七品目 シャウトシャウト
貴女は何者ですか?
そんな素朴な質問をしたのはバーカウンターに避難してきた冒険者一行の年端もいかぬ少女。
ディバは自分着ている神官服によく似た服飾から彼女が着ているの神官服だと推測する。
つまり彼女は神官だということ。
「相手の名前を聞くにはまずは自分から。でしょ」
とりあえずディバは考えていたことを片隅に追いやり、先程の質問に対し当然の言葉を投げ掛ける。
すると彼女はそれは当然ですねと自己紹介を始める。
「私はメリス・メリアです。そこで倒れている勇者サードのお目付け役兼魔王討伐部隊のサブリーダーをやらせてもらっている神官です」
ディバはチラリと横目で冒険者一行改め魔王討伐隊見る。
其処にはぐで〜っと床に突っ伏した見た目15〜6歳の金髪の好青年が……
心なしか顔色が青いような気がする。
なんか頼り無さそうに見えて思わず呟いてしまう。
「…あれが勇者?」
「はい。あれが勇者です」
呟きが聞こえたのか律儀に答えてくれたメリス・メリアさん。
国の期待を一身に背負った勇者をあれ呼ばわりしたのはご愛嬌。
「次は貴方の番です」
ああそうだったと自己紹介を始める。
「私はディバイン・グローリー。屋台をやってる。宿に連れがいるわ」
「そうなんですか。どのような人なのです?」
「何処にでもいる少女に文武両道を組み合わせた女性よ」
「つまりは平凡な子なのですか」
平凡じゃないのだがうかつに王女様ですよなんて言えない。
勇者一行と言えど輩出した国の政争道具。
関わってしまった国はたちまちに無駄な同盟や支援をさせられてしまうだろう。
「うちの勇者。役に立ったろう?」そう切り込まれれば一貫の終わり。
「役に立たなかった」
と言えば輩出国から睨まれ、逆に
「役に立った」
と言えば前述の通り
「魔王を倒すため彼らの支援をお願いする」
と言われ国庫金を他国の勇者のために崩さなければならなくなる。
輩出国は勇者達を輩出するだけ、あとは他国に払わせ魔王討伐させる。
逆らおうにも勇者を輩出したのは前大戦にて猛威を振るったスカーペイン共和国だ。
逆らったら最後、国は消える。
それほどに力を持っているのだ。
スカーペイン共和国というのは。
(多分こいつらは知らないわね。)
勇者の身の上でありながら自分の国の思惑は知らない。
(一番可哀想なのは勇者一行かもしれないわね)
「……?。どうかしましたか?」
「ぁ…いえ。ちょっとぼうっとしてたみたい」
「……?」
フゥ…あぶないあぶない……と内心冷や汗を掻く。
とりあえず何を考えていたか悟られていないことに安堵する。
まあ、悟られたとしてもあんまり関係無いのだが。
「あの〜ディバインはんでええか」
メリスの後ろからヒョッコリ現れた女性。
筋肉で締まった無駄のないプロポーション。
赤髪にボブカットという典型的な体育会系ヘアー。
みためからして格闘家っぽい彼女は眼をキラキラと輝かせながら自己紹介。
「ワイはアイゼン・クロイツと言いますねん!はじめましてや!!年は19でジョブは武闘家、パーティーでは突撃隊長をやらせてもろてん!!!気軽にアイもしくはクロとよんでくれるとごっつ嬉しいで!!!!」
彼女アイゼンは無駄に元気な声で関西弁と異常ともいえる早口でディバに自己アピールの押し売り。
しかも彼女の押し売りはまだまだ続く。
「ディバインはん貴女はすんごく強いねんな!ちゅうかあの技何やのん!?どうやっていてこましたんや!!?他にどんなのあのや!!!?ていうかいっそのことワイを弟子にしてくれへんかぁぁぁぁぁ!!!!!!?」
関西弁マシンガントークと異常なテンションにディバ唖然。
答えようにもあまりのトークの速さだれもについていけない。
もちろん勇者たちも。
異常なマシンガントークに目がまわりそうになるディバイン。
ここにきて師匠の技の威力にビックリして固まってたショタ親父ドレイクはあまりマシンガントークにより覚醒。
一瞬で状況を理解するとピンチな師匠を助けるため酒場でつちかったトーク力で割ってはいる。
「あのですね…師匠が困っているのでそのく
「ワアァァァ!ショタっ子や!ショタっ子LOVE!!!!」って…ええっ!?師匠タスケテ」
ミイラ取りがミイラに
首根っこをむんずと捕まれたドレイクはそのまま抱き枕を抱くような形で膝のうえで抱き締められた。
しばらくして騒動は止まるのだがそこはカットされる。
なぜなら作者にそこまでの文章力はないからだ。
オマケ
「アイズ5〜なんだか楽しそう何だけど〜。シクシク…」
「……アイズ1任務続行せよ」
「何で〜何で私たちが〜…キンキンビールくびっといきたい。あーービール飲みたい」
「アイズ1今は任務中だ。酒欲は丸出しにするな」
「うーー私がリーダーなのに。もう」
「仕事しないからだ」
つっく