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木の枝の伝説(14)



レオン:しかし、『リョフツヨソウ』か・・・。

リンネ:どうしたの~、お兄ちゃん~?

レオン:いや、「強そう」ではなく武力100は「強い」だろう?と思って。相生の奴、ふざけてる・・・。

リンネ:ああ~、『シコクサン』の話だね~。

レオン:・・・あれは左から読まずに右から読むんだよ、リンネ。

リンネ:もちろん知ってるよ~、ワザとだからね~。相生さんはミツテル派かな~、それともエイジ派かな~、ひょっとしてケンゾウ派とかマサミツ派かなあ~?

レオン:・・・何の話だ?

リンネ:マンガすら読まないKエー派のお兄ちゃんはおいといて~、みなさんは第14話を読んでね~!








 このへんがゲーム後半から終盤のエリアではないかという自分自身を不安に追いやる予測を立てながらも、貧乏性なおれはリポップしてないフォレボやバンビの縄張りで、可能な限りたくさんのリョフツヨソウを採集していく。


 ある意味でおれって精神的にタフだな。ゲーム的なセコさって部分だけどな!


 今は使えなくても使えるようになったら特上のスタポに化ける薬草だ。集めとかないともったいないお化けがあふれ出るからな! それと、リョフツヨソウを採り尽しとかないと、クールタイムが終わって明日もう一度農業神系特殊魔法初級スキル・ハダッドヌールを使った時に赤い花が咲くリョフツヨソウが光ったんじゃ無駄になるからな。明日は別の何かを光らせないとな! こういうのもセコさだけどな!


 リョフツヨソウを集めたあとは、バンビを一頭、狩る。


 レベル5になったことで使えるようになった『サワタリ・ツイン』の練習だな。


 ……と思ってたら、『ツイン』を成功させる前に、剣術系中級スキル・スラッシュの時点でバンビがポンと消えて肉に変わった。あれぇ?


 こりゃ、もう剣術系初級スキル・カッターでも一撃なんじゃねぇーかな?


 スラッシュは消費SP4で、SP43の今なら最大10回。攻撃力二倍の二連撃だから(筋力21+武器補正2)×2×2で最大92、ただしここからバンビの物理防御をマイナス。


 カッターは消費SP2で、最大21回。攻撃力二倍だから(筋力21+武器補正2)×2で46に熟練度3だからさらに+20で66か。


 ……こうなるとカッターでも一撃のような感じだよな。


 試してみないとわかんないので、もう一頭、バンビを狙う。


 そして、カッターで一撃。肉ゲット。あ、やっぱりか。


 残りバンビ1頭、フォレボ1頭。リポップしなけりゃ、森の奥への侵入が決定するよな。


 カッターが最大21回だから、安全マージンとって、カッター6、7回分ぐらいまで奥に進んで、そこから戻る? これ安マー取り過ぎか? いやでも、バンビかフォレボ以外のモンスターだって可能性はあるしな。


 詠唱省略が必中判定じゃないソルマしか使えないのも怖いな。とりあえず『ネンブツ』でも唱えて他の単体型攻撃魔法スキルを詠唱省略まで熟練度上げないと……。


 創造の女神アトレー関係の古き神々のスキルもいるかな……。


 新たに狩った二頭のバンビの縄張りでリョフツヨソウを採集しながらいろいろと考える。






 リョフツヨソウの採集を終えて、落ちている木の枝も回収し、それから木の枝タブルオーセブン・ムーンレイカーをストレージから取り出す。


『われ力溢れる鍛冶神に乞い願う、我らの武具を磨き保つ力を、メンテシュシュ』


 木の枝タブルオーセブン・ムーンレイカーがうっすらと赤い光に包まれ、しばらくしてその光が消えていく。


「これでよし、と」


 鍛冶神系特殊魔法初級スキル・メンテシュシュ。武器・防具の耐久をある程度回復させることができるが、一度かけた武器・防具には二度とかけられない。消費MP4、クールタイム1日。消費MPを増やせば複数を同時に回復させることも可能。通称『研ぎ』。


 鍛冶神系は支援魔法が大事だからな。あんま意味なさそうなメンテシュシュでもとりあえず使っておいて、鍛冶神系スキルを生やしとかないとな。






 そして、フォルテボア・なんとか・かんとかの縄張りから木にかけたロープを回収して、昨日『ネンブツ』を唱えたフォレボの縄張りに侵入。ロープをフォレボが見える位置の木にかけておく。


 昨日ディレイ状態まで追い詰めたフォレボはどうやら完全に回復しているようだ。HP20のモンスターが1時間1ポイントの自然回復だと考えたら全快するのは当たり前だけどな!


 今日は月の女神系を試すわけではないので、そのまま『ネンブツ』を仕掛ける。『ネンブツ』だけならディレイさせるまでもない。


『ドウマラ、リソトラ、ザルツラ、ヒエンガ……』


 フォレボが前足の予備動作で突進を開始。


 いつも通り突進コースからおれは移動して、急ブレーキをかけるフォレボを見つめる。


 再度の突進。もちろん、突進コースから外れたら問題なし。こんくらいでクールタイム5秒もヨユーで経過。もうトラウマ克服かな?


 急ブレーキと前足の予備動作の間に、再び『ネンブツ』をかます。


『ドウマラ、リソトラ、ザルツラ、ヒエンガ……』


 とまあ、これを繰り返して、MPとSPの限界ぎりぎりまで『ネンブツ』を唱え続け、最後は木の上に逃げるっと。


 もちろん、今となっては懐かしさすら感じる、フォレボの木に向けた突進と衝撃には全力で耐える。というか、あの時よりもステ値が上がっているせいか、余裕で耐えられたな。だが……。


「めんどくせぇ……」


 思わずつぶやいてしまう。でもしょうがねぇーよな? な? 実際面倒なんだからな!


 だからといって、安全マージンを削ってチャレンジする気にはならないけどな。今は、まだ、無理をするところじゃないはずだしな。


 ま、タゲ取りが外れるまで2時間。


 とりあえず今日は……。


「……こいつの名前でも考えとくか」


 おれは木に突進して頭をぶつけては落下していくフォレボを見ながら微笑んだのだった。






 2時間後、目の色が戻って、おれがいる木から離れていくフォレボをしっかりと見送り、安全を3回確認してから木を下りる。


 そして、森を離れて村を目指す。


 おれはちらりと森を振り返る。


 ……明日も待ってな! フォルテボア・シッダールタ・ガンジン! おまえにはひたすら『ネンブツ』を唱えてやるからな!









 夕食、木の枝タブルオーセブン・ムーンレイカーでの連続技の素振りで、ベッドでおやすみなさい。姉ちゃんは今日も水汲みの罰を受けてる。明日は手伝おうかな……。


 朝起きて、木の枝タブルオーセブン・ムーンレイカーでカッターの素振り。朝は連続技じゃなくてカッターなのは、カッターの熟練度をあとひとつ上げないと中級スキルのワイドカッターが使えないから。SPも連続技の素振りだと消費2ポだしな。


 朝食はなんとなく、「銅のつるぎがほしい!」と言いにくくなってしまったので、父ちゃんに魔物討伐の話をねだって、情報収集。『ド・バラッドの聖なる山』が見える大森林帯には10以上の村々があること、その全てが辺境伯領であること、そこから若者が集められて戦ったこと、戦ったモンスターは父ちゃんの説明から予測するとたぶんイビルボアだと考えられること、息子を亡くした家もあるから村であんまりこの話をしないことなどなど、けっこー重要な情報ゲット!


 特にイビルボア! いいねぇイビルボア! やっふぅぅっっ!


 フォレボやバンビでどんだけ頑張っても、ぎりレベル10までだからな。ただバンビがいるってことは親鹿みたいなフォルテディアーも森に入っていけばいるだろうし、スモール・フィールド・ボスはたぶんクソアス、フォルテベアスという大きな熊だ。


 なんでフォルテベアスの通称が『クソアス』っていうのかってーと、あの熊野郎は、ごくたま~に普段は絶対にいない浅いとこまでやってくることがあって、やっとこツノうさ卒業してフォレボやバンビが狩れるってくらいの初級者が突然のエンカウントでフォルテベアスに殺されちまう惨事がけっこうあったみたいだからな。そんで外国のスラングもじって『クソアス』って呼ばれるようになったと。ゲーム発売当初は『クソアス氏ね!』って攻略掲示板が荒れてたもんだ……。


 ま、それは置いといて……実際、レベル10になったらディアは経験値1、クソアスもたかが経験値2だかんな。これがゲーム一週目でのはじまりの村周辺の限界ぐらい。ディアやクソアスどんだけ狩ってもはじまりの村が滅ぼされるまでにレベル11にはできなかったしな。こいつらはリポップも長めだし。一度クリアしてからの二週目以降ならプレーヤースキル次第でもっと奥まで攻めていけるから、それ以上のモンスターを相手にレベル20まではなんとかなるんだけどな。


 ここではリポップの感じからいって、ディアやクソアスがゲームほどの数、狩れるとは思えねぇんだよな。


 そう考えると、イビルボアはフォレボよりずいぶんでっかいけど、倒し方の基本はまったく同じでとっても楽な相手だ。つまり突進バカ。馬でも鹿でもなく猪なのに突進バカ。しかもレベル20までは上げられる経験値効率のとっても美味しいアクティブモンスター。それが経験値ボーナスイベントでやってくるなら……ぐふふふふ……美味し過ぎるな。百でも二百でもどんと来い!






 じじいん家で計算光速ワープして、シャーリーがにこにこと「いまおりょうりおぼえてるから」とか言って出してくれたお茶を飲んでバイバイして、じじいん家を出たらズッカにつけ回されてストーカー被害に遭い、むかついたので小川までトレインしてズッカの木の枝かわして小川に蹴り落とし、後ろにいたティロとは「ティロもたいへんだね」「もうなれたから、ごめんね、アイン」とか会話して。いや、おれは慣れたくないよ、そんなの。ティロって変わってんな。


 そうして、いつものように森に到達。


 フォルテボア・なんちゃら・かんちゃらの縄張りでいつものようにリポップをチェック……今日もいつものようにアラホ……じゃねぇっ! 黄色! 黄色きたーっっ!


 うおおおおおぉぉーっっっ! リポップきたぁーっっ! ついにきたぁぁぁっっっ!


 四日? 四日だよな? どいつだ? やっぱフォレボか? それとも別か?


 足音をできるだけ消して森に侵入。


 すぐに穴掘りしてるフォレボを発見。


 ……まだ確定じゃねぇーけど、リポップタイムは四日で同一モンスターのリポップ、かな?


 一度森を出て、他の縄張りも巡回する。


 最初に倒してレベル4まで上げた時の同じ場所でフォレボ、フォレボ、バンビと同じモンスターがリポップしていて、その次の日に倒した分はやはりリポップしていない。


 まだ四頭分だけど、リポップタイムは四日で同一モンスターのリポップが今んとこ100パー。


 これが当たりだと仮定して……17か所だから1日4頭狩って、1頭は『ネンブツ』だな。まあ『ネンブツ』はフォルテボア・シッダールタ・ガンジンのとこでいいとして。


 空いた狩場は農業神系特殊魔法初級スキル・ハダッドヌールで素材探しと採集、できれば医薬神系特殊魔法初級スキル・メディスメディオスでライフポーションを作って貯めて……レベル7で森の奥、ぐらいか? いや、ドウマラからヒエンガまで詠唱省略で発動できる熟練度2が先、かな? そうするとたぶんレベルは8くらいに上がってる気がするけどな……。クソアスが出そうだと考えたら安全マージンで言えばレベル9はほしいかもな。本気出せばレベル5とか6でもイケるけどな! イケるけども!


 マジックポーションとスタミナポーションがほしいな、マジで。マジポ作りは医薬神系特殊魔法中級スキルだからレベル15以上、スタポは上級スキルだからレベル25以上だ。ほしいポーションはレベルが上がらねぇと手に入れにくいとは。うまくゲーバラとってやがるな、ちくせう……。


 ま、安全マージンはしっかり取ると決めたはず。じっくり行くしかないよな。


 まだリポップのない空いてる狩場で、リョフツヨソウを再確認。たぶん、もう採り尽したと思う。


 農業神系特殊魔法初級スキル・ハダッドヌールは半径20m以内でもっとも価値がある素材を光らせる。リョフツヨソウが全部回収されてないと、またリョフツヨソウが光るだけだし。


 大丈夫か、大丈夫か、大丈夫かと3回確認して、ハダッドヌールを詠唱して発動。


『われ恵多き農業神に乞い願う、我らを支える天の恵みを示す光を、ハダッドヌール』


 木に寄生しているかのように巻き付いている、1mくらいの長さで緑の花がいくつも咲いているつる草が光った。


 周囲を見回すと、4、5本の木に同じつる草が巻き付いている。


 小刀で木に寄生している根本を削って、べりべりと木からはぎとっていく。


 アイテムストレージに収納して名前を確認。


『ミンキーピーチソウ』


 すげぇな、という思いと、やっぱりな、という思いが同時に湧き上がる。


 マジックポーションの材料となる薬草だ。


 マジポの素材は、並でサリイソウ、上でサマンサダケ、そして特上がミンキーピーチソウ。昨日のリョフツヨソウに続いて、最高の材料なのだ。


 たぶん、だけど、明日はライフポーション特上の素材である『ホシゾラソウ』が光るんじゃないかな、と思う。というか、そうなってほしいな。切実に!


 できるだけ早くライポ作って、医薬神系特殊魔法初級スキル・メディスメディオスの熟練度を上げとかないと、マジポやスタポがいつまでたっても作れないからな!


 高級素材が採れるってことへの不安も強まるが、せっかくの高級素材だからな。めっちゃ回収! 根こそぎ回収っっ!


 空いてる狩場でミンキーピーチソウを採集し尽し、フォレボとバンビを2頭ずつ剣術系初級スキル・カッターの一撃で狩ってからそこでもミンキーピーチソウを採集し尽し、フォルテボア・シッダールタ・ガンジンのとこでぎりぎりまで『ネンブツ』を唱えて熟練度を稼ぎ、ロープをかけた木の上で2時間我慢してから安全を確認して村へ戻る。


 リポップの確認は、おれにこの先の可能性を感じさせてくれたのだった。


 もちろん、木の枝タブルオーセブン・ムーンレイカーは4頭目で折れたよ。ついでに心も折れた。バキバキに折れたな。次の木の枝ダブルオーエイトからはもうナンバーネームだけにしとく。考えるのもけっこー大変だからな!










 夕食後、おれは木の枝ダブルオーエイトでの素振りの前に姉ちゃんの水汲みを手伝い、「ありがと、アイン。それとごめん。あやまるわ」と姉ちゃんからスーパー珍しく謝罪を頂いてなんだかほっこりして、帰って木の枝ダブルオーエイトで連続技の素振りをしてからベッドでおやすみなさい。


 朝起きたら木の枝ダブルオーエイトでカッターの素振りして、銅のつるぎをほしがらない穏やかな朝食。


 じじいん家に移動して瞬間移動並みの高速計算。シャーリーが「たまごやきはできたけど、めだまやきがめだまにならないの」とか、かわいいこと言いながら入れてくれたお茶を飲んで、バイバイ。


 じじいん家を出たら「まてよアイン!」「むしするなアイン!」というズッカのストーキングの被害を受けて、おまわりさんこいつです!と言ってもたぶん誰も助けてくれないから、結局小川へズッカを蹴り落とすという自己防衛を自衛隊的な専守防衛で行い、なぜかティロから「ごめんね、アイン」と謝罪を受ける。ティロっていったい……。よく考えてみたらズッカがフツーにおれの名前を呼んでることに気づいたけど、ま、それはどうでもいいかな。


 そんで、森で狩り場となる縄張りの確認。


 バンビ3頭のリポップが判明したので、昨日の「リポップタイムは四日で同一モンスターのリポップ説」がやっぱ有力だなと思いつつ、バンビ3頭とフォレボ1頭を狩る。もちろん木の枝ダブルオーエイトは折れた。めっちゃ折れた。残念過ぎるな、もう。


 空いた狩場で農業神系特殊魔法初級スキル・ハダッドヌールを詠唱して発動させ、タンポポみたいな形してんのに青い花を咲かせた奴が光る。しかもおんなじ花が周りに十本以上はある。大量で大漁だ。


 小刀で掘りかえして採集し、アイテムストレージに収納して名前を確認すると予想通り『ホシゾラソウ』だった。


 移動して回収! めっちゃ回収! 根こそぎ回収っっ!


 薬草のリポップはなし。存在価値から考えると、フォレボやバンビなんかとは比べもんにならんくらいのリポップタイムがある気がするな。


 タッパの表示でMP39/43であることを確認して、『ホシゾラソウ』を3×3で9本、ストレージから取り出す。


『われ寛容なる医薬神に乞い願う、命をつなぐ神の泉のその水を、メディスメディオス』


 目の前に並べた『ホシゾラソウ』が赤、緑、青の三色の光の渦巻きみたいなのに巻き込まれたと思ったら、丸底フラスコみたいな形の小さなビンの中に青い液体が入って金のふたがついたライフポーションが1本と、銀のふたがついたライフポーションが2本、『ホシゾラソウ』があったところに並んでいた。


 医薬神系特殊魔法初級スキル・メディスメディオス。材料をそろえるとライフポーションを作成できる。なぜかビンも。なんでだろうな? 不思議だ。さすがはゲームクオリティ。消費MPは10だが、作成本数によって消費量は増える。今回は3本だから消費MP30だ。クールタイムは5日。材料と熟練度によって並、上、特上のいずれかのポーションが完成する。


「おお、すげぇな。さすが高級素材『ホシゾラソウ』だな。レベル5で熟練度1って最低状態での最初のスキル使用でいきなり特上1本と上2本か」


 ポーションは青がライフポーション、緑がマジックポーション、赤がスタミナポーションというように色で区別され、並が赤銅のふた、上が銀のふた、特上が金のふたというようにランクはふたの色で区別されている。


 ちなみに回復力は並が最大値の1割、上が3割、特上は5割で、飲んでから回復終了まで1分かかる。この1分がちょっと面倒なのだ。


 連続使用制限は特になし。中毒とかにはならないらしいな。


 実は特上のさらに上に、最上ってがあるけど、最上はネット上でのMMOイベントで販売されてた課金アイテムだったから、作成できない。


 ライフポーションをアイテムストレージに収納しようとして、ちょっと考え直す。そして、特上の1本だけストレージに収納する。


 今はソロプレイ状態だが、いつかパーティーを組む可能性もあるしな、それに『創造の女神アトレーの加護』も狙ってるんだから、商業神系のスキルも生やしておいた方がいい。


 ステ値をタッパで確認し、MP9/43で残り9と。よし、いけるな。


『われ栄えし商業神に乞い願う、仲間と共に、その荷を背負うことを、ボックスミッツ』


 薄く黄色に輝きながら、透明の引き出し付き3段ボックスが出現する。


 商業神系特殊魔法初級スキル・ボックスミッツ。消費MP2でクールタイムなし。熟練度によって30、300、3000個のアイテムを保管し、パーティーで共有できる。通称『救急箱』だ。


 あと、ボックスにアイテムを入れることで結果としてアイテムの名前と分類が分かるという鑑定機能アリ。同一の敵との戦闘中は消費MP2で何度でも出し入れができる。


 パーメンの誰か一人がスキル所有者であると助かる。というか商業神系のスキル持ちはパーメンに一人はほしい。ただし、ネット上のMMOイベントクエストの場合、NPCと組む方が珍しく、プレーヤーだと各自がアイテムストレージを使えるので、予め分けてポーションを所有しておけば不要という話もある。ま、あるならあった方がいいけどな。


 おれはライフポーション(上)を2本、3段ボックスの一番上に入れた。


 それから10秒くらいして、3段ボックスがふっと消える。


 村長のじじいが使ってる魔法はこのボックスミッツか、その上位魔法のボックスマックスのどちらかだろうと思う。たぶんボックスミッツで、熟練度は2か3だ。ボックスマックスだったら上級スキルなのであのじじいがレベル25以上ってことになるもんな。そんな感じはないしな! ないったらないな! じじいだもんな!


 ま、とにかくこれで、古き神々である商業神、医薬神、鍛冶神、農業神の初級スキルは生えたんだから、洗礼で『創造の女神アトレーの加護』は確定っと。


 残りMPが少ないから、この日はフォルテボア・シッダールタ・ガンジンのとこには行かずに、『ネンブツ』なしで村へと帰る。


 冒険の準備が整っていく。


 そんな感じがしたのは気のせいじゃないよな、とおれは思った。















レオン:リポップが四日、とはな。

リンネ:長いよね~。

レオン:ああ。ゲームでも、アニメでも、ひたすらモンスターを倒し続けてる気がしたんだが。

リンネ:めったにないけど~、珍しくお兄ちゃんに同意したくなるね~。

レオン:リンネ、お兄ちゃんの扱いがひどいと思うんだが?

リンネ:それは~、ゲームでも~、アニメでも~、お兄ちゃんがリンネを酷使したからだね~。

レオン:ぐっ・・・し、しかし、リンネは聖女で回復役で支援役なんだからしょうがないだろ? タンクをやってた殿下よりはよっぽどマシだったと思うが・・・。

リンネ:お兄ちゃんにしてみたら~、聖女なんて~、MPしぼってHP回復させるためのはちみつレモンのレモンみたいなもんだよね~。

レオン:そんな聖女の例えはないと思う・・・。

リンネ:ではまた次回もお楽しみに~。

レオン:ではみなさん、↓↓↓↓の評価ポイントを「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしていただけたら! ぜひとも、ぽちっとクリックを! ブクマも、感想も、レビューも、待ってますから! よろしくお願いします!





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