足りなくて身に付けられないので、そのことを丁寧に説明した。熟練度上げなら鍛冶神ダンジョンの方が複数リポップを相手にできるからいいんだけど、あっちはまだ2層だから3層ほど経験値がねぇんだよな。


 まあ、ランツェよりも姉ちゃんにはまず月の女神系支援魔法中級スキル・バイマナイスの方をなんとかしてもらわないとダメだ。どうせ『聖者の指輪』でMPは1分1ポイント回復する。姉ちゃんは基本攻撃魔法を使わせてないから、移動中はバイマナイスの『ネンブツ』を組み込んで熟練度を上げさせていく。日本語に馴染みがない姉ちゃんにとって、呪文の詠唱は鬼門。詠唱省略ができるように『ネンブツ』は必須だよな。


 医薬神ダンジョンの3層と2層を行ったり来たりして、2層ボスの人食い魔木を5回狩ったところで、渦を使って神殿へと戻り、鍛冶神ダンジョンへ移動した。


 鍛冶神ダンジョンはおれが太陽神系魔法でお小遣い稼ぎをしながらガンガン進み、2層でもホネホネ軍団はガンガン潰していく。お人形さんは姉ちゃんの熟練度上げの餌食だ。


 やっぱり徹底的に狩るんなら、スタポがほしい。超ほしい。


 2層でのお小遣い稼ぎ…………いや、金貨ドロップじゃお小遣いじゃねぇよな、もう。1枚で10000マッセだからな。落とすの2枚~4枚くらいだし。銀貨混ざることもあるけどな……ま、それはそれとして、ガンガンピカピカ光魔法祭りだ! ヒャッハーーーッッ!!


 おれ、神童アインはその名を投げ捨て、守銭奴アインとして全てのホネホネ軍団と戦う! 戦い続ける! 財布の平和のために!


 とはいっても、主目的も忘れてはならない。


 武器、防具、お金のドロップを集めながら、ここでの目的はボスの偵察。


 …………ソルマ、ソルミ、ソルハ、ソルハンの使い過ぎでマジポ飲みながら何言ってんだって話だけどな。目がドルマークになってるかも。


 坑道の奥、広めの空間につながるところで、壁沿いに隠れながら、広めの空間を覗き見る。


 ホネホネ軍団が、7体。


 中央後ろに、金属製の紋章入りよろいを身に付け、高価そうな剣を握るホネホネがなんだか偉そうに座っている。表情ないけどな。あれはナイトスケルトンだ。


 その左右前方にはスケルトンコマンダーチーフ1体とスケルトンコマンダー2体の3体1組がそれぞれ跪いて控えている。


 取り巻きありのボスモンスターだ。倒した取り巻きが召喚されるタイプだったら面倒だな……いや、それって、ほぼ銀行? 銀行なのか? まさかここのボス戦は銀行強盗?


 …………いや、落ち着け。落ち着け、おれ。


 姉ちゃんをここで待たせて、おれが一度突入する。


 ボスのHPバーの数を確認して、すぐに離脱。おれの突入で立ち上がったナイトスケルトンがなんだかちょっと残念そうだ。たぶん気のせいだけどな。ホネで表情なんかわかんねぇし。


 確認したHPは6000だ。医薬神の神殿の2層ボスと同じ。よろいの分、人食い魔木よりも物理防御が高そうだけど、ボスのナイトスケルトンだけなら、クールタイムスイッチでイケると思う。問題は取り巻きの処理だよな。問題なしのもーまんたいだけど。だって、あいつらおれのサイフだし?


 鍛冶神ダンジョンの2層を脱出するため駆け抜けながら、ボス戦について考える。


 もちろん、途中のホネホネたちは狩りましたが何か問題でも?









 8日目。


 鍛冶神ダンジョン2層ボス攻略計画を始動。


 ナイトスケルトンHP6000を取り巻きごとぶっ倒します、はい。


 心の奥底から湧き出てくる止めようもない欲望を、奥歯を噛みしめ、涙を堪え、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んで、なんとか抑え込み、最短で鍛冶神ダンジョンの1層と2層を突破する。


「なんでそんな苦しそうなかおしてるのかわかんないわ」


 そして姉ちゃんに冷たくぶった切られる。ぐはっ!


 だって!


 だって!


 おれにしてみたら、こんなの、サイフを道端に置き忘れてるみたいなもんなんだからな! しかも万札が何枚も入ってるサイフを! サイフ、カンバぁぁーーーーック!


 …………というワケで戦闘行動は最小限に止め、でも戦った時にドロップしたものは確実に回収して、ボスのところへ。


「それじゃ、おれが左の3体と、右のスケコマ2体を魔法で潰したら、姉ちゃんが右のコマチをぶっとばして」


「……わかったわ」


 ふぅ、と姉ちゃんがため息を吐く。「…………スケルトンコマンダーがスケコマ、スケルトンコマンダーチーフがコマチ…………なんかちがう気がするわ」


 ……通称なんて、そんなもんだよな? だよな?


 おれが全力でボス部屋の大きな空洞に飛び込む。


 ナイトスケルトンが立ち上がる。


『ソルハ』


 おれは左側の跪いている取り巻き3体に太陽神系範囲型攻撃魔法初級スキル・ソルハをぶちこみながらさらに左へと回り込んでいく。


『ソルハン』


 回り込んだ位置から、左の取り巻き3体とボスのナイトスケルトンを扇形状の範囲に含めて、太陽神系範囲型攻撃魔法中級スキル・ソルハンをぶちかます。


 左の取り巻きのうち、スケルトンコマンダー2体が消え去り、ボスのHPバーが1本と半分ぐらい削れる。まあ、ちょっとだけどな。60本あるし。


 ナイトスケルトンが手を広げた左腕をまっすぐ前方へ、ざっという音がするような感じで突き出すと、跪いていた取り巻き達が立ち上がる。「立ち上がれ、兵士たちよ!」とか言いたいんだろうか。ホネだから言えないと思うけど。


『ソルマ』


 おれは太陽神系貫通型攻撃魔法初級スキル・ソルマを発動させる。熟練度は最高の5で、貫通距離は10mだ。余裕で右側の取り巻きにも届く。


 立ち上がったばかりの右側のスケルトンコマンダー2体を光が貫き、消し去る。


 おれのソルマの起句に合わせてボス部屋に飛び込んだ姉ちゃんが、槍カッターを立ち上がったばかりのスケルトンコマンダーチーフにぶちかまして1撃で倒す。


 ほぼ同時に、おれは体術系中級スキル・タイケンでぶん殴って、もう1体のスケルトンコマンダーチーフを消し去った。


 チリンチリーン、という何かが落ちる音は聞こえるけど、聞こえないと信じ抜く努力を血の涙を流しつつ続ける。まだボスが残ってるしな。


 ボスであるナイトスケルトンが左腕を引き、右腕をその装飾過多な剣とともに高く上へと動かし、まるで「行け、ものどもよ! 戦うのだ!」とでも言うように、剣を前へと振り下ろす。ホネだから言えないと思うけどな。思うけども。


 ……その時には取り巻きは1体も残ってないけどな。残念。しかも、ちょうどおれと姉ちゃんの技後硬直も解けるし。


 ボス戦の重々しい儀式的な何かに付き合うつもりなどない。一切、ない。全然、ない。これっぽっちも、ない。あり得ない! 不意打ち万歳!


 ナイトスケルトンはそのくぼんだ眼窩に赤い光をたたえ、おれの方を見て動き出す。ソルハンの範囲に含めることでタゲ取りはしてあるからな。


 このナイトスケルトン、おれよりは遅いけど、たぶん姉ちゃんよりは速い。


 そのナイトスケルトンに横から襲い掛かるのは姉ちゃんだ。姉ちゃんはおれより少し早く技後硬直が解けているので動き出しも早い。


 すばやさはナイトスケルトンの方が姉ちゃんよりも上だが、それを打ち消すのが槍。打ち消すために、先制攻撃のために、姉ちゃんには槍を持たせた。それまでに貯めてきた剣術の熟練度をあきらめさせてまで、だ。いつか、時間があれば剣術を磨いてもいいとは思うけどな。


 ナイトスケルトンは姉ちゃんのウォーランスでスラッシュの2連撃からの、トライデルの3連撃で左右からぶちのめされ、さらには上からカッターを叩き落される。3つのスキルを続ける連続技トロアだ。槍トロア!


 カッターのノックバック効果から体勢を戻したナイトスケルトンが姉ちゃんへと振り返り、なんだかやたらと豪華な剣を振り上げる。たかだか範囲魔法のソルハン程度のダメージでは、トロアのダメージであっさりタゲ取りされてしまう。


 まあ、その剣が振り下ろされる前に、クールタイムスイッチで、おれがナイトスケルトンにランツェをぶつける。適度に離れた距離で。ランツェは3m貫通攻撃だ。ぶつける相手と距離が取れるのもこのスキルのいいところ。しかもノックバック(大)効果だしな。


 姉ちゃんの槍とおれのランツェ。おれたちはナイトスケルトンの剣の間合いで戦う気はない。


 ノックバック(大)効果でふっとばされたナイトスケルトンは、そこへ姉ちゃんから追撃のトロアをもう1度喰らって、細かい光の粒へと変化し、飛び散っていった。


 剣と、よろいと、石版と、チリンチリンチリンチリリリリーンっっっ、という音とともにたくさんの金貨がドロップし、おれは意味の分からない叫びを上げた。回収! 回収っ!! 回収ぅぅっっ!!!


 意味はわからなくてもどんな気持ちで叫んだのかはわかったみたいで、姉ちゃんはめちゃくちゃ微妙な顔をしてたけどな…………。


 まあ、医薬神ダンジョンで同格のボスを周回狩りしてんだから、結果は戦う前から明らかだったとは思うけどな。


 でも…………。


「…………姉ちゃん、もっかい、こいつ、狩ろうよ」


「……ダメ。今日は、ここの3層のモンスターをかくにんして、しょうぎょうしんさまの方に行くやくそくだわ。アインってば本当に本物のバカなの?」


「うっ……姉ちゃんヒドい」


 攻略法の確立したボスなんて宝箱みたいなもんなんだからな! だよな? そうだよな?


「ひどくない。さ、行くわ」


 姉ちゃんはおれの手を引いて、3層へ続く渦へと飛び込んだのだった。


 あ、ちなみにドロップした剣はあのなんか豪華そうな剣ではなく、ただのミスリルソードでした。よろいははがねのよろいな。期待させといてフツーって、落差のせいですっごく残念な気持ちになるよな、まったく。


 石版はバイアトの呪文の一部。予想通りだ。別にいらないけどな。








 鍛冶神ダンジョン3層のチェックを進める。坑道が1層や2層と比べてかなり広い。


 出てくるホネホネ軍団はスケルタルランスマスターとスケルトンコマンダーセコンドレフテナント。どっちも面倒な相手だ。あと、人形系は双剣のパペット。二刀流だけど、こいつは楽チン。どれもHP2000クラスで経験値はばっちり。


 双剣のパペットは二刀流の2回攻撃だけど、姉ちゃん槍だから。一言だな。姉ちゃん、槍だから。先に攻撃して終わり。1体で出てくるしな。


 ということで、スケルタルランスマスターはちょっと困る。相手が槍だから。槍だからな。しかもスキル攻撃を仕掛けてくる。まともに戦うと厳しい。


 スキル攻撃は攻撃力×2とか×3とか、2連撃とか3連撃とかだからな。さすがはランスマスターだよな。1体で出てくるのはマスターとしての意地かもしれない。


 でも、困るのはちょっとだけ。なぜなら初手で4連撃の槍クワドラッシュとか、3連撃の槍トライデルとか、2連撃の槍スラッシュとかを使う時は、予備動作中に姉ちゃんの槍カッターやおれのランツェで攻撃して妨害すればいい。予備動作長いんだから。技はマスターしてても、使い方はマスターできてねぇんでやんの。


 本気で困るのは初手がランツェの時と、カッターの時。カッターは予備動作で見切ってバックステップを踏めばなんとかなるけど、槍ランツェはなぁ。


 槍のランツェは剣のランツェよりも貫通効果範囲が長くなる。剣だと3mのところが5mだからな。しかも予備動作が簡単ですぐできる。ランツェの動きにこっちはすばやく反応して、攻撃される直線上から飛び退かなければならない。攻撃力×2でノックバック(大)効果だから、1発でももらうときつい。なかなかのスリルだ。おれが前で姉ちゃんは後ろで対応する。


 カッターとランツェに対応できればすぐに倒せる。手強くてもあくまでもモブはモブ。


 たぶん、4層はスケルタルソードマスターが出るぞ。HP5000クラスだからな。でも倒し方は同じだと思うけどな。


 ちなみに金貨を5~7枚落とすのでそこはウハウハではある。うん。ありがと、万札サイフさま。


 ホネホネ軍団のもうひとつ、スケルトンコマンダーセコンドレフテナントは数の暴力だ。2層ボスのナイトスケルトンと同じだけ、取り巻きを引き連れてやがる。スケルトンコマンダーチーフ2体とスケルトンコマンダー4体。セコレフ含めて7体を相手にしなきゃならねぇとは、マジで面倒な。


 まあ、面倒なだけで脅威とは言えない。太陽神系範囲型攻撃魔法でまとめて対処するだけだからな。どっちかと言えば、そんだけの数を倒しても経験値的には美味しくないというのが苦情を言いたいところだろうし。


 でも、金貨落とすから全て許します。天にまします神もあなたの死を受け入れてくださることでしょう。


 鍛冶神ダンジョンは武器と防具と技で勝負してくるから、毒とか眠りとか隠密系の不意打ちとかじゃねぇのがやりやすいよな。


 3層の調査と確認の後、わがままいって、リポップした2層ボスのナイトスケルトンを狩ってミスリルソードと金貨20枚以上ゲットしてから、渦を使って神殿へと戻る。


 移動した商業神ダンジョンも、1層から2層へとできるだけ戦闘を避けて進む。


 狙いはボスの蜘蛛モンスターだ。


 ジャイアントスパイダーは、クモ糸でのすばやさ低下デバフにハマらなければ、クールタイムスイッチで問題なしのもーまんたいだ。HPは人食い魔木やナイトスケルトンより多いけどな。HP7200だから。相変わらず、HPバーが視界の邪魔だ。早く1本1000HPにしてくれぃ。


 作戦は姉ちゃん先行させるという単純なもの。姉ちゃんをクモ糸の犠牲にして、そっから勝負するという作戦。


 なんでか姉ちゃんがちょっと嬉しそう。おかしくない? なんでそんな嬉しそうな顔してんのか意味わかんねぇんだけどな? 姉ちゃんMなの? Mなのか?


 姉ちゃんがまっすぐデカ蜘蛛に突っ込んで、後ろ向きに逃げるデカ蜘蛛がクモ糸飛ばして、姉ちゃんが粘着プレイですばやさ低下デバフ喰らって、振り向いたデカ蜘蛛が襲ってくる前に、後追いしてたおれが後ろから水の女神系支援魔法中級スキル・リソトサクルクリンネスで姉ちゃんのデバフを洗い流して解除しつつ、デカ蜘蛛にランツェをぶちかまして吹っ飛ばす。


 あとはクールタイムスイッチで、姉ちゃんのトロア、おれのランツェ、姉ちゃんのトロアで終わり。


 ゴーレムみてぇーなノックバック耐性とかがなければ、例えば魔王でも連続技で倒せるんだからな。デカ蜘蛛ぐらいは余裕だよな。レベ上げもしてきたし。


 ドロップは石版と、スパイダーシルク。目的の石版はゲットして、タッパのメモ帳に商業神系特殊魔法中級スキル・リタウニングの呪文は書き写した。これで大丈夫。スパイダーシルクは、うーん、どっかで売れるといいなあ。防具素材として利用できなくもないけど……。


 一応、3層へ上がって、すぐに神殿へ戻る。3層の探索はしない。


 そこからは、医薬神の神殿へ移動して3層へ飛び、すぐに2層に下りてボスの人食い魔木を狩り、3層へ上がってすぐに神殿に戻る。


 移動して鍛冶神の神殿で3層へ飛び、3層のモンスターを狩って時間を潰してリポップタイムを待って、2層のボス、ナイトスケルトンを狩る。3層に戻ってモンスターを狩って時間を潰して、神殿に戻る。


 商業神の神殿へ移動して、3層へ飛び、すぐに2層へ下りて、ボスのデカ蜘蛛を狩る。


 つまり、ボス狩りローテだ。時間潰しのレベ上げはお小遣いを稼げる鍛冶神ダンジョンの3層で。太陽神系魔法使ってもマジポでMP回復できるし、もはやカツアゲ状態かもしれん。ウハウハで金貨が貯まっていくぜぃ! 石版もサクサク集まる。7枚回収して、そのうちの4枚から鍛冶神系特殊魔法上級スキル・トンカンキンケヤンリの呪文をゲット。タッパのメモ帳に書き写す。完璧!


 攻略法の決まったボスなんて宝箱ですから。もう最高! 経験値もドロップも美味しいし、言うことなしです!








 9日目。


 昨日やったようにボス戦ローテをしながら、リポップ待ちの時間で医薬神ダンジョン3層を攻略し、午前中にはスタポ作成魔法の石版を3枚まで集めた。後1枚はたぶん、またボス戦でドロップするんだろう。


 残すところ、医薬神ダンジョン3層ボスと、鍛冶神ダンジョン3層ボスだ。明日、こいつらを狩ったら『はじまりの村』へ戻る。


 なんで明日なんだって?


 そりゃ、テツコのボス戦で使ったバイアトのクールタイム10日が終わるからだよ。


 1時間筋力2倍のバイアトを使えば、ボス戦はかなり楽になるんだからな。明日は鍛冶神か医薬神か、どっちかのボスの手前でバイアト使って、倒したらソッコーで移動して、残ったバイアトの時間でもうひとつのボスも狩る。タイムトライアル的な? そんな感じで。


 だから午後からは、神殿の渦から3層に移動して、3層のボスのところまでどれだけ短い時間で移動できるか。鍛冶神ダンジョンと医薬神ダンジョンのどっちが短い時間でイケるのか。それをレベ上げを兼ねて検証する。実際にはバイアト状態だから、今日の実験よりも早くなると思うけどな。


 どっちの3層にも飽きてきた姉ちゃんが農業神ダンジョンも探索したいと言い出したので、明日の方針が決まった段階で、今日は早目に農業神ダンジョンへ移動した。


 今まで1層の一部しか訪れなかった農業神ダンジョン。


 まあ、石版を集めるつもりもないし、ボスを狩るつもりもないので、1層から2層の途中まで、レベルが上がって楽勝のいろいろなモンスターを狩りつつ、途中の農園で野菜やら果物やらも収穫もして、なんか、姉ちゃんとアトラクション付き観光農園とか植物園とかでデートしてるみたいな……そんな感じ。


 ちょっと気持ちがほっこりしつつ、アトレーさまの神殿へ帰る。


 肉中心の今までの食事と少しだけ趣を変えて、果物も食卓に並んだりして。そんなことにも心がぽかぽかする。


 そろそろ、この神殿での探索も終わる。


 あと少し。


 いい感じのリフレッシュもできたし、気合いを入れ直して、明日は頑張ろう。












レオン:ボス狩りローテとか、なんだこの最強ペアは?

リンネ:アインさんの~、プレーヤースキルというか~、プレーヤーインテリジェンスというか~、そういうものがとことん活きてるよね~。

レオン:いったいどれだけゲームをやり込んだのだろうか・・・・・・。

リンネ:きっと~、何百回も~、何千回も~、お兄ちゃんを死なせてきたんだろうね~。

レオン:ぐはっっ・・・・・・。そ、それは、リンネ、言い方が、ちょっと・・・・・・。

リンネ:きっと~、リンネもお兄ちゃんに巻き込まれたんだろうね~・・・・・・。

レオン:(目、こわっ)い、いや、ほら、ぼくたち双子が勇者と聖女っていうのが、アピールポイントというか、なんというか・・・・・・。

リンネ:リンネもアインさんとパーティーを組みたかったなぁ~・・・・・・。

レオン:み、みなさん! 次回もどうかお楽しみに!

リンネ:ではみなさん~、↓↓↓↓の評価ポイントを「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしてくださいね~! ぜひとも~、ぽちっとクリックをお願いします~! ブクマも~、感想も~、レビューも~、みんなで~、待ってますから~! よろしくお願いします~!






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― 新着の感想 ―
[一言] リンネのコメントの毒がツボ(笑)
[良い点] 最初の10話位まではキツかったけど、それ以降は睡眠時間を削って読んだ程面白い。 [気になる点] 前書きと後書き、アイン君の重度なオタク童貞隠キャ特有の語り。 [一言] シスコン(重度)のタ…
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